田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ウィンターズ・ボーン(winter's bone)

2012年11月19日 23時39分09秒 | 日記

 

 サンダンス映画祭でグランプリ&脚本賞の2冠に輝き、アカデミー賞では作品賞、主演女優賞、助演男優賞、脚色賞の4部門でノミネートされた、インディペンデント映画界の意欲作。ダニエル・ウッドレルの同名小説を基に、ミズーリ州の山間部の村に住む17歳の少女が、家族を守るため父親を捜しに、そして真実を追い求めて旅をする。心のすさんだ大人たちから罵声を浴びようとも、暴力に打ちのめされようとも、くじけず、諦めず…本作でオスカーにノミネートされた新星、ジェニファー・ローレンスの凛々しい姿が観る者の心を打つ。本作が長編2作目となるデブラ・グラニック監督は、ミズーリ州でオールロケを行い、土着性、地域密着のリアリティを追求した画作りとなってる。(goo映画より)

 
 この映画は数々のアカデミー賞にノミネートされた作品ながら、上映館が少なく見逃した1本でした。主演のジェニファー・ローレンスは、シャーリーズ・セロンの若い頃(キム・ベイシンガーの娘)を演じた「あの日、欲望の大地で」で印象に残っていた子。かの映画では、浮気をしている母親を取り戻すつもりが、あやまって火が回ってしまい、結果的に母を殺してしまうことになる娘を演じていました。そして、あろうことか、母の不倫相手の息子と恋に落ちてしまい、そんな自分が信じられなくて逃げてしまう・・・そんなせつない映画でした。

 このジェニファー、最近では「ハンガーゲーム」や「ボディ・ハント」に出ていて、このままでは美人なのに逆境に打ち勝ってばかりいる女になってしまいそうで、ちょっと心配しています(笑)。

さて、この映画もアメリカの寒村で、村中が親戚か友達、そして村中でヤクを作って成り立ってる・・・そんな田舎で孤立する17歳の少女を演じています。

保釈中の父親が逃げ出したため、近く行われる裁判に出廷しなければ、保釈金のカタに家も土地も取り上げられてしまいます。

精神を病んだ母と、幼い弟・妹と極貧の生活を送るジェニファーにとっては、放り出されたところで、生きてはゆけません。なんとしても父親を探し出そうとします。

ところが、これがワケありです。行く先々で妨害に遭い、しまいに痛い目に遭わされたり、「男の子だけなら引きとろう」などと言われたりもします。要するに父は掟を破り(警察に情報を漏らした)、それ相応の仕打ちを受けたようなのです。しかも、すでに亡くなっている模様。

しかし、切羽詰まっている彼女にとっては、もはやそんなことはどうでもよく(掟を破った父が悪いことも理解している)、それならそれで父が死んだという証拠を出さねばなりません。とにかく、放り出されても行くところもないのです。

彼女の肝っ玉を見込んで、助けてくれる女性や親戚も出て来ます。結果的には、父が沈められている場所まで連れて行ってもらい、自分で死の証拠を手に入れるわけですが、これが過酷です。他の人が追求されるようなことがあってもいけません。彼女は自分で、自分の父親の手首から先を切って持って帰るのです。

結果的には、保釈金の一部は戻ってきますし(家・土地では足りなくて誰かが出してくれていたという設定)、なんとか彼女とその家族はそこに住み続けることができるのです。


しかし、お母さん!しっかりしてよ。いろいろあったからって、あなたが精神を病んでてどうするの。未成年が3人、しかも幼い子供が2人もいるのに。長女がしっかり者だから、どこかで安心しているのかもしれないけれど。

学校にも行ってなさそうな幼い子供たちも心配でした。行政でなんとかならんのか。

この主人公の置かれた状況は確かに過酷だけれど、でも親戚や友人の中には親切にしてくれる人も少なからずいるし、最後まで明かされないけれど、保釈金を積み増してくれた人もいたわけだし。
そんなこんなで、「もっと過酷な状況下で生きてるteenagerだって、いるよな・・・」というのが、正直な感想。

ジェニファーは、とてもがんばっていたけれど、全体としてやや中途半端な印象も受けました。

このミズーリ州の寒村は、本当に移民たちの村で、「ヒルビリー」という独特のカントリーミュージックを生み出した土地柄でもあるらしいですね。そして今でも貧しいままなんだそうです。

コメント
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