そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

”抑止力”の呪縛で、安倍晋三は日本を軍事拡大への道筋を拓いた

2015-09-19 | 安倍晋三
安保関連法案は、シルバーウイークの予定やアメリカさんに媚売ってお伺い立てたとおりのスケジュールで成立した。法案の内容より、そんなことが優先されたのかと思うと、情けない一言である。
憲法が壊され、憲法違反の法律が成立して、この国の秩序はどうなるのだろうか。木村草太氏の指摘するように、国家としての資質というか、品格が失われたこの国のモラルは地に堕ちた感がある。個人的にも脱力感が大きい。
これまで、60年安保の後には日本共産党が四分五裂して、過激組織が乱立した。70年安保の後には、全共闘が武力闘争の新左翼から離れ、学生運動はほぼ消滅してゆくことになり、若者たちは急速に政治から遠ざかる。この間に社会党は次第に縮小分裂してゆく。民社党は生まれて消えてゆく。そして、これらの闘争がある度に、自民党が肥大化してゆくことになる。
そして、この間に起きたもっとも大きな政治情勢の変化は、無党派層の巨大化である。70年までは、支持政党なしはせいぜい数パーセント程度であったが、現在はほぼ半数が無党派層である。
今回はSEALsや九条の会のような非特定層の出現がどれほど生き残れるかであるが、この50年間のように自民党が肥大化することには変わりなかろう。ただ自民党がこの50年間と異なるのは、党内派閥が存在しないことによる、党としての柔軟性が無くなっていることである。良くも悪くも切磋琢磨した党内野党の存在が消え、指導部への従順さのレベルだけが問われる時代になっていることである。

安保関連法(戦争法)は、早くも近隣国を刺激している。中国はさっそく、「日本の軍事力に対抗するために、我が国の戦力を大きくしなければならない」とコメントしている。抑止力の本質を中国はつつみ隠さず述べているのである。安倍晋三が、「世界で最も強大な戦力を持つアメリカと同盟国になることで抑止力が高まり、相手国に攻撃を躊躇させる」と発言しているが、相手国も同様のことを思考する。安倍晋三は中国の脅威を引き合いに出すが、中国も同じことをしていることに気が付いていない。安倍晋三と中国は同じ思考回路によって、抑止力を評価しているのである。
軍事的抑止力は、相手国を上回ってこそ意味を持つ。際限ない軍事の拡大への道を、安倍晋三は開いたのである。多くの日本国民は気が付いている。庶民は国会周辺でデモをする人たちが、暇を持て余した人たちや誰かの動員で集まった日知たちではないことに、安倍晋三は気が付いていない。
気がついているたのは、70年前の日本国憲法である。武力による国際紛争を禁止しているのである。安倍はそれをいとも簡単に、自らのDNAだけで廃棄した。
コメント (6)
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