いつもなら最短距離でゴールを目指すのに、今回は迂回しすぎじゃないのと
言われそうだが、たまにはそれもいいじゃないかというわけで、ギアがトップに
入り、真打ち登場と相成ったのが掲載写真の盤。
バンドの名前に「ジョン・スペンサー」を再び冠した、ジョン・スペンサー・ブルース・
エクスプロージョンの8年ぶりのアルバム「MEAT AND BONE」は会心の一撃であった。
アルバム発表の約1ヶ月前にリード・シングルとしてリリースした2曲がアルバムの
冒頭に配され、久しぶりなのに耳馴染み感(笑)を演出しているのは彼ららしからぬ
手が込んだ計算であろうか。
凶暴な音の塊は、それイコール・ブルーズそのものである。元来ブルーズは繊細であると
同時に生活の鬱憤を晴らすための凶暴さも兼ね備えていたはずであった。
いつしか定形に安住するようになったジャンルに風穴を開け、風通しを良くするのが
彼らのロックであったのだが、ここでもそれは全く変わらない。荒々しい音の間を縫う様に
時折り聞こえる電子音のチープさが、彼らの本気度を自ら笑って曖昧にするようで、
そこら辺りが如何にもジョン・スペンサーらしくて微笑ましい。
アルバム冒頭に配された『BLACK MOLD』のPVは、個人的にはちょっと趣味では
ないのだが、彼らのユーモアは感じることができる。正直に言ってSFやホラー映画は
得意でないのだけど。
何れにせよ、アルバムの出来は最高である。ここには進化も深化も無い。
ひたすら、現場感覚に溢れ時代にリンクする現在進行形のブルーズがある。
日本盤、曲多いですか。(笑)知らなかったです。
もう、我慢できなくて・・・。(笑)