山裾に群がって咲く花が
気になっていた。
時には、純白ではなく、
クリーム色を帯びたのもある。
家から一番近いところでは、
<とみ>寄りの山裾に
咲いていることに気づいていた。
昨日、甥の車で<とみ>へ行く途中、
車寄せに止めてもらった。
妹たちも一緒に下車して、
少し見上げる位置にある
花を眺めた。
間違いなく蔓草である。
群がって目を惹きやすい花だが、
一輪一輪も愛らしい。
今朝、妹からLINEメールが届き、
昨日見た白い花は、
「センニンソウ(仙人草)」
ではないかと書いてあった。
似た花に「ボタンヅル」というのもあるようだ、と。
インタネットで調べてみると、
間違いなく「センニンソウ」である。(上掲の写真)
ボタンヅルの葉は、名の由来を示してボタンに似ているという。
その花は、センニンソウに似ているけれど、
クリーム色に近いものもあるとか。
晩夏から初秋の今にかけ、
私が車窓から見ていたのは、二種類の花だったのだろう。
どちらも蔓性で、他のものに絡まって繁茂する。
一つでは小さくて目立たない花だが、
群がって咲くと、緑の中の白が際立つ。
センニンソウは毒性の強い植物らしい。
それがまた、薬にもなるというから面白い。
物に、そうした両面があるのは
珍しいことではないのかもしれない。
目の前の植物の葉に、
カタツムリ(蝸牛)がたくさんいた。
子どものときには、デンデンムシと呼んでいた。
「つの出せ、やり出せ、あたま(めだま)出せ」
と、心の中で呪文をかけたが、殻だけ見せて動かない。
老いを深めると、子どもに帰るらしく、カタツムリが懐かしい。
怖くもなく、しかも不思議に満ちた昆虫として。
妹のズボンに、大きな厳めしいバッタが止まっている。
「動かないで!」
と、妹に言って、カメラに収める。
しかし、こういう種の昆虫は好きではない。
昆虫図鑑を見ると、似たものに、「ツチイナゴ」があった。
呼び名は定かでないが、イナゴやバッタの類ではあろう。