HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - 67

2011-02-21 17:23:44 | 日本のロック・ポップス

最初に名前を見ただけで、完璧な優しさと清々しさに溢れた印象を人に与えることができる
得な名前というのは、確かに存在する。私にとって「朝生愛」という名詞は、まさにそれである。
その他に何を感じるかは、個人の感性によって違うだろうが、決してネガティブなものは
感じないだろう。

朝生愛の紡ぐ音を言葉で説明する時に、通り一遍のどこにでも転がっている言葉でしか
表現できないのがもどかしい。音数の少ないギターをつま弾きながら、ささやくような透明な
声で歌う彼女の曲の数々を安易な言葉で貶めたくないのだが、その安易な言葉でくくられる
一連の音楽の愛好家で未聴の方がいたら、真っ先に聴くべきだろう。
石原洋と中村宗一郎の名前を出しておけばいいというわけではないが、いや、この名前にすら
反応できなければ話にならないのだが、こういった音楽が広く聴かれるのもいいんじゃないかと
思うのだ。

まかり間違って(失礼)、何万枚単位で売れるレコードをつくるアーティストになったとして
そのオーバーグラウンド加減が気に障って、以降今まで聴いていた人達が離れて行く、
なんて図を早く見たいのだ。

掲載写真は2004年のアルバム「ラヴェンダー・エディション」。
もう、彼女の名前だけでなく、ジャケットも完璧だ。完璧と言えば、2008年に出た「あいだ」の
ジャケット・デザインも完璧だろう。

朝生は2007年に出したスプリット7インチで、キング・クリムズンの「ISLAND」をカバーした。
クリムズンの「ISLAND」は私の中のイメージは「夜」ではない。いや、夜なのだが、深夜では無い。
夕暮に聴き始めて、気がついたらおそろしく時間が進んでいて「夜」になっていた、という感じだ。
この微妙な処が大事なのだ。

つまり、朝生愛の音楽は夜聴いてもいいし、朝の10時に聴いてもO.K.なのである。
生活臭漂う歌詞を歌って、安易な仲間意識や連帯意識を無意識のうちに植えつける
つまらない等身大の歌い手とは一線を画す音がここにある。
この普遍を貴方にも。

I.S.W.Y.


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