啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「エイザンスミレ」

2011-04-19 08:52:43 | 山野草

つい数週間前まで、いくら探しても見つからなかったスミレが、今では至るところに咲いている。花は普通のスミレと見かけが変わらないが“葉が深くくびれた種類”があるのをご存知だろうか。

「エイザンスミレ」はスミレ科の多年草。比叡山で発見されたのか、その辺りに多いのかわからないが、比叡を冠した名である。このスミレを始めて見たのは西上州の小沢岳に登った時。尾根沿いの日当りの良い場所で蕾を持っていた。当時は興味も少なく“珍しい花”として写真は撮ったが、名前を調べても判らず、忘れていた。その後、西上州の山で友人に名前を教えてもらい、馴染みの野草となっている。

この個体は、藤岡市西部の日野地区。小梨峠に咲いていた。県道にクルマを止め、林道を40分ほど上がって行くが、途中に咲いているスミレは全て“葉に切れ込みが無いタイプ”。日当たりが良く南西方面に見通しが利く峠に着くと、この場所ではほとんどエイザンスミレだった。

写真では判りにくいが、葉が大きく3裂している。葉に切れ込みがあるスミレに“ヒゴスミレ”もある。こちらは、葉がさらに深く5裂すると紹介されていた。
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「オオバタネツケバナ」と「セントウソウ」

2011-04-18 08:48:58 | 山野草

ひと月ほど前までは“小鳥の姿を探して”樹木の上ばかり見ていた。春の草花が咲き始めて、最近は下を向いて歩く。おかげで、今まで“何も考えないで見ていた新しい花”に気付くことができるようになった。

「オオバタネツケバナ」はアブラナ科の2年草。春の一定期間だけ公開されている、埼玉県神川町の庭園で見つけた。ミズバショウが咲く湿地。小さな雑草にしか見えないこの花の写真を撮る姿を不思議に思ったのか、後から覗き込んでいる人がいた。

散歩道や田んぼのくろなどどこにでも咲いている“タネツケバナ”。この花を認識したのは奈良に旅行した際の平城京跡地だった。タネツケバナに似ていて、葉の先端の一枚が大きく育っているのでオオバタネツケバナと呼ぶのだそうだ。図鑑から「白い花の咲く植物」の部分を何回も見返してようやく見つけた。

「セントウソウ」は“この植物は何という名だろう”と思いながらそのままになっていたもの。高崎自然歩道の城山団地下の沢沿い、中山峠下から寺尾城址に続く沢沿いの道などでよく見る。10センチほどの小さな背丈で、ニンジンのような切れ込みの入った葉を冬の間から開いていた。

小さな白い花をつけていたので、写真は撮っておいた。図鑑で“白い花”を調べていたら偶然に見つけたのがこの花=セントウソウ。セリ科の多年草で全国にあるという。また一つ、新しい種を覚えることができた。

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「クロモジ」「アケビ」「モミジイチゴ」

2011-04-17 11:05:39 | 山野草

里山に新芽が息吹き黄緑色に変わりつつある。当たっているかどうかは判らないが、林の芽吹きでも落葉低木のほうが早く芽を出し、花をつけるのではないかと思い始めた。背丈の高い木々が葉を広げ、日光を遮る前に受粉しようという魂胆があるのではなかろうか。

「クロモジ」はクスノキ科の落葉低木。高級な楊枝の材料として使われることで知られる。香料の黒文字油を採るほか、根や茎を薬用(養命酒などに加える)にも使うという。群馬の里山にはいたるところで見られる。

「アケビ」も花芽を膨らませていた。秋になり熟すと紫系に色が変わり、果実が割れて食べられることを知らせる。種が多く美味しくはないが甘い。新芽は山菜として食べられ、蔓は工芸品の素材として人気。また、茎は“木通”と呼ばれる生薬となり、利尿や消炎などに利用される。何だか役に立つ植物のようだ。


「モミジイチゴ」はバラ科の落葉低木。葉が椛の形に似ていることから名が付いている。食べると美味しい黄色い実をつけることから「黄苺=キイチゴ」の別名もある。沢沿いの日当りの良い場所などに多い。子供の頃、学校で食べた弁当箱を川で洗い、その中にモミジイチゴの黄色い実を一杯採って持ち帰ると喜ばれた。今の時代なら、お母さんが“ジャムに加工”したりするのだろうが、私の子供の頃はそのまま食べた。それでも甘くて美味しかった。


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「ジロボウエンゴサク」

2011-04-16 08:36:25 | 山野草

「ジロボウエンゴサク」何だか妙な名前がついている。「野の花図鑑」(小学館)によると昔、伊勢地方の子供の遊びで“スミレ=太郎坊”とこの花“次郎坊”の茎の部分を絡み合わせ引っ張り合い、強さを競うという遊びがあったことに由来するという。エンゴサク(延胡索)は漢方名で、地下茎を乾燥させて鎮痛剤に用いることからきているのだそうだ。

昨日掲載したカタクリ自生地(鬼石町)の林の中で見つけた。山歩きの際に“ヤマエンゴサク”は写真を撮ったことがあるが、2-3年前のこと。ジロボウタイプも見たことがあると思うが、意識して見つけたのはこれが始めて。名前もだが、花の形も妙で、とりわけ可愛くもない。図鑑では「弱々しく、ことさら可憐な花である」と紹介されていた。

ケシ科キケマン属。早春を告げる花のひとつでもある。
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「アズマイチゲ」と「キクザキイチゲ」

2011-04-15 09:04:49 | 山野草

群馬県と埼玉県の境にある鬼石町(現・藤岡市)。この町の南東面の山裾にかなり規模の大きいカタクリの自生地がある。一面に咲き競っている姿に艶やかさを感じる。カタクリの群生地を過ぎ、駐車場に戻る途中の草地に“柔らかな白い花”を見つけた。「アズマイチゲ」が咲いている。夕方近かったせいだろう、花は開いていないが、清楚な白が美しい。

「アズマイチゲ」はキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。別掲で先週末に紹介した“キクザキイチゲ”と良く似ている。アズマイチゲは葉全体が長丸く、葉の先に少しくびれがる。これに対し、キクタイプは文字通り菊の葉のように深く切れ込んでいるので、容易に区別できる。

写真の個体は夕方だったせいか、花(花弁ではなく白い部分はガクだという)を開いていないが、開くと同じような形になる。ただ、葉の形容と同じようにアズマタイプの花も全体に丸みを帯びているように感じる。

アズマイチゲには西上州の山で出会うことが多い。尾瀬や戸隠高原で見たイチゲはキクタイプだったし、トキの島ではキクタイプしか見たことがない。“アズマ”を冠しているが、関東地方に多いということなのだろうか?アズマ、キクザキタイプを合わせ、私の好きな花として5本の指に入る。

参考までに、キクザキイチゲも掲載してみた。

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「アマナ」

2011-04-14 08:26:04 | 山野草

急に植物(花)の種類が増えてきた。夏の花との端境期までは、掲載を選んで対応できそうだ。いつもの散歩道で、私にとっては珍しい植物を見つけた。実は昨年も見つけ、カメラを持っていなかったので「明日、写真を撮ろう」と思ったが、翌日は発見することができなかった。理由は判らない。殆ど同じ場所で、今年も「アマナ」を見つけることができた。

「アマナ」はユリ科の多年草。やや湿気の多い草原に咲く。和名は“甘菜”で、球根が食べられるが、食べると美味しいことから名が付いたと書いてあった。また、滋養強壮剤として薬効もあるという。

この花、数年前に桐生市近くのカタクリの自生地を見に行った時に出会ったかもしれない。図鑑上では知っていたが、意識して実物を見たのは今年が初めてといって差し支えない。それだけに、初めて撮れた写真は嬉しい。実は、最初に見つけたときは夕方で花が開いていなかった。“明日になったら無くなってしまうかも”と思って写真を撮った。改めて翌日訪ねたが未だ花は開いていなかった。3度目の正直でやっと取れたのがこの写真。・・・それにしてもヒマである・・・
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「ネコノメソウ」

2011-04-13 09:15:06 | 山野草

トキの島で撮った写真はこれが最後。県道沿いの休耕田の端に、鮮やかな黄緑色のかたまりを見つけた。珍しい花ではないか?と思い、車を止めて見に行くとこの花だった。

「ネコノメソウ」は意外なことにユキノシタ科。種の様子が、瞳を閉じた猫の目に似ているということから、この名が付いたという。可愛い花でも、希少な植物でもないが、緑が少ない時期では、明るい黄緑が輝いて見える。

調べて見ると、近似種に“ヤマネコノメソウ”というのがある。特徴が殆ど同じで区別が難しい。ネットで画像を見ていると、ヤマタイプでは“ヒゲ”が生えていたものがあり、写真の個体は“つやつやと黄緑色に輝いていた”ので、単純なネコタイプに決めた。
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「オウレン」

2011-04-12 07:58:41 | 山野草

トキの島で雨が降り出した濡れた林の中。小さな白い花を見つけた。“多分オウレン”だと思って写真を撮った。1回目を失敗し、撮り直しにわざわざ出かけた結果の写真だが、それでもこの程度。撮った段階で確認すれば・・こんなことにはならないのだが・・・。

「オウレン」はキンポウゲ科の多年草。春に10センチほどの花茎を伸ばし、その先に2,3個の花をつける。花弁に見える白い部分はガク。地下茎がやや太く、横に伸びるという。この地下茎を「黄蓮」と称し、消炎・解毒など薬効があるという。また、黄色の染料として草木染めにも使われるというから有益な植物のようだ。



※この写真を見て欲しい。桜見物で人が増えている「竹沼」の北側。周回コースの脇に3,4本のタラの木がある。私たちも「このタラの芽を撮るのは誰だろうね」と言いながら、成長を楽しみにしていた。11日に10日振りくらいで訪ねてみると、既に芽は無かった。春が急速に進んでいるが、まだタラの芽を摘む時期には無かったはず。全ての芽が、爪でほじったようにえぐられている。今採っても食べられない大きさ(成長具合)だったはず。

1、食べ頃に成長してから撮る(食べない可能性があったら採らない)
2、芽は2回以上採ると、木が枯れてしまうと言います。
3、2回目を採る時も、次の芽が残っていることを確認してから採る。

タラに限らず、ワラビやウドなど。皆で、こんなこと考えながら、春の味覚を楽しみませんか。来年も楽しめるように・・。


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「ナツボウズ」と「ヨメナカセ」

2011-04-11 08:42:43 | 野鳥

トキの島にある私の実家は、海抜で約2百メートルの山の中。めったにない大雪となった今年の冬。雪はすっかり融けていたが、春の到来は遅れていた。早春の山里で最も早く花を付ける木が「ナツボウズ」と「ヨメナカセ」。ヨメナカセは地元の呼び名で“アラゲヒョウタンボク”というのが正しい名のようだ。

「ナツボウズ」はチンチョウゲ科の低木。葉は前年の秋に伸び始め、冬を越したあと早春にチンチョウゲに似た小さな花弁が集まった黄色の花をつける。林の縁など日当りの良い場所で、枯れたままの周囲に対し、緑色の葉と黄色の花が輝く。

6月頃には赤い可愛い実をつける。夏までに葉を落としてしまうので、この名が付いている。樹皮の繊維が強固で、茎全体がしぶとく強い。このことから“オニシバリ”とも呼ばれるという。

「ヨメナカセ」の名は母から聞いたが、ネットで調べるとこれは佐渡で付いた呼び名。正式には「アラゲヒョウタンボク」のようだ。葉に柔らかな毛があり、アラゲを冠している。新鮮な黄緑のはと淡い黄色の花は温和名イメージで、アラゲには見えないが・・。

スイカズラ科の落葉低木。春一番に咲き、この花が咲く頃に田や畑作業で忙しくなることから「佐渡の人は“ヨメナカセ”とも呼ぶ」という書き込みを見つけた。母もそう呼んでいた。この呼び名は、他の植物でも使われることがあるようだ。夏には赤い実をつける。



※訂正の訂正???昨日の訂正は「yahoo百科事典」が正解でした。昨日、キクザキイチゲとアズマイチゲ、ニリンソウの花を見る機会がありました。この百科事典のキクザキイチゲの写真は“イチリンソウ”と確信をしたのですが・・。誰かからは「漢字も書けない人が、知ったかぶりするな!」と叱られそうですが。
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「訂正」

2011-04-10 09:07:12 | 山野草
訂正=今日付け、ハクサンイチゲの中で「ヤフー百貨辞典」と掲載されていましたが、百科に訂正します。当欄らしい誤字脱字。先般、見ていただいている高校時代の友人たちに、厳しく追及されましたが、相変わらずです。ま、良くあることですが・・・・。
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