昨日と同趣向の盤をもう1枚。
掲載写真は95年9月にニューヨークはレインボー・ホールで行われたチャリティー・
ディナー・ショーを収録した青江三奈の「PASSION MINA IN N.Y.」。
93年にマル・ウォルドロンらと製作したアルバム「THE SHADOW OF LOVE」が
好評だったことを受けてのジャズ仕様のライブ盤である。
ここで頭をよぎるのが、八代の時は「演歌」とどう違うのかということであったが
青江の場合は「演歌」に加えて「ブルーズ」とどう違うのかということである。
よく、青江三奈や淡谷のり子が歌っているのは「ブルーズ」なのかということが話題に
なることがある。昔の私なら一笑に付したものだが、今では「ブルーズ」でいいんじゃないかと
思っている。アメリカの形式ではない日本独自のブルーズであると解釈すれば却って気分がいいし
何しろ本人が「ブルーズ」って歌っているのだから。(笑)
では、この盤は「ブルーズ」なのか「ジャズ」なのか。
バックで演奏しているのはニューヨークのジャズ・メン達である。ライナーを書いてるのは
岩波洋三大先生。なんだ、立派なジャズじゃないか。(笑)
ここでの青江の歌唱と、『恍惚のブルース』や『伊勢佐木町ブルース』のオリジナルの歌唱と
比べる気は無いので、歌い分けているのかどうかはわからないのだが、この盤での
歌は生き生きしているし、あちらのジャズの人たちがコテコテの日本仕様の曲を演奏するのが
面白く、私はこの盤を気に入っている。ジャケットも洒落ているし。
ロック者の聴きどころとしては、ビリー・ジョエルの『NEW YORK STATE OF MIND』を
歌っているところか。あと、ギタリストがデヴィッド・スピノザであること。
『女とお酒のブルース』での渋いフレーズは、ちょっと格好いい。
それよりも何よりも、アルバム冒頭で『MOANIN'』から『伊勢佐木町ブルース』に繋がる
メドレーは何度聴いても「この流れは凄いなぁ」と思う。
この盤に出会ってしまった偶然を、嬉しく思っている私が確かにいる。
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