HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

WINGS OVER AMERICA

2013-05-30 09:42:18 | ROCK

         

ポール・マッカートニー&ウィングスが76年に行なった全米ツアーからのライブ盤「WINGS
OVER AMERICA」のスーパー・デラックス・エディションがリリースされた。

この3枚組レコードを初めて見たのは、私が中学3年であった1980年の冬に友人の家に遊びに行った
時である。この年は新年早々にウイングスが来日したものの、騒動でポールが逮捕され公演が
キャンセルされたことでファンには記憶されているだろう。尚且つ私にとっては、クラスの担任の
「ビートルズもウイングスも、お前らには関係の無いものだ。浮かれるな。」みたいな余計な
一言でむかついた記憶もある。(笑)

以前も書いたが、その時点ではウイングスの名前くらいは知っていたが、クラスの誰もが
そこまでは辿り着いてなかった。辿り着いてなかったはずなのに、それから10ヶ月以上経って
遊びに行った友人の家に、このブ厚い3枚組LPがあったものだから魂消たものだ。

聞けば、ビートルズに興味が出てきたのでそいつの友人の兄貴に借りたのだとか。
テーブルには、今ではタイトルを忘れたがビートルズの5枚組くらいの編集盤と、何故か
アビー・ロードのピクチャー・ディスク、そしてウィングスのライブ盤が並べられた。

ビートルズから先に聴くのが筋だろうというのは私にもわかっていたわけで、半日かかりで
二人でビートルズを聴いたのだが、初期のビートルズの解りやすい楽しさはすんなり受け入れた
ものの、「アビー・ロード」が妙に重たく思え、またまたウイングスまでは辿りつけなかった。

翌年にはすっかりローリング・ストーンズにのめり込み始めたし、世間では文字通りジョン・レノンは
神になってしまうしで、すっかりポールは後回しになってしまう。実際に3枚組LPを手にしたのは
20代後半もいいところで、それも3枚組にも関わらず中古で1000円くらいだったから「とりあえず
買った」という全く積極性に欠ける(笑)購買動機。そんなものだから熱心に聴くこともなかった。

では、何故今回この値の張る箱を買ったのかというと、これもファンの方々には怒られそうだが
今までリリースされたポールの豪華箱をずっと揃えてきたから。いや、本当は値段の高さに
スルーしようと8割方思っていたのだが、考え直す要素は沢山あったのだ。

本家本元のオフィシャル・ライブ盤を熱心に聴いていないにも関わらず、ブートレグ収集に熱心だった
時代にウイングスもそれなりに押さえたのであれば、今回の箱の未発表のカウ・パレスでのライブを
収録したCDと、DVD「WINGS OVER WORLD」をスルーしてはいけないだろう、と自分に
言い聞かせたのである。

届いた箱の重さにまずは驚愕。4冊の豪華な本に驚くが中でも革張りのヤツには感動した。
チケット・レプリカやバック・ステージ・パス等を丁寧に収納していて、凝った折り方でコンサート会場や
アルバム・ジャケット全形を見せるアイディアは面白いし、何より資料が豊富だ。

今回は、収録されるDVDがドキュメンタリーということなので日本盤を買った。日本盤に付いた解説は
ブックレットと歌詞の和訳のみなので、今回の箱物或いは同時にリリースされた「ROCK SHOW」の
細かい内容に関しては、先日出たレコード・コレクター誌が大きな手助けになる。

今、私は嬉々として「WINGS OVER AMERICA」を聴いている。ああ、このライブを体験した人は
皆幸せな気分で家路についたのだろうな、なんて思いながら。この後「ROCK SHOW」を見るのだが
また同じことを思うのだろう。

DVDの中で、間抜けなインタビュアーとやりとりをする場面がある。この人どっかで見たことあるなあと
考えていたのだが、思い出した。ストーンズのVHS「リワインド」の一番最後で、コンサート終了後の
ミック・ジャガーにインタビューしようとして無視されたのに、ヘラヘラしていた人と同じだな。(笑)

実は「WINGS OVER AMERICA」のDXエディションの発掘映像は、日本でも放送されブートレグでも
有名な「WINGS FLY SOUTH」かな、なんて思っていた。日本で放送された映像には歌詞の字幕が
つくのだが、『ROCK SHOW』の誤訳が面白い。「レインボー・シアター」とバンドの「レインボー」を
取り違えたが故に大笑いの訳になっているのだが、今となってはこれも貴重な記録である。
日本語字幕はともかく、今度は「WINGS FLY SOUTH」の正式発売を願っている。

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« AREA 73 | トップ | AREA 74 »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (col)
2013-06-01 18:59:06
ハリーさんのウィングス体験、、とってもリアルに伝わってきます

当時高校生以上で、ビートルズをシッカリ聴き終わった世代でないと、ちゃんとウィングスに向き合ってない人が多いはずですよね

しかも、20代でちゃんと後追いするのは、ビートルマニア(ポールマニア)の人くらいで、私はレゲエやブルースやブラジルとかに集中してる間に今に至ってしまった感があり、ウィングスは(聴いてはいるけど)聴き込んではないんですよね

今回の再発でラムはガッツリ復習しましたが、他にも手が伸びるのか?自分で自分がどう対処するのか楽しみです(笑)
返信する
Unknown (ハリー)
2013-06-01 23:00:18
colさん

私は年代からいってもビートルズにもジョン・レノンにも
リアル・タイムで影響を受ける歳ではなかったので、本当の凄さとか良さを理解していないのかもしれませんが、何とか追いついて良かったとは思っています。

後付上等で、当時はそうでもなかったのに「俺たち(何故か複数系でモノ言うんです)はビートルズで育った」みたいな物言いをしても、すぐバレる人ってそこかしこにいるのが笑えます。

20代でレゲエやブラジル音楽に接するようになるのは
素敵なことで、快感原則に則れば正しい選択のように
思えます。40代になって気付いた私は遅すぎました。(笑)

「ラム」はいいですね。colさんは他にも他の人が聞かない音の中に沢山聴く音楽があるでしょうから、クールに自然に折り合いをつけるんでしょうね。

ラムをもう一杯・・・。ラム違いか。(笑)
返信する

コメントを投稿