啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「ツクシ」

2012-03-18 08:42:45 | 山野草

探していたのだがなかなか見つからなかったツクシを自宅前の畑で見つけた。雑草に負け消滅してしまったかと思っていたギョウジャニンニクの芽が出ているのが嬉しく、眺めているとその脇にひょっこりと頭を出していた。まだ寒さが残るが、繰り返す雨と太陽の角度で春を予感するのだろうか・・。春の野草の芽生えが始まっている。

「ツクシ」はシダ植物のトクサ科トクサ属スギナの胞子茎なのだという。早春にツクシ(土筆)と呼ばれる胞子を放出する茎を伸ばす。ツクシの成長後に地下茎で繋がった“栄養茎”を伸ばす。これがスギナと呼ばれるもので光合成を行う。ということは、スギナという胞子植物の胞子を放出する器官(種子植物の花にあたるところ)?がツクシで、植物としての名はスギナということか??

寒さが残る地面から顔を出した頃は可愛い。一方で、地下茎は地中深く良く伸び、雑草としてはしぶとい。退治するのが容易でない。地表に出てきた部分を駆除しても、次々と芽を出してくる。掘り起しても地下茎を放っておくとすぐ生き返る。

ツクシは食材になるというが食べたことは無い。茎にできる袴状の部分を除き、茹でて灰汁を抜き煮たり佃煮にするのだそうだ。また、乾燥させたものは生薬となり利尿作用などある。花粉症対策としても有効と発表されているというが、効果はまだ確認されていないそうだ。

「長七郎山」(1579メートル)「地蔵岳」(1674メートル)

2012-03-17 10:03:45 | 低山歩き

天気の良い日にもう一回、雪の山を歩いて見たいと思い、赤城の山に行ってみた。最高の楽しい気分に浸れたのだが“(簡易)スパッツのはき方ひとつ知らない”未熟さに気付いた。言葉だけ知っている“雪庇”や“雪漕ぎ(ラッセル)など、本格的な雪山の厳しさとは全然違うが、大変さを少しだけ体験した。

「地蔵岳」の山頂は今年に入って2回目。1月の末だったような気がするが“雪のある山も少しだけ経験してみたい”と寒い日に登った。今回は前回と逆の北西側、小沼近くの登山口から。雪の量は前回より多いが、登山道は踏み固められているところが多く歩きやすい。後で気付いたが、山頂にあるテレビ局やマイクロ回線の中継局などのメンテナンスで登る人も多いようだ。山頂の中継局方面は踏まれているが、頂上へまっすぐ行こうとすると雪漕ぎ状態。山頂には30分ほどで着いた。360度の展望を独占。

「長七郎山」(1579メートル)は夏に遊びに行くところ。小沼を囲む尾根を一周するとマツムシソウなど高山植物もあり楽しめる。春には小沼の湖岸にシロヤシオツツジが見事。歩き足りなかったので長七郎山に足を伸ばす。踏み跡をようやく見つけてスタート。こちらは、人が歩いた形跡が少なく、雪漕ぎ状態が続く。ただ、先行者がいるようで道に迷う心配は無い。

尾根に上がると北西側から吹き上げられる雪で雪庇ができている。その彼方に皇海山や袈裟丸山が輝く。小地蔵岳へ足を伸ばす。古い踏み跡が1人。ここまで来ると積雪が多く、雪庇を避けて歩く尾根沿いでは1メートル近い。太ももの辺りまで埋まることも度々。

山頂には4人のグループが食事中だった。帰路は小沼の沼尻に降りるコース。殆ど踏み跡が無いが、スノーシュウを履いて登ってきた夫婦の跡を辿る。靴だけではズボズボもぐる。スパッツがずれて雪が入ってくる。それでも天気がいいから楽しい。

沼尻に降りると、踏み跡は沼の上に続く。沼の周回道は誰も歩いていない。沼に出るが水気が滲んでおり恐い。100メートルほど歩いて、誰も通っていない周回道に戻る。吹き溜まり状態になった道を膝上まで沈みながら雪漕ぎを500メートル。時には太腿まで埋まりながら歩いた。快感・・・快汗で駐車した場所に戻った。



「ヒメカンスゲ」

2012-03-15 08:36:29 | 山野草

植物の種類を特定する作業は面白いが、なかなか大変でもある。野菊やスミレなど似たような姿をしているが、個別の種とされており、なかなか特定できない。今日の写真。昨年も似た植物を調べ、スゲの仲間だとは記憶していた。図鑑で調べると似たものが多くハルガヤ、スズメノヤリ、ミヤマカンスゲなどネットで検索。ようやくヒメカンスゲにたどり着いたのだが・・。果たして・・。

「ヒメカンスゲ」はカヤツリグサ科スゲ属の多年草。里山の林の縁や道端などどこでも見られる。カンスゲに似ていて小さいことから名がついている。葉は2-3ミリと細長く緑色。根本から10-20センチの花茎をのばし白っぽく見える花穂をつける。花は3-4月で他のスゲ類より早く咲きだすという。

庚申山の散歩コース。山頂の休憩場所から女坂に降り始めた日当たりの良いところで見つけた。久し振りに“新しい草”と思ったのだがそうはいかなかった。

「サンシュユ」と赤城山

2012-03-14 09:05:20 | 山野草
毎年同じような写真になってしまうのが恐ろしい。また、庭に咲いているネタになってしまった。絵を求めてそれなりに歩いてはいるのだが・・・。赤城山がまた白さを増した。この時期になると草花が少ない上に、雪が降って山歩きが大変になる。もう少しで春なのだが。

「サンシュユ」はミズキ科の落葉小高木。日野谷の二千階段、小梨山で自生しているのを知っているが、薬用植物として移入され栽培されたものだという。山の中で生えているということは、野鳥が実を運んだのだろうか。

秋にグミに似た真っ赤な実をつけるが、この種を除き乾燥させたものをヤマグミといい、日本漢方方の収録される生薬になるのだという。強精、止血、解熱などに効果がある。

鮎川沿いから見ると、赤城山がかなり白く見える。鍋割、鈴ヶ岳、地蔵岳などかなり積もったようだ。鍋割山の南面では一度融けたのだが・・。赤城の反対側(南)西上州の御荷鉾山も白くなっている。


「チンチョウゲ」

2012-03-13 08:48:57 | 山野草

まだ肌寒いが、心地良い快晴となった。玄関の植え込みにチンチョウゲが蕾を膨らませているが、日陰のためなかなか開花しない。部屋の日当たりの良い場所に置かれた一輪挿しに活けたものが早春の香りを放っている。

「チンチョウゲ」はジンチョウジ科の常緑低木。中国の南部が原産地で、日本には平安時代にもう入ってきているのだそうだ。日本にあるのは殆どが雄木で、挿し木によって増やしている。花期は2-3月。蕾の時は赤紫色に近いが、花を開くと内側は淡いピンク色にみえる。5ミリほどの小さな花弁が10数個集まって、手まり状に固まって咲く。

ヒイラギと並ぶ庭木の代表的な香木だという。名の由来を「香木の“沈香”のような良い香りがあり、丁子のような花をつける」「「沈香と丁子の香りを併せ持つ」などの見方があった。私はチンチョウゲだと思っていたのだが、普通は“ジンチョウゲ”のようだ。別名=チンチョウゲと呼ばれるとなっているし、チンチョウゲで検索してもジンチョウゲとして表記される。漢字の“沈”にこだわったのかもしれない。

赤い実がなるそうだが有毒。花を煎じた汁は歯痛や口内炎などの薬として使われる。


「フキノトウ」

2012-03-12 08:42:47 | 山野草

御荷鉾の山が昨夜降った雪で大分白くなっている。トキの島の友人からのメールで雪が殆ど解けて、農作業が忙しくなるというようなメールをもらったが、今朝の天気予報ではまた雪が積もってしまうのでないかと心配だ。月末のスキーには降雪が好都合などといったら怒られそうだ。鮎川の堤防下にフキノトウが花芽を開き始めているのを見つけた。

「フキ」はキク科フキ属。多湿で風が余り強くないような場所に多い。群馬県内では沼田など雪の降る場所の川沿いなどに自生しているものを見る。平野部で野生のものは殆ど見ないが、食べるために畑の隅や則面など栽培しているのを見る。

写真の個体は鮎川の河川敷に誰かが勝手に??作った畑で芽生えていたもの。5メートル四方程度の荒れた畑のあちこちに芽を出している。美味しそうだが、不法耕作?といえども採ってくる訳にはいかない。

堤防沿いを歩いたり、自転車で走って思う。河川敷のゴルフ場やサッカー場など運動公園として活用されているものを見ると素晴らしい利用方法と思う。ところが、畑として耕作されているのを見ると考えてしまう。鮎川の下流で、烏川・・更に利根川と合流する辺りの広い場所では、トラクターが入れるような畑、ビニールハウスまで建てられているところもある。キチンと許可をとり税金を払っているのだろうか!!!

ごみの不法投棄対策と事故防止だとは思うが、市民が川原には入り込めないようになった場所が多い。藤岡辺りでは昔、子供を連れて釣りやクワガタ取りにいった場所には今入れない。不法(でなかったら失礼)に耕作する畑は許して、川遊びは禁止する!!何だかおかしくありませんか。

「テングチョウ??」

2012-03-11 09:15:23 | 里山

久し振りに酒を飲んだ。元会社の同僚が10人。老いてはいるが皆元気である。親の介護、旅行、園芸などのほか、まだ働いている人もいる。団塊の世代を筆頭に、老人が元気にならなければ、経済も何も活性化しない!!!暖かくなってくると、老人達は動きが活発になってくる。鳥や昆虫も同じようで、先週半ばの暖かかった日に、三名湖でフワフワと飛び出した数羽の蝶を見つけた。

本屋での立ち読み?を含めて、色々と調べてみたのだが名前が特定できない。冬を成虫で越したタテハチョウの仲間だと思うのだが・・・。モンシロチョウやアカタテハなどより一回り小さい。セセリ蝶の仲間も早春に飛び出すものもあるようだが、形が違う。ネットなどで調べて見たのだが、一番近いのが「テングチョウ」。

羽根を広げた状態の絵はネットや図鑑にあるのだが、羽根の裏面を掲載しているのが少ない。たまにあるが、もっとグレーっぽい色をしている。ヒメアカタテハ?とも思うが、これは知っている種だが、何だか違うようだ。テングチョウは顔の部分がもう少し尖っている?など・・・。羽根を広げて飛んでいたのだが、羽根の表面の図柄や色が全く思い浮かばない。

どなたかこの蝶の名をご存知でしたら教えてください。

「カシラダカ」

2012-03-10 08:47:12 | 野鳥

雨が降り続いている。下旬に若い人たちとスキーに行くことになっているが、万座方面の山では雪になってくれていたら嬉しいのだが・・・。距離があって確認できないが、鏑川と鮎川の合流地点あたりに毎年飛来するハクチョウの姿が見えなくなったようだ。そろそろ冬鳥が繁殖地などに返る季節。

「カシラダカ」はホオジロ科の冬鳥。北の大陸から秋に飛来し積雪の少ない地方で冬を越す。明るい林、草地、川原などに多い。鮎川の河川敷(整備された場所ではない)に小さな群れを作っている。体長は15センチほどで姿がホオジロに良く似ている。区別のポイントは“興奮すると頭部の毛(冠羽)を立てる”“お腹周りの毛が白っぽい”ということだそうだ。

さえずりは「ピーチュクピーチュク、ピリピルピー」(図鑑)とか。春に北へ渡る前には木の枝に群れて止まり、鳴き交わす姿も見られるというから聞いて見たい。

「水沢山」(1194メートル)

2012-03-09 09:09:24 | 低山歩き

“ジャガイモの畝作りor山行き”どちらを先にするか迷ったのだが、結局は天気が良さそうな一昨日を農作業にあて、昨日は山を歩いてきた。暖かくなったが、山には雪が残っている。雪が無くて、ある程度登り応えのある近くの山となるとなかなか難しい。坂東三十三観音の十六番札所水沢観音にお参りして水沢山と決めた。

「水沢山」は榛名連山の東南端にある。伊香保温泉の入り口辺りにあり“水澤うどん”が結構美味い。登山口は参拝客が多い観音堂の脇にあり、飯綱権現の社や万葉植物園に向かう急な石段がスタート。山頂までの所要時間は上り口の表示、ガイド本とも約2時間。

植物、野鳥、山頂からの展望・・最初から期待しておらず、山を歩きたいという気持ちだけ。結構きつい上りが続くが心地良い。3年ほど前に初めて登った時に、かなり年配の女性数人に追い越された記憶があるが、今回も男女各1人に追い越されてしまった。

草や木は枯れており、天気が良くないせいもあるが野鳥も少なくシジュウガラが飛び出してくる程度。汗がでて、上着をザックにしまいこんでいる間に追い越していった二人を追い、離されないように歩く。重そうな荷(ザック)を背負い、ステッキなしで歩く同年代?の男性に置いて行かれたくない・・。交差する人を待つ時に追いつき声を掛ける。“久し振りに来たが、結構上りがきついですね”と。返事は「毎週来ているが、今日は汗が出る」と・・。雪の少ないこの山をトレーニングに使う人が多いようだ。

急な登りを抜けると山頂への尾根に出て展望が開け、石仏群がある。驚いたことに、ここまで約1時間できた。山頂まで尾根伝いにノンビリと10数分。雲に包まれた山頂には数人がいた。北側の登山口(ツツジ平方面)からの道には雪が少し残っていた。榛名の山群、関東平野、奥利根など大展望が広がるはずだが視界ゼロ。微かに伊香保方面が望めたがゴルフ場らしきものしか見えなかった。

山頂までの所要時間が1時間15分だったことには満足。結構強くなった。帰りに、観音様に家族の平穏と健康をお願いした。



「ツチグリ」・・「これなに?」

2012-03-07 08:45:09 | 山野草

竹沼の外周道を散歩中。カミさんに“これなに?木の実かしら”と呼ばれた。胞子系の植物であるとはすぐに気が付いたが、何となく気色が悪い・・妙なもの。見たことはあるような気がするが、意識して見るのは初めて??ブログの絵に貧している時。とにかくカメラに収めた。調べて見ると食用にされたり、移動したり・・何だか奇妙な植物でもある。

「ツチグリ」はツチグリ科ツチグリ属のキノコ。夏から秋に見られるという点が少々気に懸かるが、外見上は問題なく当該種。林内の道端や土の崖などに普通に見られるという。丸い部分は直径で2センチほど。開いた星形の部分を含め5-6センチになる。

中央部の丸い部分(袋)が成長し、胞子もこの部分で作られ、袋にある穴から放出される。外側に厚い外皮があり、成熟すると裂けて星形に開く。「晴れた日に移動する」という書き込みがあった。キノコが移動する??!!星状に外に開く外皮は7-10枚になるという。この外皮は雨が降ると外に開き、天気が良いと萎むのだそうで、その繰り返しで動くのだろう。雨があがった直後の暖かい竹沼で、移動の最中だったのかもしれない?

気色の悪い色と形だが(袋部の)内部が固く白い幼菌の時期に食用にされるのだという。東南アジアでは缶詰にしているところもあるそうだ。日本でも福島県などで“マメダンゴとかママダンゴ”と呼ばれ、6-7月の梅雨時に食卓に上がるという。内部が白い幼菌の頃に味噌汁の具、佃煮などにされる。“白い部分を薄切りにしてバター炒めにすると美味”という九州の方の書き込みもあった。外見からは食べるには勇気が要るが・・・。