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HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

IVAN LINS / MODO LIVRE

2004-11-18 22:31:41 | BRASIL
ブラジル屈指のメロディ・メーカー、イヴァン・リンスの
74年発表のアルバム。アルバム・タイトル「自由なモード」は
そのまま、イヴァンのバック・バンド名でもある。

軍事政権下で表現が制限された中、多くの才能が
海外での活動を余儀なくされたのに対し、純粋に
政治とコミットしない、いいメロディーを追及したイヴァンは
ブラジルで傑作を作ったのだ。
一聴して耳に残るメロディーとひたすら気持ちの良いアレンジ
というのは洋の東西問わず、聴く者の心を惹きつける。

メロディ・メーカーのイヴァンにとって作詞家というのは
重要な存在である。このアルバムは初期に活動を共にした
作詞家との作品が6曲あるが、重要なのはその後20年の
長きに渡り、活動をともにするヴィトル・マルチンスとの
出会いがあるということだろう。キーボード、ピアノ・プレイヤーの
イヴァン。ブラジル版エルトン・ジョン&バーニー・トーピンとは
言えまいか?

全11曲、気持ちよく聞いて頂きたい。
イヴァンにかかればサンバも、小川の流れのようである。


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CAETANO VELOSO / SINGLES

2004-11-13 20:49:56 | BRASIL
ムジカ・ロコモンドという本がある。
ブラジル物のレコード収集ガイド本として、選者のコメントの
内容の良し悪しはあるものの、ジャケットを800枚も見られる優れものである。
その本で最初に紹介されるのが、カエターノ・ヴェローゾ。
カエターノのオリジナル・アルバム未収録の、シングルやEP、オムニバスから
編集されたのがこの「シングルス」というCDである。

気持ちのいい音を追求し続ける時代の曲もあれば、当時の軍事政権に立ち向かう
怒りに満ちた時代の曲もある。ムタンチスのハードな
演奏に載せてロックする曲は後者にあたるが、欧米のサイケデリック・バンドに
負けず劣らずの出来である。ジョルジ・ベンやジルベルト・ジルとの共演シングル
も含む素晴らしいコンピレーションCDであるが、ロック者は更に
注目すべき点がある。カエターノは多くのビートルズ・カバーを残して
いるが唯一のストーンズ・カバーをこのCDで聴く事が出来る。
76年のコンピレーション・ライブからのセレクトで、曲は「LET IT BLEED」。
ライブ演奏では本家ストーンズでさえ、だれた演奏を残す難曲を、前半は実にクールに
演奏し後半は「ああ、ブラジルのアーティストがカバーしてるんだな。」と
唸らずにいられないアレンジで、素晴らしいバージョンに仕上げている。

ブラジルでも未CD化のトラックを、日本独自で企画編集した世界に誇るCDである。
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