掲載写真は3枚のCDと1枚のDVDで構成されるトッド・ラングレンの
「AT THE BBC 1972 - 1982」。CDサイズの小さな箱に入っていてジャケットに
使われた写真の色合いもあって上品な感じに仕上がっている。
ディスク1のメインは72年の「IN CONCERT」で同年リリースのアルバム「SOMETHING/
ANYTHING」の美味しい処を演奏する。ユートピア名義での演奏に比べれば、幾分地味な
感じがするが、実のところこれくらいの方が私好みで音質の古さ加減も何というか
ラジオから流れるヒット曲を聴いている感じで心地よい。
ディスク2と3はユートピアの演奏で、それぞれ75年と77年の演奏。
75年の演奏は2年前にSHOUT ! FACTORYからリリースされたものと同じ日のもの。
こちらの方がMCを多く含む。
つまり、今回の盤の方が曲間の編集が目立つのだが、1曲多いアドバンテージがある。
しかしながらSHOUT ! FACTORY盤の方が音質はブライトな仕上がりで、これは
これで捨てがたい。
今年、トッド&ユートピア名義で
77年のミルウォーキーでの演奏がリリースされているのだが、ここでリア・ジャケを
見てハタと気づいた。今回のBBCボックスとミルウォーキーには「THE TODD
RUNDGREN ARCHIVE SERIES」とロゴが入っている。これがトッドの発掘物の
正真正銘の正規物という意味なのだろうか。と思いながら先のSHOUT ! FACTORY盤の
リア・ジャケにはTR-i.COMなんて書いてあるし。まあ、音質のいいブツなら
手にしてしまうからいいのだけど。(笑)
DVDはユートピアによる75年の演奏とトッドのソロによる82年の演奏が収録
されていて、共にOGWTに出演した時のもの。82年のソロはピアノを弾きながら歌う
曲の演奏が良く、流石に良い曲を書き良い声をしていることを実感。12弦や例の
カラフル・ペイントのSGを弾く曲も全て一人での演奏なのだが、全く退屈させない
ところが素晴らしい。
そして。75年と82年の映像の間に77年に収録され78年に放送されたOGWT特番の
「THE BEARSVILLE PICNIC」からユートピアの演奏シーンが挟まれているのだが、
これが大いに気になった。いや、別にユートピアの演奏がどうこうというわけではない。
この特番がこんなに綺麗な画質で残っているのなら、是非とも単体でリリースして
欲しいという欲望が頭をもたげたのだ。
というのも、同特番にはジェシ・ウィンチェスターの歌が2曲含まれているし、ポール・
バターフィールドの演奏のバックにはレヴォン・ヘルムやドクター・ジョンが名を
連ねているという大きな見どころがあるからだ。何故かミック・ロンスンのインタビュー・
シーンや散歩をするジョン・セバスチャンなんて画もあって、これは是非とも全体を
綺麗な画質で見たいものだ。レッツ・ゴー・ヤングの松田聖子特番の回が人気があった
ように、この特番も今世に出れば更なる大きな反響があると思うのだが。
あれ、例えがおかしいか。(笑)
話が脱線したが、ほとんど初登場といってもよい演奏と映像が多く、数あるトッドの
アーカイブ物の中でも大切な1セットとなった。
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