パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

くちびるに歌を ★★★

2015年03月09日 | か行の映画
シンガー・ソングライター、アンジェラ・アキの名曲「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」を題材にしたテレビドキュメントから着想を得た中田永一の小説を実写化。輝かしい才能を持つピアニストだった臨時教員の女性が、生まれ故郷の中学校の合唱部顧問として生徒たちと心を通わせていく。メガホンを取るのは、『ソラニン』『ホットロード』などの三木孝浩。『ハナミズキ』などの新垣結衣がヒロインにふんし、その脇を木村文乃、桐谷健太ら実力派が固める。オールロケを敢行した長崎の風景も見もの。
あらすじ:産休を取ることになった親友の音楽教師ハルコ(木村文乃)の代理として、生まれ故郷の五島列島にある中学の臨時教師となった柏木(新垣結衣)。天賦の才能を持つピアニストとして活躍したうわさのある美女だが、その性格はがさつで乗り回す車もボロいトラック。住民たちの注目を浴びる中、彼女はコンクール出場を目標に日々奮闘している合唱部の顧問に。そして部員たちに、課題として15年後の自分に宛てた手紙を書かせる。やがて、部員たちがつづった手紙から、それぞれが抱える苦悩や秘密が浮き上がってくるが……。

<感想>東京で活躍していたピアニストの新垣結衣が、ある私的な事情から、故郷の五島列島にある中学の臨時教員となってやってくるところから始まる。ですが、いくら理由があるにしろ、ふてくされながらの代用教員とは、正直なところ、このヒロインの教師には魅力を感じなかった。だが、真っ直ぐにのびのびと明るい笑顔を見せる、中学生の子供たちがよかった。

今時の中学生の物語りと言えば、虐めで自殺という映画が多いのに、こんなにも青春を謳歌している島国の子供たち、どの家庭の子供にも複雑な悩みがあり、もちろん臨時教員にやって来た新垣結衣演じる柏木先生にも事情があるのだ。

自閉症の兄を持つ少年とか、父親に2度捨てられた少女とか、柏木先生が何故ピアノが弾けないのかとか、話のアヤが細かいだけに、この監督のお得意といっていいだろう。
柏木先生の心の傷は、コンサート会場に来る途中で恋人が事故死してしまったことで、自分のせいだと思い込み、もうピアノは絶対に弾かないと決心したのだろう。それも、島の子供たちの家庭事情とかを聞けば、自分の心の傷も癒えて来て、ピアノのドの音、C#2つは進めの合図だと教えられる。

結構ギリギリまで主人公の新垣結衣が、ツンケンしてふて腐れているのが、絶妙な効果を出している。合唱コンクールが当然のごとくに、クライマックスと思いきや、その後にさらに盛り上がる二段構えの、ハルコ先生(木村文乃)の出産のシーンとか、これでは、きっと優勝して全国コンクールへはいけないのが当たり前でしょう。
ですが、人のショットのあとは風景という編集も、舞台が五島列島だけに、場所の利と歌声で「ホットロード」ほど単調ではなくて、前作を超えられたと思う。
何よりも五島列島の雄大な自然を美しく映し出しているのがいいし、ラストのコンクール後のホールでの大合唱シーンも、さとるの自閉症の兄のために歌うシーンでは、やり過ぎ感はあれども感動的でした。
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