ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

07/07/20 「パイレーツ・オブ・カリビアン」いきなりワールド・エンド

2007-07-20 23:59:28 | 映画(映画館、DVD、TVを含む)

「海賊王にオレはなる!」というTVアニメ『ワン・ピース』のルフィの決め台詞!娘が大好きだった漫画も途中までは読んでいた私。だから「パイレーツ・オブ・カリビアン」第1作からなんとなく関心はあった。しかし主役のジョニー・デップは全く観たことがないし、あの濃い顔のメイクがこけおどしみたいで何となく気に入らず。ディズニーランドのアトラクションの映画化というのを私が映画館で観なくてもという感じでずっと見送ってきた。
ところが、市村正親主演の「スウィーニー・トッド」を観た時に、ジョニー・デップ主演での映画化の話もあると、ジョニデ贔屓のmayumi様のTBで知り、俄然ジョニデへの関心が増した。何の作品からジョニデ・デビューしようかと思案していたのだった。
そしてついに人気沸騰の「パイレーツ~」は3作目で完結編の上映が始まり、シネコンでの予告編に引き込まれてしまう。前作までを観ずにいきなり160分の大作を観て大丈夫だろうか。「舞妓Haaaan!!!」を観た時にこちらのパンフも一緒に買って熟読。そうしたら、海賊王に女性がなるというじゃあないの~。みたい観たい~!!

本日、家の近くのシネコンが1000円の日だったので、仕事帰りに「西遊記」「パイレーツ」のどちらにしようか迷ったが、「パイレーツ」の方を観た。明日以降の上映回数減でちょうどいい時間がなくなってしまうので決断!自宅最寄の駅に停めてある自転車で片道10分とばしてギリギリに飛び込んだ。

パンフ熟読の成果があって、3時間まったく問題なしで堪能。パンフも隅から隅まで「映画を観てから読んでください」のページまでしっかり読んだ(私ってけっこうそういう奴なのだ)。主要登場人物の顔もたたきこんで見たので特にひっかかるところもなかった。
【キャスト】
ジャック・スパロウ=ジョニー・デップ
キャプテン・バルボッサ=ジェフリー・ラッシュ
ウィル・ターナー=オーランド・ブルーム
エリザベス・スワン=キーラ・ナイトレイ
サオ・フェン=チョウ・ユンファ
デイヴィ・ジョーンズ=ビル・ナイ
ベケット卿=トム・ホランダー
ジャックの父親=キース・リチャーズ 他

東インド会社のベケット卿が“深海の悪霊”デイヴィ・ジョーンズの弱点を握って制海権を握っていたところから始まる。海賊とその係累たちを次々と絞首刑にする場面で子どもが歌い始めた「(海賊)召集の歌」が大合唱になったところで私はもうこの世界にぐっと引き込まれた。ミューオタの面目躍如というところか。

キャプテン・バルボッサは“9人の海賊たち”を招集して昔封じ込めた海の女神を解放し、その力にすがることで海賊たちが生き残ろうと提案。ところがそのうちのひとり、ジャック・スパロウがいない。デイヴィ・ジョーンズによって“世界の果て”に囚われているのだ。まずは彼を連れ帰るところから大冒険が始まる~。
むくつけき海賊たちに混じったエリザベスもウィルもカッコいいし、ご贔屓のジェフリー・ラッシュもいい味出してるし、肩に乗っているお猿さんまで可愛く芸達者~。ウキウキ~、ワクワク!
カリブ海だけでなく、アジアまで行ったのがいい。シンガポールを拠点にするサオ・フェンの根城もなんでスチームバスなのかわからないけどとにかく妖しい雰囲気でよし。
でもジャックが閉じ込められていた“世界の果て”の蟹のところがちょっとしつこく長かった。分身の場面も初めてで馴染んでないから何となくしつこいし~。救出隊の皆と合流してから観ている私もテンポアップ。
そして私が今回けっこう気に入ったのは難破船を積み上げた海賊たちの要塞島だ。そこに集う“9人の海賊たち”もいろんな民族のキャプテンがいて楽しい。そして敵の力が強大なのにみんな自分が一番偉いと思ってるからくだらない喧嘩に走るし、ホント変な奴どもだ。そこにジャックの父親であるご意見番が出てきて一喝。ローリングストーンズのキース・リチャーズ登場で雰囲気一変。ロックンローラーだったジョニデも尊敬モードがあふれてるし、なかなか見ごたえあり。投票で海賊王を選ぶことになり、サオ・フェンからキャプテンの地位を継承したエリザベスがジャックの加勢で選ばれる。マダム・チンなんて本当にキャプテンかという感じだったけど、彼女がいるからエリザベスもすっと受け入れられるんだなあと思ってしまった。彼女の凛々しい一言で皆で東インド会社と戦うことになる。
ウィルはとにかくデイヴィ・ジョーンズの妖力で囚われている父親を助けたい一心で、エリザベスたちを裏切るような行動もする。誰が味方で誰が裏切り者なのかもわからないのが可笑しいのね。みんなとぼけてるしさ。

海賊たちばかりなのでけっこう暴力シーンも多いが、あまりスプラッタでないのが私には好ましい。やっぱりディズニー映画ということでその辺のセーブは効いているのだろうか。
デイヴィ・ジョーンズの蛸顔のCGは凄かった。しかしこの顔で愛するカリプソを思って涙を流されるとほだされる。そのカリプソを人間の肉体に封じ込めた女ティア・ダルマに触れられると一瞬だけ元の人間の姿になるが、このふたりの愛も物語の底辺にあるのがなかなか憎い。

東インド会社側にはエリザベスの元婚約者もいて、命をかけて彼女を逃がしたりもしてこちらもなかなかせつない。エリザベスがとにかくカッコ良く描かれている。
ついに戦闘開始。戦闘場面はどうしてもメインの船数隻の戦いに絞られてくるけれど、いろいろな海賊旗を掲げる場面は胸躍るものがある。一方の東インド会社の旗の方がよっぽど不気味に見えてくるのも面白い。

戦いの最中にエリザベスとウィルは結婚を決意。バルボッサに宣言してもらって成立というのがまことに戦中もとい船中結婚式らしい。

東インド会社の最強の切り札ともなっているデイヴィ・ジョーンズをやっつけるには、弱点の心臓を専用の箱から取り出してグッサリやることが必要。その箱をめぐっての攻防が山場となる。
そこで大変なことが起きてしまうのだ。ジョーンズに瀕死の傷を負わされたウィルの心臓をえぐったのはなんと父親。幽霊船にも船長が欠かせないのだ。幽霊船長となったウィルとバルボッサの船でベケット卿の乗ったエンデバー号を挟み撃ち。しかしあまりにベケット卿の最後はふがいなかった。残りの艦船は逃げていっての大勝利。その後、一日だけのふたりの時を過ごすエリザベスとウィル。

最後はまたジャックがバルボッサに船を奪われてコメディ調に。ジョニデのジャックは愛嬌いっぱい。しかしその後にある場面があることもわかっていてしっかりと長い長いエンドロールを耐えた(いつも最後まで観るけどね)。10年後にエリザベスが海辺に子ども連れてきてウィルを待つ。一日だけの再会となるだ。まぁお話だからこういうのもありでしょうか。

1と2をレンタルで観てからにすると言っている娘にも来週のレディスデイに行け~とすすめている。そうしないと終っちゃうよ。パンフ読めば大丈夫だよ。でも娘は一緒にいろいろ観てもホント資料読まないヤツなのだ。私と人種が違うみたい(理解できないよ~)。

写真は「パイレーツ・オブ・カリビアン」サントラCDの画像(買ってないけど(^^ゞ)。
追記
デイヴィ・ジョーンズの乗るフライング・ダッチマン号の呪いは、ワグナーのオペラ「さまよえるオランダ人」の元となっている伝説のアレンジだという。このオペラの英語のタイトルが“The Flying Dutchman”ということだ。なぁるほど!