ディランを聞き込み始めたのは
かなり遅かった。バンドで一丸となって
音を出す楽しさを自分でも体験すると
なぜか「バンド幻想」とでもいおうか、
ツアーやレコーディングの度に
メンバーが変わるということ自体が
私の中で低い位置にあったのだ。
「追憶のハイウェイ61」でさえ、当初は購入して
一度聞いたのみで押入れ行きであった。
哀れな10代の私・・・。(笑)
真剣に聞くようになったのは、友人の家で酒盛りしながら
レコードを聞いていくうちにディランの「欲望」に出会ってからだ。
かなり酔っ払っていたはずなのに、どんどん覚醒していくのが
わかった。「欲望」というより冒頭の「ハリケーン」に
やられたのだ。A面が終わり盤を裏返そうとした友人を制し、
もう一度かけてもらったのが昨日のことのようだ。
「ハリケーン」の話は知っているだろう?
F、C、Gという循環コードにAmが入ったことが日本人好みかも
しれないが、全体はアグレッシブである。録音時のドラム・セットに
組み込まれていたチャイナ・クラッシュは、ボクサーのフックの
ように体にきいてくるし、スカーレット・リヴェラの天翔ける
ヴァイオリンが気分を高揚させる。
ディランの歌唱の良さは勿論だが、韻の踏み方が冴え渡る。
You'll be doin' societry a favor
That a sonofabitch is brave and gettin' braver.
極めつけは
jailhouseとmouse、advanceとchance、slumsとbumと連続で
踏んだあとのこの歌詞である。
And to the black folks he was just a crazy nigger.
No one doubted that he pulled the trigger.
ディランは実話を元にした歌詞だけに慎重で、レコーディング終了後
事実でない部分を知らされて、再レコーディングをしてこの
曲を完成させている。それにしてもこの大量の歌詞(何せ8分32秒の曲)
の中で、ここまで格好よくライムを踏むディランには絶句する。
無実のボクサーが黒人で、陪審員は全て白人であったことが
歌詞に出てくるが、将来日本においても陪審員制度が開始されるという。
つまらない差別や偏見で、結審することがあってはならない。
ルービン・ハリケーン・カーターはミドル級だった。
ボクシングで一番面白いのはミドル級だといわれる。
ロベルト・デュランを思い出して欲しい。
日本ではミドル級は重量級にあたる。このクラスのチャンピオンは
出ないとさえ言われたが、1995年12月19日竹原慎二がWBA
世界ミドル級チャンピオンになったときの試合はよく覚えている。
そんなことまで思い出させる曲である。
かなり遅かった。バンドで一丸となって
音を出す楽しさを自分でも体験すると
なぜか「バンド幻想」とでもいおうか、
ツアーやレコーディングの度に
メンバーが変わるということ自体が
私の中で低い位置にあったのだ。
「追憶のハイウェイ61」でさえ、当初は購入して
一度聞いたのみで押入れ行きであった。
哀れな10代の私・・・。(笑)
真剣に聞くようになったのは、友人の家で酒盛りしながら
レコードを聞いていくうちにディランの「欲望」に出会ってからだ。
かなり酔っ払っていたはずなのに、どんどん覚醒していくのが
わかった。「欲望」というより冒頭の「ハリケーン」に
やられたのだ。A面が終わり盤を裏返そうとした友人を制し、
もう一度かけてもらったのが昨日のことのようだ。
「ハリケーン」の話は知っているだろう?
F、C、Gという循環コードにAmが入ったことが日本人好みかも
しれないが、全体はアグレッシブである。録音時のドラム・セットに
組み込まれていたチャイナ・クラッシュは、ボクサーのフックの
ように体にきいてくるし、スカーレット・リヴェラの天翔ける
ヴァイオリンが気分を高揚させる。
ディランの歌唱の良さは勿論だが、韻の踏み方が冴え渡る。
You'll be doin' societry a favor
That a sonofabitch is brave and gettin' braver.
極めつけは
jailhouseとmouse、advanceとchance、slumsとbumと連続で
踏んだあとのこの歌詞である。
And to the black folks he was just a crazy nigger.
No one doubted that he pulled the trigger.
ディランは実話を元にした歌詞だけに慎重で、レコーディング終了後
事実でない部分を知らされて、再レコーディングをしてこの
曲を完成させている。それにしてもこの大量の歌詞(何せ8分32秒の曲)
の中で、ここまで格好よくライムを踏むディランには絶句する。
無実のボクサーが黒人で、陪審員は全て白人であったことが
歌詞に出てくるが、将来日本においても陪審員制度が開始されるという。
つまらない差別や偏見で、結審することがあってはならない。
ルービン・ハリケーン・カーターはミドル級だった。
ボクシングで一番面白いのはミドル級だといわれる。
ロベルト・デュランを思い出して欲しい。
日本ではミドル級は重量級にあたる。このクラスのチャンピオンは
出ないとさえ言われたが、1995年12月19日竹原慎二がWBA
世界ミドル級チャンピオンになったときの試合はよく覚えている。
そんなことまで思い出させる曲である。