ひと月ほど前までは“小鳥の姿を探して”樹木の上ばかり見ていた。春の草花が咲き始めて、最近は下を向いて歩く。おかげで、今まで“何も考えないで見ていた新しい花”に気付くことができるようになった。
「オオバタネツケバナ」はアブラナ科の2年草。春の一定期間だけ公開されている、埼玉県神川町の庭園で見つけた。ミズバショウが咲く湿地。小さな雑草にしか見えないこの花の写真を撮る姿を不思議に思ったのか、後から覗き込んでいる人がいた。
散歩道や田んぼのくろなどどこにでも咲いている“タネツケバナ”。この花を認識したのは奈良に旅行した際の平城京跡地だった。タネツケバナに似ていて、葉の先端の一枚が大きく育っているのでオオバタネツケバナと呼ぶのだそうだ。図鑑から「白い花の咲く植物」の部分を何回も見返してようやく見つけた。
「セントウソウ」は“この植物は何という名だろう”と思いながらそのままになっていたもの。高崎自然歩道の城山団地下の沢沿い、中山峠下から寺尾城址に続く沢沿いの道などでよく見る。10センチほどの小さな背丈で、ニンジンのような切れ込みの入った葉を冬の間から開いていた。
小さな白い花をつけていたので、写真は撮っておいた。図鑑で“白い花”を調べていたら偶然に見つけたのがこの花=セントウソウ。セリ科の多年草で全国にあるという。また一つ、新しい種を覚えることができた。