HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

駆け足の人生

2013-08-19 00:25:38 | ROCK

実のところ、イーグルスは熱心には聴いていない。とりあえず72年のファーストから
解散した80年に出たライブ盤までのアルバムは揃えているが、「HOTEL CALIFORNIA」は
ともかく、その他の盤にどんな曲が入っているか全くもって不確かである。(笑)

ロックに足を突っ込んだらすぐに名曲といわれる『HOTEL CALIFORNIA』の存在を知る
ことになったが、曲が長かったせいもあって今一つピンとこない。ところが日曜のある日、
まだ寝こけていたら母親が「イーグルスがテレビに出とるよ。」と起こしにきたではないか。
時計を見れば7時20分くらいだったと思う。

正確にはイーグルスが何かの番組に出たのではなく、ワイド・ショーのお天気コーナーか
何かが終わって、「今日の1曲」みたいな感じで『HOTEL CALIFORNIA』の映像が
流れたのだが、今思えば母親はよくもまあ「イーグルス」という名前と『ホテル・カリフォルニア』
という曲名に反応できたものだ。

で、私はロック好きの大多数が見たことがあるであろう、この映像を初めて見て曲後半の
うっとりするようなジョー・ウォルシュとドン・フェルダーのギターに聴き惚れて、アルバムを
手にしたのであった。といってもレコ屋のポイントが2500円分貯まったので、それと
交換したのだけど。(笑)

出会いは美しかった?が、盤を聴き進めるとどうもピンとこない。メンバーが複数でボーカルをとり
楽器を持ち替えるのは、あのザ・バンドと同じなのだが、血気盛んな一本気なロックンローラー
には、それがまどろこしく思え、更に歴史を辿るとやたらとメンバーが変わっているのにもとまどった。
おまけに初期はカントリー色が強い。

今ならカントリーだって全然O.K.なのだが、イーグルスに限っては10代で出会ってしまったので
未だにその頃の悪い印象がぬぐえないでいる。それともう一つ、これが根本的な原因なのだが
ドン・ヘンリーのドラムが好きになれないのだ。何だか、固い感じでもうこれはニュアンスというか
捉え方の問題なので、どうしようもない。

そんな私が「HISTORY OF THE EAGLES」と題された3枚組DVDを手にしたのには
理由がある。一番大きな理由は3枚組DVDだけに収録された8曲分の77年のライブ映像を
きれいな画質で見たかったからだ。昔からブートレグの定番で、かなり前に私もブートレグDVDで
映像を見た。なんだかんだ言ってもアルバム「HOTEL CALIFORNIA」には良い曲が多く
収録されているし、ジョー、ドン・フェルダー、ランディー・マイズナーといった3人の
個性が程よくバンド内に還元されている時期でなので、楽しんでみることができる。

ただ、これはあくまでボーナス扱いでメインは「ヒストリー」である。ドン・ヘンリーと
グレン・フライの権力が大きくなり、他のメンバーとの軋轢や摩擦が大きくなっていく様や
バンド内の綺麗事でない、あれやこれやを正直すぎるくらいにメンバーが語るのは
過去の話だとわかっていてもスリリングであった。

レコーディングにまつわる話も興味深い。直接ビル・シムジクのプロデュースに言及する
シーンは無いが、グリン・ジョーンズのそれに言及するシーンがある。その回想と後半の
スタジオやライブでの映像で見ることができるマイク・セッティングを見て、バンドの音つくりの
変遷を改めて耳で確認するのも面白いだろう。

若き日々にリンダ・ロンシュタッドのバックを務めた映像も流れるが、この頃のリンダは
実に可愛らしい。是非ともこの時期のリンダの映像を発掘してほしいものだ。

話がそれた。(笑)
実は再結成以降をとらえたディスク2はまだ見ていない。私がこれを見る必要があるのか
どうかわからないが、そのうち気が向いたら見ようと思う。

最初に書いたが私はイーグルスの熱心な聴き手ではない。それでも、この3枚組DVDの
最初の1枚と3枚目のライブは素晴らしい内容であることは断言できる。
何度でも繰り返して見たいと思わせるドキュメンタリーだ。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (TK)
2013-08-19 20:27:28
このバンドはまったく苦手なんだけど、ジプシーキングスのホテルカリフォルニアがかっこいいんです。

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Unknown (ハリー)
2013-08-19 21:29:59
TKさん

エレクトラ40周年の「RUBAIYAT」に収録されていましたね。あのバージョンには私も驚かされました。
さっき調べたら10年5月の当ブログで取り上げていました。(笑)
返信する
ためかしら? (tapara)
2013-08-20 23:08:43
Harryさん、

くだんの『HOTEL CALIFORNIA』のアルバムは、
発売後数年たってから行った韓国出張時、
現地でカセットを買いました。
ただ、もう30年にもなろうとしていますが、
意識してアルバム通して聴いたことが
いまだにないかな、という記憶です。

そのわけをあまり考えたことがなかったのですが、
このバンドは自分にとってどうも真面目すぎるようです。
たしかに、彼らにはポワーンとした「Take it easy」やベースのイントロで心をつかむ「呪われた夜」など良い曲も多いのですが、もしかしたら「ため」が少ないと感じているのでしょうか。

ちょっとたとえは違うかとも思いますが、レアルのカカとバルサのシャビの違いのようなものかもしれまへん。
返信する
ちょっと考えました (ハリー)
2013-08-21 22:03:41
taparaさん

実は「HOTEL CALIFORNIA」というアルバムを
1枚通して楽しめるようになったのは、つい3,4年前の
話で、正味な話、私も20年以上放置していたのと同じ
でした。(笑)

カカとシャビ。
この場合、イーグルスってカカですよね。
じゃあ、シャビは何だろう。
リトル・フィートかなぁ。(笑)
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