田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

RUN ラン(Run)

2021年06月23日 14時39分54秒 | 日記

Run - Authentic Original 27x39 Rolled Movie Poster at Amazon's  Entertainment Collectibles Store

RUN ラン : 作品情報 - 映画.com

Run : 車椅子のわたしの面倒を一生懸命に看てくれる愛情深いお母さんは本当は誰なのか ?  !、「サーチング」の監督が現実に車椅子の新人女優を大抜擢して、母の愛の狂気を描いたサイコなホラー・スリラーの母の日プレゼント「ラン」の予告編を初公開  ! ! - CIA Movie News

 パソコン画面上でドラマが展開するという新機軸で注目を集めたサスペンススリラー「search サーチ」のアニーシュ・チャガンティ監督が、母親の娘への歪んだ愛情の暴走を描いたサイコスリラー。郊外の一軒家で暮らすクロエは、生まれつきの慢性の病気により、車椅子生活を余儀なくされていた。しかし、前向きで好奇心旺盛な彼女は地元の大学への進学を望み、自立しようとしていた。ある日、クロエは自分の体調や食事を管理し、進学の夢も後押ししてくれている母親ダイアンに不信感を抱き始める。そして、クロエの懸命な調査により、ダイアンが新しい薬と称して差し出す緑色のカプセルが、けっして人間が服用してはならない薬であるということが判明してしまう。クロエ役をオーディションで抜擢された新人女優キーラ・アレン、母ダイアン役をドラマシリーズの「アメリカン・ホラー・ストーリー」のサラ・ポールソンがそれぞれ演じる。(映画.comより)

 

 

 

<2021年6月20日 劇場鑑賞>

 「search」は見てないんです。つい機会を逃してしまって。しかし、今回の「母の狂気」は、題材としては目新しいものではないと思います。過去にも「いい母親と言われたい症候群」の母親を描いたものはいくつもあるし、とにかく”自分だけのものを得たくて自由を奪う”というのは定番で、愛する女性の手足を奪ってしまった「ボクシング・ヘレナ」(古すぎ)など、優位に立つ人物が相手を支配しようとするのは世の常だから、話の展開自体に驚きはありませんでした。まだそんなに前ではない「ルイ 9番目の人生」とか、思い出しました。サラ・ガドンが可憐できれいだったなぁ。ちょっと霊感が入るこの映画は、”被害者であるはずの子供が、そのうち母親の期待に応えようとして自らを傷つけようとする”という事実に衝撃を受けたのでした。冷静に考えると、自分だって親の期待に応えようと顔色を見てがんばったし、子供ってみんなそうなんだと気づくのですが。

 体の弱い娘のため、庭でオーガニックの野菜まで作って料理してくれる理想の母親。勉強だってみてくれます。大学に入ろうかというこの歳まで、何の疑いもなく母を信じてきた娘。スマホは与えられていません(パソコンはある)。勉学優秀な娘は(母もとてもお勉強のできる人なのだ)すぐに調べ物ができるスマホを欲しがっていますが、母は与えません。

 でもまぁ、いつまでも世の中をごまかせるわけはないですよね、大人になってくるのですから。ましてやこんなに頭のいい子。で、徐々に「おかしいな」と思い始めた娘と、なんとしても娘を手放したくない母親との攻防が始まります。娘は足が動かないから車椅子が手放せないし、心臓も悪くてよく呼吸困難になる。しかも、世間は”よくできた母親”と思っているから、あんまり騒ぐと自分が悪者になってしまう。ここが難しい。下手をすると、娘に精神科の病名がつけられ、精神科病棟に半監禁なんてことにもなりかねない。つい心の中で必死に娘を応援してしまいました。

 しかしながら、予想外の反撃にうろたえた母親は、少しづつボロを出し始めます。こうなるとアセった方が負けですね。映画として妥当な結末となります。

 母親役がサラ・ポールソン。私は「オーシャンズ8」で気が付いたのですが、その後は「mr.ガラス」にも出ていましたね。後で気づいたのですが、「キャロル」でケイト・ブランシェットの女友達をやってたのが彼女だったのですね。今回の映画では熱演でした。娘役は全然知らない若手でしたが、キエラ・アレンというそうで、これからが楽しみです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ナチュラルウーマン(Una Mujer Fantastica)

2021年06月19日 14時23分43秒 | 日記

Una mujer fantástica (2017) de Sebastián Lelio - Crítica

Una mujer fantástica', hermosa radiografía de la diversidad femenina con una  Daniela Vega extraordinaria

Una mujer fantástica', hermosa radiografía de la diversidad femenina con una  Daniela Vega extraordinaria

 「グロリアの青春」のセバスティアン・レリオ監督が、自分らしさを守るため差別や偏見に闘いを挑んだトランスジェンダーの女性を描き、第90回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した作品。ウェイトレスをしながらナイトクラブのシンガーとして歌うトランスジェンダーのマリーナは、歳の離れた恋人オルランドと暮らしていた。しかし、オランドは自身の誕生日の夜、自宅のベッドで意識が薄れたまま亡くなってしまう。最愛のオルランドの死により思いがけないトラブルに巻き込まれ、容赦ない差別や偏見を受けるマリーナは、女性として生きていく権利を胸に前を向いて歩くことを決意する。主人公のマリーナ役を自身もトランスジェンダーの歌手であるダニエラ・ベガが演じる。(映画.comより)

 

 

 

<2019年8月15日 録画鑑賞>

 どこの国でも、価値観が固定化した人々というのは、一定の割合で存在するもの。もちろん、時代の推移と共にその割合は減少していて、若い人ほど偏見は少ないと私は信じていますが、今回の映画は多分南米が舞台。お国により、バックグラウンドも違うのでなんとも言えませんが、嘘をつかず誠実に、人を愛しながら悪事も働かず真面目に生きているのに、なんでこんなひどい目に遭わなければならないのか、と思いました。少し前に見た「シングルマン」でも、愛する人のお葬式に出られなかった男性の話が描かれてましたが、幾度映画で描かれても、まだ世界は変わらないのですね。

 「人と違うことがそんなにいけないことですか」と書きかけてハッとしました。人と違わない。何も違わない。ただ愛する人がいただけ。”普通”とされる人々が、喧嘩ばかりだったり、離婚件数がぐんと増えていたりするなか(いやそれも偏見か)、穏やかに暮らしていただけ。

 あまりに突然だった愛する人(ジェレミー・アイアンズ似)の死に向き合おうとして、心身ともに攻撃され続ける主人公は、しかしやっぱり愛する人に救われて前を向くことができるようになるのですね。

 良かった。あまりに理不尽な扱いに見ていてつらくなるシーンはあったけど、でも彼女は強かった。こんな感じの、前向きなラストが好きです。見れてよかった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(The Florida Project)

2021年06月18日 16時21分41秒 | 日記

子供の日常はパーティーだ/『The Florida Project』 - SUPERBAD-ASS

The Florida Project' is probably the best movie you'll see this year - Los  Angeles Times

The Florida Project (2017) directed by Sean Baker • Reviews, film + cast •  Letterboxd

 全編iPhoneで撮影した映画「タンジェリン」で高く評価されたショーン・ベイカー監督が、カラフルな風景の広がるフロリダの安モーテルを舞台に、貧困層の人々の日常を6歳の少女の視点から描いた人間ドラマ。定住する家を失った6歳の少女ムーニーと母親ヘイリーは、フロリダ・ディズニーワールドのすぐ側にあるモーテル「マジック・キャッスル」でその日暮らしの生活を送っている。周囲の大人たちは厳しい現実に苦しんでいたが、ムーニーは同じくモーテルで暮らす子どもたちとともに冒険に満ちた日々を過ごし、管理人ボビーはそんな子どもたちを厳しくも温かく見守っていた。そんなムーニーの日常が、ある出来事をきっかけに大きく変わりはじめる。主人公ムーニー役にはフロリダ出身の子役ブルックリン・キンバリー・プリンス、母親ヘイリー役にはベイカー監督自らがInstagramで発掘した新人ブリア・ビネイトを抜擢。管理人ボビー役をウィレム・デフォーが好演し、第90回アカデミー助演男優賞にノミネートされた。(映画.comより)

 

 

<2019年7月27日 録画鑑賞>

 シリアスな映画でした。安モーテルに住んでいる若い母親と女の子。自分のせいではないだろうけれど、お金も教養もない母親のなんとも下品で乱暴なこと。仕方がないけれど子供も同様に下品。同じような境遇の同じような年頃の子供たちとつるんで遊んでいるんだけれど、微妙に違ったり。で、平均女の子のほうがしっかりしているから、口も立つ。「うわ」と思うシーンもあったけれど、でも、この子はいろんなことに対して能力があるんだろうね、頭が良くて。育ちは本人のせいではないし。モーテルの管理人がウィレム・デフォー。上手に優しく、いい味を出してました。

 私は知らなかったけれど、映画ではお世辞にもきれいではない安モーテルだったから、そこも作品のテーマに沿うのかと思っていたけれど、違うんだってね。そこはディズニー・ワールドが近くにあるため、観光客を意識したファンタジックなデザインが施されたモーテルで、ごく普通のアパートより高いんだってね。じゃぁなぜ老朽化しているとはいえ、割高なモーテルにその日暮らしの人々が入っているのかというと、日本でもそうだけど、部屋を借りようと思えば入居審査や保証金など、後ろ盾がないと難しい条件が揃っていて、それが難しい人たちはとりあえず短期間の宿泊料を払って、その日その日をやり過ごすことになるからなんだって。だからどんどん負の連鎖に陥ってしまう。だって、いずれ払えなくなってくるのだから。

 驚くことに、この映画は出演している人が本当にそこに住んでいる人だったり(!)、女の子を育てている主人公の女性も女優さんではないらしい。すごすぎる。服飾デザイナーだというこの女性の存在感は、なに?才能ありすぎ。

 だいぶ前に見た「チョコレートドーナツ」でも、社会的弱者の母親とダウン症の少年が描かれていたけれど、女が一人で子供を抱え、教養もなければ、他に生きようがないということは、大方の人はわかってると思う。事実、この映画でも売春しないでバーガー店でウエィトレスをしている友人がいたけど、一生懸命働いてもこのモーテル暮らしから抜け出すことはできてなかったのだから。

 誰にもどうしようもない社会。これは、アメリカだから日本だからとかいうのではなく、起こるべくして起こる格差なのかもしれないけれど。一個人の無力さを感じます。ラストに希望はあったのでしょうか。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

砂上の法廷(The Whole Truth)

2021年06月15日 17時08分32秒 | 日記

映画「The Whole Truth」 | 東京ぷらぷら歩き

The Whole Truth' Review: Keanu Reeves, Renée Zellweger Deserve Better -  Variety

Ayako Ueda en Twitter:

 キアヌ・リーブスが真実を追い求める弁護士を熱演した法廷ミステリードラマ。莫大な資産を持つ大物弁護士が自宅で殺害され、17歳の息子が容疑者として逮捕された。少年は完全黙秘を続け、敏腕弁護士ラムゼイが少年の弁護を引き受けることに。法廷でも何も語らない少年をよそに、多くの証人たちが少年の有罪を裏付ける証言を重ねていく。やがてラムゼイが、証言のわずかなほころびから証人たちの嘘を見破ると、裁判の流れが変わりはじめる。そんな矢先、少年がついに沈黙を破り、驚くべき告白をする。リーブスが正義感あふれる弁護士ラムゼイに扮し、少年の母親役をレニー・ゼルウィガーがミステリアスに演じた。監督は、前作「フローズン・リバー」がアカデミー賞のオリジナル脚本賞ほか2部門にノミネートされた実績を持つコートニー・ハント。脚本は「悪魔を憐れむ歌」のニコラス・カザン。(映画.comより)

 

 

 

<2019年7月6日 録画鑑賞>

 キアヌ・リーブスって、大スターなのに知的な役が似合わないね。今回も「弁護士?」って感じでした。いや、決してキアヌが嫌いで言っているのではありません。好きなのですが、単純に似合わないなぁと。

 話はよくできていておもしろかったけど、ラスト近くでは「どんでん返しがあるなぁ」とプンプンにおわせてました。でも、このどんでん返しって、ひとえにキアヌのイメージに頼るものだと思うのです。私も例に漏れず、キアヌはハンサムでいい人であって欲しいし(「ネオン・デーモン」なんかはマジでびっくりした)、どんなにステレオタイプだと言われても、やっぱり「スィート・セプテンバー」みたいな映画が好き。ハンサムガイはハンサムガイなのです。

 ということで、ここは監督の話をしたいと思います。「フローズン・リバー」の監督なのですね。あまりに映画の色が違うから、想像できなかった(笑)。個人的には、あの映画、とても好き。よくできていたと思います。虐げられた女性たちの必死の話で、素晴らしい展開だった。「get it off」並みに。今回キアヌはとてもよくがんばっていたけれど、個人的には「フローズン・リバー」のほうが好きかな。久しぶりにレネー・ゼルウィガーとジム・ベルーシを見ましたね。レネー!かわいくなっちゃって。頼りなげで美しい感じをうまく出してました。

 全体として、インパクトが薄い作品だったように思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Mr.ノーバディ(Nobody)

2021年06月14日 16時54分50秒 | 日記

さえないオヤジが激強だった!映画『Mr.ノーバディ』予告編 - YouTube

Nobody - Plugged In

Movie Review: 'Nobody' is a fun, kill-heavy affair | Life and Entertainment  | dailyfreeman.com

 一見してごく普通の中年男が、世の中の理不尽に怒りを爆発させて大暴れし、やがて武装集団やマフィアを相手に激しい戦いを繰り広げる姿を描いた痛快ハードボイルドアクション。「ジョン・ウィック」の脚本家デレク・コルスタッドと製作デビッド・リーチが再タッグを組み、人気テレビシリーズ「ベター・コール・ソウル」の主人公ソウル・グッドマン役で知られるボブ・オデンカークが主演を務めた。郊外にある自宅と職場の金型工場を路線バスで往復するだけの単調な毎日を送っているハッチは、地味な見た目で目立った特徴もなく、仕事は過小評価され、家庭では妻に距離を置かれて息子から尊敬されることもない。世間から見ればどこにでもいる、ごく普通の男だった。そんなハッチの家にある日、強盗が押し入る。暴力を恐れたハッチは反撃することもできず、そのことで家族からさらに失望されてしまう。あまりの理不尽さに怒りが沸々とわいていくハッチは、路線バスで出会ったチンピラたちの挑発が引き金となり、ついに堪忍袋の緒が切れる。監督は「ハードコア」のイリヤ・ナイシュラー。共演に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のクリストファー・ロイド、「ワンダーウーマン」のコニー・ニールセンほか。(映画.comより)

 

 

 

<2021年6月13日 劇場鑑賞>

 どぉってことのないおじさんが実は強~い男だった・・・というのはよくあるパターンなんですが、今回は老人ホームに入っている主人公のお父さん(これがクリストファー・ロイド!歳とったねぇ。役作りかもしれんけど)が出色でした。弱者の年寄りを装いながら、実はとっても冴えてる。こんな映画、最近立て続けに見ましたね。ブルース・ダーン主演で「43年後のアイ・ラブ・ユー」と「ピーナッツバター・ファルコン」(こちらは録画鑑賞)です。特に前者はブライアン・コックスとつるんで痛快でしたね。

 しかしながら、格闘は久しぶりなのか、おじさんちょっと弱かったです。無敵じゃなかった(笑)。でもそれが現実味があっていいんだろうけれど。あと、冴えないおじさんには家庭があるのですが、みんな優しかったです。冴えない、でも真面目に頑張ってるって、みんなわかってる感じ。不動産業で成功してる感じの妻(コニー・ニールセン)も取り立てて夫を責めるでなし、頼ってるわけではないけど”気を遣ってる”感じでした。息子も、お父さんに頼らないけれど、余計なことも言わない、みたいな。家庭がケンケンしてない感じに好感を持てました。もっともふつうの家庭って、こんな感じだと思うからです。

 まぁ”元・軍の会計士”(つまり帳尻を合わすためにすべてのことが許されている、記録に残らない男)という、ヤバすぎる設定がちょいスティーブン・セガールですが、あんな張り手は繰り出せません。中身のないお話ですが、スカッとするので、娯楽としてはおススメです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする