掲載写真は元スリッツのヴィヴ・アルバーティンが12年に出したアルバム「THE
VERMILLION BORDER」。もういい歳(アルバム発売時だと57歳か)であるが
ジャケット写真に写る、今まさに退屈な生活から抜け出そうとしているヴィヴは
まるで少女のようである。
スリッツはクラッシュと縁が深く、それはクラッシュの前座としてツアーを回った
とかのレベルでなく個人的な付き合いがあり、ヴィヴ自身はミック・ジョーンズと
親しく、一説では『TRAIN IN VAIN』はヴィヴとの別れを歌ったものだとも言われる。
スリッツを辞めたあとずっと普通の生活をしていて、突如音楽活動を始めるのは
勇気がいることだし、需要が無いと受け入れられないという厳しい現実とも
立ち向かわなければならない。それでもメジャー・カンパニーと契約しなくても
インディーズ・レーベルと契約しなくても、ネットで音楽を伝えられるという自由が
復帰を後押ししたというのだから、昔は如何に不自由だったかということである。
彼女の復帰を後押ししたのは旧友ミック・ジョーンズ、グレン・マトロックに
トーキング・ヘッズのティナ・ウェイマス、それに故ジャック・ブルース!の名前も
ある。ドラムスにはスティーヴ・ハウの息子ディラン・ハウも参加。各人それぞれ
1曲の参加だが、彼らの参加はそれだけヴィヴを後押ししたいという思いがあるからで
彼女も心強かったことだろう。
全てのギターとボーカルはヴィヴ自身のもので、スリッツ時代ほど混沌としていない
のはボーカリストの違い故かもしれないが、一筋縄ではいかないギターの音が
気持ちいい。仮にここで聴かれるトラックにジョン・ライドンのボーカルがのって
「PILの新作」として登場したら、大歓迎されるのではとすら思う。つまり、鋭角的で
聴く人によっては耳障りであろうが、そこが気持ちいいという複雑な構造を
持っている。
実に魅力的だ。
元スリ、とはいいとこ突いてきますね。
とにかく、オレンジ色のスカートの広がり具合だけで大当たりですね。
当時、トーキング・ヘッズというよりもトムトムクラブ(ティナ・ウェイマス?)やスリッツ、レインコートに小川美潮などをPILやスペシャルズ・マッドネスなどと並べて聴いていました。(だいたい、『ローラ』をやってくれる女の子バンドなんか、ほかにいない)
シャッグス?なんてのもいましたな。
わては、そのあと、クリッシーお姉さま命❤となってしまいましたとさ。
心晴れや軽やか、という感じの写真で私もこのジャケットが好きです。
トムトムクラブが流行ったことは、それだけトーキング・
ヘッズが凄かったということなのか、と考えることが
あります。実のところ、それほどトーキング・ヘッズの
全ての盤を熱心にリアルタイムで聴かなかったので。(笑)
クリッシー・ハインドにはいつまでも若々しくいてほしい
ものです。