今ほどロック以外に聴く音楽が多くなかった20代の頃は、英国ロックというだけで
それがプログレであろうとハード・ロックであろうと手当たり次第に聴いていた。
レーベルにも興味を持つようになったので、ヴァーティゴだのデラムだのと言われると
よくわからないバンドであっても目につけば買ったものだ。
そんな中で特に気に入ったのがパトゥーであった。
変形ジャケットに惹かれたというのもあったが、ブルーズに根ざしながらも適度に
ハードでポップな曲自体が良かったし、何よりマイク・パトゥーの渋いボーカルと
オリー・ハルソールの適度にツボを押さえたギター・プレイに痺れた。
パトゥーの前身のタイム・ボックスも気に入ったし、パトゥー解散後にオリー・ハルソールが
参加したテンペストも好きだった。そんなオリーとマイクが再び組んだバンドがボクサーである。
ボクサーの75年の1ST「BELOW THE BELT」(掲載写真左)のジャケットを見た時は魂消た。
「なんだ、これは。こんなの恥ずかしくて買えないよ。」
店頭で買う恥ずかしさはスコーピオンズの「VIRGIN KILLER」のLPと双璧ではないだろうか。
今では気軽にネット通販できるので、いつか「VIRGIN KILLER」をこっそり買うかな、なんて
思ったこともあったが現行CDはジャケットが変更されている。先にLPと書いたのはそのせいである。
よって、未だ件のアルバムは私の手元には無い。(笑)
で、「BELOW THE BELT」。かつて1度CD化されたような記憶があるが、その時は買い逃した。
とりあえず今回の再発で、私はようやく聴くことができたというわけだ。
フロント・ジャケットも大概であるが、リア・ジャケットは写真こそ小さいものの、もっと素敵なことに
なっている。できればリア・ジャケをフロントに持ってきてほしかったが、それは流石に
無理だったのだろう。このジャケットでオリジナル盤のレーベルはVIRGINというのは
今思い返しても気が利いている?。(笑)
メンバーもマイクとオリー以外の二人も、英国ロック歴戦の強者なので、演奏は安心して
聴いていられる。期待に違わない素敵な内容の盤であったのでこれでまた英国ロック熱が
再燃したりして。パトゥーやテンペストを好きな方には間違いなくストライク。
テンペスト・カバーというか、再演曲もあるし。
同時に再発された3枚目の「BLOODLETTINGS」(掲載写真右)は1STより地味だが、
これも良い盤であった。冒頭のビートルズ・カバー『HEY BULLDOG』ニール・ヤング・カバー
『THE LONER』に加え、レナード・コーエンの『TEACHERS』のカバーが素晴らしい。
76年に録音された事実上の2枚目なのだが、79年まで発売を見送られたというのが
このバンドの不幸というか、所属したレーベルの急伸的な流れに乗れなかった不幸というべきか。
もうこうなったら今回の再発からは漏れてしまった77年の「ABSOLUTELY」の再発にも
期待したい。最後にボクサーということで、思いついたアルバム・ジャケットを少しばかり。
実のところ、どれもそれほど気に入っている盤ではないのだけど、賑やかしということで。
以前も書きましたが・・・・。
バンデージだけで殴ってはいけません。(笑)
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