田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

プリズナーズ(Prisoners)

2014年06月02日 07時58分43秒 | 日記

 プリズナーズ

 

 2010年に発表した「灼熱の魂」が第83回アカデミー外国語映画賞にノミネートされ、世界的にも注目を集めたカナダ人監督ドゥニ・ビルヌーブのハリウッドデビュー作。娘を取り戻すため法をも犯す決意を固めた父親の姿を描いたサスペンススリラー。家族で幸せなひと時を過ごすはずの感謝祭の日、平穏な田舎町でひとりの少女が失踪する。手がかりは少なく、警察の捜査も進展しないなか、少女の父親は証拠不十分で釈放された第一容疑者の証言から、彼が誘拐犯だと確信。自らの手で娘を助け出すため、一線を超える決意をする。父親役にヒュー・ジャックマン、事件を担当する警官役でジェイク・ギレンホールが主演。(映画.comより)

 

 <ややネタバレ>

 

 冒頭からなにやら祈りのようなものの朗読。主人公のケラー(ヒュー・ジャックマン)は、敬虔なキリスト教信者のようです。この映画、日本人にはわかりづらいけれど、かなり宗教色の濃いものらしいですね。

ヒューさまは、「普段から天災・人災、何が起きても対処できるように常に備えておく」部類の人だったようで、地下室にはずらっと非常用の物資が並んでいます。こういう人はpreppersと呼ばれるらしいですね。(そもそもcellerは地下室だ)

そして彼は、敬虔なクリスチャンでありながらも、「私の家族は私が守らなければならない」という確固たる信念を持ち、そのためには手段を選びません。

もちろん、確たる証拠もないのに、思い込みで容疑者を拷問するなど、大人、いえ社会人のすることではありません。それでも彼は、祈りをささげながらも拷問を続けるのです。

このへんの親心は、我々日本人にも理解できます。しかし、優秀な刑事であるロキ(ジェイク・ギレンホール)がフリーメーソンの指輪をはめている・・・これはどれだけの日本人が気付いたでしょうか。私もあとから知りました。そしてフリーメーソンとは何を意味するのか。普通に辞書を引くと「18世紀初頭にイギリスで組織された国際的友愛団体。超人種的・超階級的・超国家的・相愛的な平和人道主義を奉じる」とあります。なんなのかよくわからないのですが、この映画においてはキリスト教ではないものの象徴か。

そして、刑事は優秀であるにもかかわらず、常にヒューさまの後を追うような形になってしまい、なかなか真犯人にたどりつけません。そして、先に一父親であるはずのヒューさまが、犯人にたどりついてしまうのです。

予想を超えた犯人は、実はよくある動機(敬虔な信者だったにも関わらず子供を癌で失ったため、すっかり信仰心を失い神を恨むことすら覚えた)で、よそ様の子供を時々さらって来ていたのですね。殺すことはなかったようですが。

結論から言うと、半ばに出てくる大量の蛇もサタン(悪魔)の象徴で、結局は神への信仰が揺らいだものは救われず、確固とした信仰心を持ったものは救われる・・・ということなのか?あるいは盲目的なクリスチャンの行動は、問題がより困難になるだけで、合理的なフリーメーソンが働いていると思われる政府に任せるのが最善だ・・・ということなのか?

なにかこう・・・見終わった後にモヤモヤした気持が残っていたのですが、それは宗教的な価値観がわからなかったからかぁ、と思っている次第です。

それにしても、二人の子供のうちの一人がヒュー様に対して発した「あなたもいた!」という言葉が気になります。単に核心に近づいていた、と言うだけのことで、気にするところではないのかもしれませんが。

コメント
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