田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

さすらいの女神(ディーバ)たち

2011年10月15日 00時11分46秒 | 日記
大人の映画ですね、第一印象はそんな感じでした。

いい歳した男が、なんともグズグズしてるんです。彼はその昔、敏腕プロデューサーとして君臨した男。しかし、それがなんなのかは正確に描かれないけれど、何かで墓穴を掘り業界から干された男。

そして、その後女たちを連れて「ニュー・バーレスク」と呼ばれるショーをあちこちで開き、それなりに成功している男。

しかし、その景気に乗ってパリで凱旋公演をしようとして、やっぱり阻まれてしまいます。業界は彼を忘れていなかったのです。

それなりにお金もあるはずなのに、(当然)妻とは離婚している。子供と会う約束にも遅刻する。会って一緒に過ごしていても、なにかと問題行動を起こす。そもそも、いつもせかせかと動いていて、だからなんなのかよくわからない。

そんなグズグズな男と、決して若くはないバーレスクの女たち。彼女たちも若くはない上に、体型もぽっちゃり。お世辞にもスラッと美しくはない。でも、底抜けに明るく、また仲も良い。

ただぼーっと見ていると、結局なんだったのかよくわからないような映画だと思う。でも、その大人たちからにじみ出てる悲哀みたいなものに、人生長く生きて来た人間なら共感してしまうところも、あると思う。

なんだかはっきりしないんだけれど、「そんなことも、あるよな」と思ってしまうような。

よくわかんないけれど、「それでも、いいのかな。また、生きてゆけるのかな」・・・そんな、ちょっぴりの希望を感じたような気がしました。

あ、その男はマチュー・アマルリックです。
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ルイーサ

2011年10月03日 00時24分27秒 | 日記
アルゼンチンの映画。初老の女性が主人公です。

真面目一筋のルイーサは、まだ若い頃に夫と娘を亡くし、それ以来世間に心を閉ざし、毎日判で押したような規則正しい生活を送ってきました。

愛猫を唯一の友人に、でも仕事は真面目に勤めてきたはずでした。

それなのに、定年まであと1年というときに、あろうことか職場をクビになります。ごく若い社長が後釜に連れて来ているキャピキャピギャルの典型的なことったら!

しかも、掛け持ちしていた、往年の女優の留守宅を預かる仕事まで同時に失います。それでなくても、その朝、愛猫が亡くなって大きなショックを受けているというのに・・・。

社長は給料不払いな上に退職金まではぐらかす始末。「後に銀行から連絡が行くから」とは、言葉ばかり。猫のお葬式の費用が300ペソなのに、振り込まれた退職金が20ペソ余り?!そ、そんなバカな。

しかし、1人で生きてる、若くない女性に世間は甘くないのです。それが現実なのですね。

貯金もなかったルイーサ、人生で初めてのことにチャレンジせざるを得なくなります。地下鉄でカードを売る青年のマネ(失敗)、障害者のマネをして物乞い(最初は失敗)。

そして、本当に片足がないおじさんが駅の通路で物乞いをして、そこそこ恵んでもらっているのを見て、早速松葉杖を買ってマネ。場所を取られたおじさんは怒ります。すると、今度は盲人のふりをしておじさんと一緒に居座る。「二人なら倍増だわ」と言って。

このへんは、呆気にとられてしまいました。お国柄の違いでしょうか。そりゃ年輩ですから、仕事を探すのを諦める気持ちはわかりますが、いきなり詐欺まがいのカード売りや物乞いとは・・・。あんなにカタブツだったのに。

しかし、もともと真面目に毎日同じ時間に出勤していたんです。アパートの管理人さんが、その変化に気づいて何かと声をかけてくれます。

そして、片足しかないおじさんも、なにげに彼女の話を聞いてくれたりします。結局、彼女は少しずつ、世間に心を開くことを覚え、やがてお金を使わずうまく猫を埋葬します。この辺になると、この男性二人がずっとついててくれたりします。

「カタブツに見えたけど、ルイーサって、モテるタイプだったのね」って感じでした(笑)。

しかし、ちょっぴりの希望を感じたこのシーンで終わりだったので、これからどうなるのか心配です。

果たして、会社は、後からの交渉ででも退職金をくれるのか。あるいは、このまま嘘の物乞いを続けるのか。

私がハリウッド調のエンディングに毒されているのかな、な~んか不完全燃焼な感じがしました。

ルイーサ、大丈夫?
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