「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「ニンフォマニアック」などを手がけたデンマークの鬼才ラース・フォン・トリアー監督を叔父に持つ、ノルウェーの新鋭ヨアキム・トリアー監督の長編第3作。戦争写真家の母イザベルが謎の死を遂げてから3年。母の回顧展の準備のため、長男のジョナが父と弟が暮らす実家に戻ってくる。事故か、自殺か、不可解な部分が多いイザベルの死。久しぶりに顔を合わせた父と息子たちが妻への、そして母へのそれぞれの思いを語り、イザベルの知られざる一面を戸惑いながらも共有していく。3人はそうすることでイザベルの死を受け入れ、家族としての絆を取り戻していくかに見えたが……。第68回カンヌ映画祭でコンペティション部門に出品され、ノルウェーのアカデミー賞と呼ばれるアマンダ賞では監督賞、脚本賞、撮影賞、編集賞を受賞。ジェシー・アイゼンバーグ、ガブリエル・バーン、イザベル・ユペール、デビッド・ストラザーンと、国を越えたキャストが顔を揃えた。(映画.comより)
難しい映画でしたね・・・。あらすじは上にある通り、有名な戦争写真家だった母(イザベル・ユペール)が、皮肉なことに引退してから交通事故で亡くなる、という事件が起きてから3年。彼女の回顧録が出されることになり、写真の整理や契約内容などに関して、家族がもう一度一緒に過ごすことになり、そして起きる悲喜こもごも・・・。これだけ男ばかり(夫・長男・次男)が遺されると、結構面倒なのね・・・というのが素直な感想です。
少し前に、似たような映画を見た気がします。同じくフランス女優ジュリエット・ビノシュが著名な戦争カメラマンで、彼女のために国に残って子供たちの面倒をみている優しい夫がいて。ただ、彼女は大怪我をすることがあっても死ななかったし、子供は女の子ばかり(二人)だった。どうしてもカメラマンをやめれない感じで描かれていたし、違うと言えば違うのですが、設定がね。
すっかり渋くなったガブリエル・バーンと、イザベル・ユペールが夫婦と言うのがとっても新鮮。凡人には思いつかない組み合わせですね。ユペールは相変わらずミステリアスできれい。憧れるなぁ。息子がマジシャンの(違う)ジェシー・アイゼンバーグ。ユペールの仕事仲間にデヴィット・ストラザーン。彼も渋くなりましたね。
で、3年前に亡くなった母の死を巡って、三者三様の思惑が入り乱れるのですが、このへんがわかるようでわからなかった。自分自身、幼い頃やごく若い頃に祖父母を失ったきりで、両親や夫という近親者を失った経験がまだないからかもしれません。ティーンエイジャーの次男が父親にとても反抗的なのも、「お母さんが亡くなったのは別にお父さんのせいじゃないのに」とか思いました。母親を慕う気持ちはわかるのですが。なんかこの複雑な感情が、難解でした。私は感情がなさすぎるのかもしれません。
凡人ですみません。やっぱトリアーの血はすごいな。でも、映画全体の静かな雰囲気は好きでした。