このあいだ、東京から熱海に向かう電車に乗っていたとき、伊豆山の土砂災害の現場が、車窓から見えました。
伊豆山は、熱海駅の手前あたりだと思っていたので、外を見ていました。
そして「あっ、ここに間違いない」と思ったところで、シャッターを押し、3枚の写真を写しました。
大分、復旧しているようですが、それでも傷跡が残っていますね。
この道路は、伊豆下田まで続く国道135号線のようです。車がたくさん走っています。
災害後、しばらくは、土砂に埋もれ通行止めになっていたようです。
写真下部(橋より山側)のほうは、元あった建物も壊れているようです。
海側のビルにもブルーシートがかかっています。
電車は左から右へ進んでいます。右のほうの家は大丈夫だったようです。
ニュースの映像では、このあたりまで道路の上を土がかぶっていたようでした。
車窓から見えるのは、災害のあった地域のごく一部なので、全体像は到底わかるものではありません。
4枚目に撮った写真は、もう木で隠れて大部分が見えない画像でした。
それの一部をズームにしたものです。
伊豆山地域というのが、かなりの急斜面にあることがわかりますね。
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この土砂災害について、備忘のため概要を書いておきます。
2021年(令和3年)10時30分ころ、熱海市伊豆山地区の逢初川で大規模な土砂災害が発生した。
この日は、48時間で300mm以上の降水量だったそうだ。
そして、山の上のほうからものすごい勢いで流れ落ちてきた大量の土石流により、家屋が破壊され押し流され、それによって27名もの犠牲者が出てしまった。(26人の死亡が確認され、1人はまだ行方不明となったままである。)
最初は、まれな大雨による自然災害だと思われていたが、その後、単なる自然災害ではないことが判明した。
大量の土砂となって流れたものは、人為的に作られた盛土であり、その盛土は違法なものだったことがわかった。
盛土には本来あるべき排水設備がなく、土砂の流出を防ぐ堰堤もなかったそうだ。
また、盛土の総体積は3.6万立方メートルのはずが、実際にはその1,5倍以上の5.6万立方メートルもあったそうである。
この盛土は、神奈川県の不動産会社が建築残土の処分のために、静岡県の条例に基づき盛土をしていたそうである。
しかし、その中に産業廃棄物が含まれていたため、静岡県や熱海市が改善を求めていたが、改善されることはなかった。
その後、土地所有者が変わった。
このあたり(伊豆山の街の上の山)には、太陽光発電のためのソーラーパネルが設置されている区域もあり、森林が伐採されて保水力がなくなっている。
また、山の谷間を開発し、適切な工事もせず、大量の盛り土をした土地所有者には重大な責任が問われる。
被害者たちは、盛土を行った前土地所有者と、現在の土地所有者を刑事告訴しているとのことだ。
しかし、起きてしまった災害は取り返しのつくものではない。
今後、このようなことは2度と起こってはいけないことなので、日本全国の土地開発や盛土・森林伐採などに注意を向け、危険を阻止しなくてはいけない。