啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「蟻ノ戸渡り」(ナイフブリッジ)

2011-09-18 09:39:50 | 低山歩き

一昨日の戸隠登山の心地よい疲れと、岩場鎖場の連続による恐怖感と無事にクリアしたことの満足感が未だ残っている。ちょっとしつこいかもしれませんが、広いところでも幅1メートル弱、両端が絶壁のナイフブリッジと呼ばれる「蟻ノ戸渡り」チャレンジを再掲載させていただきました。

約30メートルの岩場を鎖に頼って登りきると「蟻ノ戸渡り」。女性が四つん這いの状態で渡っており、男性がリードしている。恐ろしい場所に来てしまったと思った。先程の岩場の脇に“○○子さん やすらかに”と弔いの標。嫌なものを見てしまったと思った矢先だけに尚更だ。70代の3人のパーティ、男性1人がおり、ベテランの人が“今日は風も無く良かった”とか“ここまで来て引き返す人が珍しくない”など解説してくれる。単独で、風でも強かったら私も引き返したかもしれない。何しろ国内でも有数の「ナイフブリッジとして知られている」のだそうだ。

3人のパーティーの真似をしながら後について渡り始めた。両側は切り立った崖。踏み外したらどこまで落ちるか判らない。肝が冷えた。四つん這いでスタート。ただ、少し慣れると落ち着いてきた。立った方が楽と思い、少しだがそうしてみた。ふらついたらお終いと考えると恐くなり、また四つん這いに。狭い場所は“馬の背に跨る”ようにしてゆっくりと進んだ。無事通過して喜んだ後に“剣の刃渡り”があったが、こちらは距離が短く恐さも感じないで通過した。

急峻な蟻ノ戸渡りは距離にして3,40メートル。両側の谷の深さは、大キレットなどアルプスの有名なナイフブリッジに及ばないが“長さと恐さは有数”なのだそうだ。

鎖場を登りきった「八方睨」では、6人が揃い急峻な岩場を登りきった喜びで話が弾んだ。3人組みの1人は「20数年前に登った時、蟻ノ戸渡りには迂回路があり、木も生えていて恐い場所でなかった」という。年に何回か登るというリーダー格の人が「両側が崩れ落ちてしまい、現在の形になった。何年間か通過禁止になっていた。崩落が進み、いつかは通れなくなる」などと説明していた。