
まるで茶番劇である。辞任するべき時には、戦争法案の真っ最中で責任問題が浮上してもとぼけ通し、内閣改造する直前に辞任を表明するなんて、コメディーの台本に沿ったストーリーを演じているに過ぎない。真剣に論をもてあそぶような、政治的事情を優先させた作為的、恣意的行為と言える。
国立競技場は、2012年に1300億円の想定で公募したが、密室協議もいいところで、しかも思いつき優先の決定であった。公費はほぼ3倍近くまで膨らんだ。戦争法の審議の真っ最中で面倒なことになるのを嫌って、首相判断で白紙撤回させている。エンブレムデザインの応募も、密室で限られた応募者によったが、これも出来レースで盗作疑惑が次々とでてくるデザイナーの作品であった。本人の撤回でこれも白紙である。
オリンピックという世界的なイベントを扱うのに、あまりにも多くの組織が周辺でできてしまい、それらのトップに名誉職と思われるようなキャリア豊富な高齢の人物を充てた体質こそ問題なのである。春には特命担当大臣としてオリンピック大臣を別枠で設けて、ニヤニヤしてばかりの人物を任命した。この人が最高責任者になるのであろうか?元首相のJOC会長に、この男が何かを言えるとは思えない。
オリンピックの開催は、東京都が主体になる。誘致したのも東京都である。東京都は国立競技場の在り方についても、エンブレムについても発言権はないが、金を出せと迫られている。そもそも、東京都が誘致したうたい文句の中には、旧施設が使用可能で30キロ以内のコンパクトさを売り物にしていた。なのに、これまでの施設の8倍もの金を掛けた、メインスタジアムを作る発想が出てきたが、誘致への偽装ではないか。安倍晋三の、放射能は300メートル以内にコントロールされているのも偽装であるが、これまでしてオリンピックを誘致しなければならないのか。