発売がアナウンスされたものの、延期に次ぐ延期で収録曲の情報もほとんど
入ってこなかったロッド・スチュワートのライブ・ボックスが遂にリリースされた。
4枚組で計58曲。数多くのヒット曲に、原曲を知る人が多いであろう有名曲の
カバーの数々。おそろしい量のヒット・パレードを聴いている気分だ。
演奏されるのはファンにとっては馴染みの曲ばかりなので、ロッドが客に歌わせる
場面(例えば『YOU'RE IN MY HEART』)では客席の合唱がすさまじいし、スローな
曲でも歓声は結構あり、さすがはスーパースターといったところか。
私個人としては初めて聴く意外なカバーが多かったのも嬉しい。メドレーに組み込まれた
79年の『LAYLA』や、アコースティック・ギターをバックに歌う84年の『HUNGRY HEART』
といったところは、ロック者はニヤリである。98年にはオアシスやプライマル・スクリームの
曲をとりあげていて、何ともスーパースターは懐が深い。(笑)
また、ロッドのライブと言えば、なんとなく「トリプル・ギター」という刷り込みがあるのだが
その編成が84年に崩れるのが何というか、時代を感じさせる。
さて、今回のライブ盤はタイトルに「LIVE 1976 - 1998」とある。この間に行われた
ツアーは全9回で、そのどれもから万遍なく選ばれている。しかし、個人的には78年の
音源が無いのが気になった。他にも抜けている年はあるのだが、78年は11月に
「BLONDES HAVE MORE FUN」をリリースし、その勢いでツアーに出たということもあって
プロモーションに力が入ったこともあってか、放送用と思しき録音が多く残されている。
左は78年12月6日マンチェスター公演、右は12月21日のロンドン公演を収録。
左は12月22日、右は12月23日の共にロンドン公演を収録。
ここに掲載した4枚のブートレグは全てオフィシャル級のステレオ・サウンドボード音源で
特にロンドンはオリンピアでの3公演はクリスマス目前ということもあってか、気合が
入っている。(ような気がする)
何故、ロッドは78年音源を選択しなかったのか謎なのだが、ブートレグの役割は
こういった場面で大きな力を発揮する。(笑)
それにしても、4枚を聴いていけば、時代の変遷を感じるはずなのに聴き終わった後には
ある一日の長時間のコンサートを体験したかのような気にさせてくれるのが面白い。
そして、もっと聴きたいという気にさせてくれる。
スタンダードやバラッドを歌うロッドも悪くないが、これからもロックンローラーで
あり続けてもらいたいと思いながら、もう一度リピートするのであった・・・。
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