先日、60年代のフォークやブルーズ、はたまたロック・シーンにおいて重要な役割を
担ったヴァンガード・レーベルの4枚組CDがリリースされた。収録された曲名とミュージシャン名を
見ていると、それだけで60年代のワン・シーンを見事に切り取ることができることに
改めて気付かされる。
そんな中で、見事に無視されたのが掲載写真のミュージシャンとアルバム。
掲載写真はエリックを名乗る男性が68年にヴァンガードからリリースした「LOOK WHERE
I AM」。
冒頭から聴こえくる、へなへなしたトランペットと頼りなげなボーカル、遠くで鳴るヴァイブに
思いだしたように被さるピアノやサックスの混ざり具合が尋常じゃないほど心地よい。(笑)
ほとんどダサい歌謡曲のようなメロディーの曲があれば、フルートやファズ・ギターが活躍する
曲もあり、これはサイケ者には避けて通ることはできない盤である。
決して上手い歌唱とは言えないのは、サイケのレコードには多々あるのだが、頼りなげでは
あるものの、それでも明瞭であろうとする様が聴き手の心に微妙にとりいってくるのだ。
私の所持するCDは字が小さすぎて、リア・ジャケットに記されたクレジットが読み取れないのだが
全体的に曲のアレンジの優れた盤でもある。
このアルバムは、おそらくエリックの残した唯一のアルバムだろう。
2012年の今、彼が何処にいるのかを気に掛けないとしたら、何とも残念である。
せめて、件の4枚組CDに1曲でも収録されていたらと思わずにはいられない。
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