飛行機雲を見る。
細い一本の筋。
飛行機雲の先端に、
時折、キラリと光る機影。
私は、飛行機雲が、好きである。
青空を背景にした白い雲も、好きである。
今日の朝日新聞に、
福岡伸一の動的平衡
飛行機雲 孤独な直線
と題したエッセイが、掲載されていた。
その中に、
<飛行機雲にはそこはかとない切なさが含まれている。>
とあり、私は肯いて読んだ。
それに次いで、若くして逝ったクラスメートの回想が記されている。
私も、高校時代に、親友と永訣した。
遺書として渡された自作ノートを遺書とも理解せず受け取った、
私自身の精神的な幼さを思い出す。
空高く伸びる飛行機雲を眺めながら……。
秀逸な能力を有する友達が17歳で逝き、
才乏しく、なお馬齢を重ねているわが身を省みつつ。