田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

怪物はささやく(A Monster Calls)

2017年09月07日 15時12分27秒 | 日記

ポスター/スチール 写真 アクリルフォトスタンド入り A4 パターン7 怪物はささやく 光沢プリント

イギリスの作家パトリック・ネスによる世界的ベストセラーを、「永遠のこどもたち」のJ・A・バヨナ監督が実写映画化。孤独な少年と怪物による魂の駆け引きを幻想的な映像で描いたダークファンタジーで、スペインのアカデミー賞と言われるゴヤ賞で9部門を受賞した。裏窓から教会の墓地が見える家で難病の母と暮らしている少年コナー。ある晩、彼の前に怪物が現われ、これから3つの「真実の物語」を語ること、そして4つ目の物語をコナー自身が語るよう告げる。しかもその内容は、コナーが隠している「真実」でなければならないという。嫌がるコナーをよそに、怪物は夜ごと現われては物語を語りはじめる。「PAN ネバーランド、夢のはじまり」のルイス・マクドゥーガルがコナー役で主演を務め、母親役を「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」のフェリシティ・ジョーンズ、祖母役を「エイリアン」シリーズのシガニー・ウィーバーが演じる。リーアム・ニーソンが怪物の声を担当し、モーションキャプチャーにも挑戦。(映画.comより)

 

 

 

 ん~なかなかに難しい映画でしたね。いや、特に内容が難しいと言うことはないと思うのですが、13歳の子供には少し厳しい内容だったのではないでしょうか。もちろん、子供は大人が思っているより心は大人ですから、きちんと受け入れ、理解するのでしょうが、少し酷な感じがしました。私個人的には、古くて恐縮ですが「記憶の扉」を想起しました。あちらの映画は、主演にジェラール・ドパルデュー、そしてロマン・ポランスキーが本人役で出演など、ぐっと難解な大人の映画でしたが、主題は同じな気がします。

今も昔も、大人たちの現実の犠牲になるのは子供たち。今回の主人公コナーは、ほとんど動けないほどの末期の難病を患う母親と二人暮らし。父親とはとっくに離婚していて、父はアメリカで別の家庭を持ち、新しい伴侶との間に子供もいます。コナーは学校ではいじめられっ子。この辺は、原作を読んだ人によると、いじめられる原因となった出来事など、もう少し複雑な展開があるようです。親しい女の子がいたりするようなのですが、映画では体の大きな(男の)いじめっ子が出てくるだけで、単にひ弱なコナーが一方的にいじめられているように見えます。しかしこの子、他の子には手を出させなかったり、先生に見えてない?授業中再三後ろ(コナーの方)を向くのに一向に注意されなかったり、不思議な存在ではあります。

孤独なコナーをきっかり夜の12:07になると、イチイの木の怪物が訪ねてくるようになります。部屋の窓が壊れるのも平気みたいで、バリバリ言わせて入ってきます。そして「毎晩ひとつずつ、3つの物語を聞かせるから、4つめの物語はおまえが話すんだ」と言うのです。口数も少ない13歳の子供には「おまえ自身の物語を聞かせろ」なんて突然言われても「なんなんだ」って感じです。鑑賞している私たちも「なに?」と思っているうちに、話はどんどん進み、少年がなんと反論しても3つ、話を聞かせてくれるのです。またその話がシビアで。そんなこと、13歳の子に言う?って感じなのですが、まぁもう半分大人で、ってことなんでしょうね。また、コナー君は母親のこともあって、早く大人にならなきゃいけなかったんだろうし。この病弱な母親役はフェリシティ・ジョーンズ。いつも元気な役が多い彼女なのに(笑)。彼女の母(つまりコナーの祖母)は、シガニー・ウィバー。きちんとしていて厳しい祖母さんです。小言が多くて子供にはいやなおばあちゃんだろうけれど、言ってることは正しいのです。

会いに来てくれた父親(今はアメリカに住んでいる人ね)に「パパと住みたい」と言っても受け入れてもらえない描写は、サンドラ・ブロックの「微笑みをもう一度」を思い出しました。たまに会うからいい顔をするんだけれど、「じゃぁ僕(私)、パパと住む」と言った途端、口調はきつくなくとも”絶対にできない”感を醸し出すのです。いやですね、大人の現実。

そうこうしながら、「認識しなきゃいけないこと」を明確にしながら、大人になってゆくコナー君の物語でした。でも、やっぱり少し酷な感じがしたなぁ・・・。しつこくてゴメンだけど。この監督の作品は「永遠のこどもたち」を見ましたが、こちらは、大好きです。

コメント
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