エボラ出血熱が西アフリカで広がりを見せている。1976年にウイルスが確認されて以来、最大の感染広がりである。これまでの感染では死者は200人もいかなかった。しかし今回の2月の始まった感染は、
この半月で急激に増加して、使者は1000人にならんとしている。
空気感染がなく、主に死者や重篤な患者からの直接感染であるから、これほどの広がりは予想外である。死者に直接触れいたわる風習や、衛生概念やインフラ不足が、主な広がりの原因と言える。
感染すれば、治療薬が未だなく、発病率も高く症状が出るようになれば、死亡率はほとんど100%と言われている。カナダと日本の製薬会社が、治療薬を開発したと報道されてはいる。
それにしても今回は、死亡率が高いように思われる。変種の疑いも推察される。注目されるのは、医療従事者の感染・死亡である。今回はそれも老いように思われる。
先進国などでは、医療設備が整っているであろうし、ウイルスに対する消毒対策が有効なこともあって、それほど広がることは考えにくい。
世界的な広がり・パンデミックになるようなことはないと思われる。が、緊急事態であることには変わりない。
WHOは、緊急の委員会を開いた上で、西アフリカにおけるエボラ拡大を、国際的に懸念される公衆衛生緊急事態であることを宣言し、世界各国に協力を要請した。
また、感染が拡大しているギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国に対して「国家非常事態」を宣言し、防止策を強化するよう求めた。旅行者の制限や、大規模な集会の禁止なども要請することになる。
国内の政治が不安定な地域である。感染の拡大とともに、そちらの方も案じられる。