HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

FLASHBACK

2009-02-23 17:29:27 | ROCK
「フラッシュバック」という映画を見た人は多くないかもしれない。
1990年の映画なのだが、劇場未公開の上に未だDVD化もされていない。
私は92年くらいにお茶の水あたりで、ワゴンに詰め込まれたレンタル落ちの
ビデオが売られているのを見つけ500円で買ったものを今も所持している。
改めてパッケージを見ると生意気にも、コピーガード仕様だ。(笑)

60年代の反政府運動のヒッピー活動家が逮捕され、その護送を任された
若きFBI捜査官との列車の旅の道中で起こる様々なトラブルを軸に
話は進行する。政府に反対するヒッピー、ヒッピーの両親に反対して
家を飛び出した若い男。どちらにとっても自分が対峙したものが「体制」で
あり、自分なりの自由を求めての行動で今を生きているという設定が
まず面白い。ヒッピーをまさにハマリ役であるデニス・ホッパーが演じて
いるために興味を持ってビデオを購入したのだが、若きFBI捜査官は
キーファー・サザーランドである。もしDVDが販売されれば、キーファー
目当てに買う人が多いかもしれない。実際ここでのキーファーの演技は
多彩で、彼のファンは様々な表情を見せる若き日の演技に目を凝らすだろう。

映画には多くのロックの曲が使われている。
ビッグ・オーディオ・ダイナマイトがオープニングを飾り、R.E.M.も
エンディングの重要なところで使われる。60年代のヒッピー文化を
代表する曲は「BORN TO BE WILD」だ。元はヒッピーだが今は自称弁護士に
なった男がバーで流れる音楽が気に入らず、ジューク・ボックスに
この曲を探しに行くのだが、結局マシンの使い方が解らず、すごすご席に
戻ってくるのと、彼に対してホッパーが「ヒッピーの時代は終わった。
『イージー・ライダー』をレンタル・ビデオで借りてきてもしょうがない。」
みたいなことをいうと、「『イージー・ライダー』は買ったのだ。」という
くだりが面白い。

一番重要な曲はボブ・ディランが演奏する「PEOPLE GET READY」では
ないだろうか。映画ではちょっと悲劇的な場面の後に使われていて
印象が強く残るのと同時に、ディランのオリジナル・アルバムにはこの
カバーは収録されていないことが尚更、曲の価値を高める。
他にもエディ・ブリッケルがカバーした「WALK ON THE WILD SIDE」や
感傷的なジェファースン・エアプレインの曲も使われ、これらは
サントラとしても発売された。(掲載写真)
映画ではサントラには収録されていないが、ストーンズやキンクスの曲も
効果的に使われている。

「レーガンが何をしてくれた?。階級差が出来ただけじゃないか。」
ヒッピー役のホッパーの問いかけの意味は、人名を入れ替えればアメリカ
だけでなく日本の病んだ姿が見えてくる。少なくとも前回の衆議院選挙で
あの男を支持しなかったことを私は自慢できる。
いずれにせよ。ロック者は一度は見て欲しい映画である。



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