山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。

知らない一面

2011-08-03 01:27:25 | 美術・美術館


このあいだ、一番親しくしている友人と夕飯を食べに行ったのだが、そこでパウル・クレーの話になった。友人がシャガール等の絵が好きなのは知っていて、時々一緒に美術館に行ったりするのだが、パウル・クレーが好きだとはしらなかった。このあいだ、1人で行ってきたと言ったら、誘ってくれればよかったのにと、えらく残念がられた。しかし、あの日は突然の思いつきで出かけたし、夫が在宅中だったので、急いで昼ご飯のおかずを買って帰らなくてはならなかったから、やっぱり一緒に行ってゆっくり楽しめるわけではなかったなどと話し、その後はお互い夫の悪口を言い放題にしてストレスを解消した。

さて、そこでパウル・クレーについて、友人が言うには、パウル・クレーの絵は、色はほとんどついていないものが多いとのこと。
あれっ?色あったけどなあ?どちらかというと、豊かな色合いが特徴かと思ったのだが・・・。
それから友人が言うには、魚の絵が有名で絵本になっている(これは色あり)。友人は、白地に黒の絵ばかりが描かれた詩集も持っているそうだ。そして、パウルクレーは、皮膚が硬くこわばるような病気になって動けなくなって亡くなってしまった人なのだそうだ。
あれ~そうなの~、知らなかったなあ。

そういえば、展覧会というのは、画家の生い立ちや生涯が説明されている事が多いのだが、このあいだのは、そういう説明があまりなかったように思う。バイオリンとハープと指揮者を描いた絵を真っ二つにして、左右を逆にして完成させたという絵のところに、親が音楽家で、パウル・クレーも小さい時から演奏会に出てバイオリンを弾いたりしていて並はずれた音楽の才能もあったという説明があったように記憶しているが、それ以外はほとんど記憶がない。そういえば、あの絵は線だけで色彩はなかったようだ。

晩年は友人が言うように、身体が動かなくなる病気になったのだろうか?と思い、wikiなどで調べてみると、友人の言う通りだった。
それで、そのころ、白い紙の上に黒い線で天使の絵などを描いていたようであり、その絵に谷川俊太郎が詩をつけて絵本を出版しているらしい。そういう絵が、今回の展覧会にあったかどうかはまるで記憶がない。ただ、近代美術館で対談と朗読の会が開催され、谷川俊太郎が詩を朗読したようなので、天使の絵のことなどは、世の常識だったのかもしれない。インターネットで検索していると、天使の絵や魚の絵があり、確かにそれは私も見たことがあるものだった。
それから、さらに、パウル・クレーが初期に描いていた絵はそれほど色彩が豊かではなかったようである。あるとき、アフリカのほうに旅行に行った時に、豊かな色彩に目覚めたのだそうだ。
私が買ってきたポストカードの絵は、どれも、その色彩に目覚めた後の時代のものであった。

今回の展覧会は、パウル・クレーが画家になってから、本格的に活動していた時代のものが中心だったのであろう。

友人が知っているパウル・クレーと私が今回知ったパウル・クレーは、重なる部分が無くて、一瞬別の人のことを言っているのではないかと思ったほどだが、どちらも1人のパウル・クレーのことだった。

人というのは、一面だけ見てもわからないものだなと思う。友人と話して見て、絵本の存在等、色々知ることができてよかった。私からは「あれっ?色はあったよ」程度のお粗末な情報しか提供できなかったけどね。