HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

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蔵出し~ダウン・タウン・ブギ・ウギ・バンド オフィシャル・ブートレグ

2008-01-11 22:19:39 | 日本のロック・ポップス
ダウン・タウン・ブギ・ウギ・バンド結成35周年記念ということで
一気にアルバムがCD化される。初期の作品は長くカタログに残っているが
後期のものは初CD化だと思う。
「あぁブルース」シリーズや「曽根崎心中」は心して押さえて置こうと
今から楽しみである。

オリジナル・アルバムの再カタログ化を前にベスト盤とレア録音集が
発売されたが、掲載写真は初登場音源を中心に編んだレア・トラック集。
2枚のCDと1枚のDVDで構成される。
1枚目には8トラック・カセット用にリリースされたオールディーズ・
カバーが18曲とライブが5曲収録されている。
オールディーズ集はカセット発売というのがいかにもなのだが、
昔のLPやカセットに小さく書かれた「本人が演奏しているものでは
ありません」という類のものだろう。
ライブで演奏しているレパートリーだったためか、演奏はかなり
こなれているし宇崎のハスキーな声はどの曲にもマッチしている。
ストーンズ者としては「ホンキー・トンク・ウーマン」のカバーが
気になるところだが、柄の悪いフライング・ブリトーズという感じで(笑)
気に入った。

郡山ワン・ステップに出演した翌日のライブ(74年8月6日ということ
になる)である「軽井沢ニュー・ミュージック・メディア」でのライブでは
観客に1STアルバム収録予定の「網走番外地」と「ちゅうちゅうタコかいな」
がレコ倫に触れて収録されなかったことがユーモア交じりで語られる。
今回は「網走番外地」は未収録だが、先の「ワン・ステップ・フェスティバル」
のCDでは聴くことが出来る。

2枚目は有名曲のデモやCM用に録音された曲をフル・レングスで聴くことが
出来る。デモならではの味わいはあるが、ここから膨らませて世に出た
バージョンは、曲やアレンジよりも歌詞が格段に良くなっている。
語呂合わせの面白さや音に対する言葉の乗りを良くするための
努力がどれくらいあったか、容易に想像できる。

3枚目のDVDは2002年の再結成ライブを捉えたもの。
たった1回のコンサートのためかリハーサル不足を露呈する箇所もある。
ずっと音楽活動を継続している宇崎にとっては、満足できるライブであるとは
思えないが、それでもD.T.B.W.B.としてのパブリック・イメージを
裏切ることのないM.C.には、失礼な物言いだが「プロフェッショナル」を
感じた。

「特出し 持ち出し 大奮闘」というのは「ジプシー・マリー」の歌詞だが
今回のCDは正にそんな感じで、ハコバンやベース・キャンプ廻りで
鍛えた洋楽カバーと、日本ならではのブルーズと演歌を消化したスタイルの
両方を楽しめる稀有なアルバムである。


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