HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

THE GOOD , THE BAD AND THE UPSETTERS

2014-02-17 10:10:23 | REGGAE

       

アップセッターズが70年にトロージャンからリリースしたアルバム「THE GOOD , THE BAD
AND THE UPSETTERS」にリー・ペリーが関与していなかったのは、よく知られた話である。
ペリーにしてみれば、自分が不在の間に「勝手にリリースされた」という気分だったのだろう、
全く同じタイトル、ジャケットで「ジャマイカン・エディション」を製作したという。

現物など見た人がどれだけいるのか知らないが、裏ジャケに収録曲のステッカーを貼って
リリースしたとのことだが、今回新たなジャケットでようやくその全貌が明らかになった。
掲載写真左の盤に収録された曲とは違う曲ばかりなので、単純に両者を比較して優劣を
つけるわけにはいかない。単純に「幻」が眼前に現れたことを喜ぶのみである。

スティール・ドラムの怪しい響きが、アップセッター・スタイルのオルガンと絡むさまは
異様に気持ちがいいし、ハード・ロックのそれとはまったく違うギターやオルガンの過度の
歪みがある曲も面白いし、アクセントで加えられる鳴り物もいい味を出している。

では、ペリーが関与していない70年のトロージャン盤が面白くないのかと言われれば、
そんなことは全くない。ダブの要素はないが、アストン・バレットとカールトン・バレットの
鉄壁のリズム隊を誇る時代であり、ソウル・マナーの曲の演奏もお手の物である。
スカタライツは勿論だが、ここで演奏された『GUNS OF NAVARONE』も、後進の
スペシャルズに影響を与えたであろうことは容易に想像できるし、お馴染のメイタルズ・
ナンバー『MONKEY MAN』の別解釈も面白い。

というわけで、ペリーは自分抜きで、鑑賞に堪えうる盤を別なプロデューサーが作ってしまい、
その出来がそれほど悪くなかった、というのである意味燃えたのかも、なんて想像するのも
楽しい今回の「ジャマイカン・ミックス」なのであった。

  さて、今回のアルバム・タイトルであるが
映画「THE GOOD , THE BAD AND THE UGLY」からいただいているのは間違いない。
何せアップセッターズには「CLINT EASTWOOD」とか「EASTWOOD RIDES AGAIN」と
題された盤があるのだから。

私もクリント・イーストウッドが好きだ。(笑)


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