エスカレーターに立ち止まって乗るよう義務づける条例が埼玉県に続いて名古屋市でも施行された。
歩いて昇降する人のため、片側を空けるのが長らくの慣習。 その中で転倒などの事故は増加傾向
にある。 立ち止まって利用した方が混雑は緩和されるとの報告もあるが、先行する自治体では定
着に至っていない。 「暗黙のルール」は見直されるだろうか。
「立ち止まり左右に乗るのがナゴヤ流」。 JRや名古屋鉄道、名古屋市営地下鉄が乗り入れる金
山駅(同市)で2日朝、市職員がこう記されたウエットテイッシュを配って回った。
1日施行の条例で、市はエスカレーターでは立ち止まって利用するよう義務づけた。 鉄道会社を
はじめとする管理者に条例内容の周知も求めた。 条例の趣旨を守るよう市は管理者に指導、勧
告できる。 罰則の規定はない。
どう定着させるか。 市は人工知能(AI)を活用した啓発を検討している。 AI機能を搭載した
センサ-がエスカレーターを歩行する人を検知し、「2列で並んで大丈夫ですよ」などと音声で
注意喚起する仕組みだという。 年明けにも実証実験を始めるそうだ。
担当者は「声かけをすれば一時的に止まる人が増えるが、人件費もかかる。 AIを用いて効率的
に呼びかけたい」と話している。
エスカレーターは東日本などで右側、関西で左側を歩けるよう空けておくのが慣習になっている。
エスカレーターの歴史に詳しい“斗鬼 江戸川大名誉教授(文化人類学)”は「高度経済成長期、関西
の鉄道会社が急ぐ人のために片側を空けるようアナウンスしたのが起源。当時はスピード重視の
価値観が根づいていた」と説明する。
そもそもエスカレーターは歩行を前提に設計されているわけではない。 一般的な階段よりも段差
は大きく、足を踏み外しやすい。 急ぐ人が高齢者や子どもにぶつかり、ケガをさせる危険があ
る。 障害などがある人が「ルール」に気兼ねし、太夫双方の手すりを使えなかったり、ステッ
プを幅広く利用できなかったりする場合もある。
日本エレベーター協会が2018~10年に実施
した調査によると、エスカレーターの事故は全国
で1550件起きた。10年前の調査に比べて3
割増え、増加傾向にある。原因は歩きながら利用
し転倒するなどの「乗り方不良」が51.9%で最も
多かった。事故防止のため、全国で初めて「歩行
禁止」条例を設けたのが埼玉県だ。10月で施行
から2年を迎えた。同県所沢市で子ども3人を育
てる主婦(27)は「昼間は両側に立ち止まる人も
出てきた」と感じる。
一方で通勤時間帯は今も右側を早歩きする人が目立つという。 「歩かない人がもっと増えれば
子どもと並んで手をつなぎながら安心して利用できるのですが」
アール医療専門職大の“徳田教授(バリアフリー論)”は大宮駅で条例の効果を調査してきた。 施行か
ら3カ月が過ぎた22年1月、ある地点で歩行する人の比率は38%で、施行前の21年9月
(60%)から22㌽減った。
だが施行1年を控えた22年9月は61%で施行前の水準の戻っていたそうです。
徳田教授は「条例制定だけで抜本的な改善につながるとは言いがたいが、自治体や事業者が条例
を後ろ盾に啓発活動をしやすくなる利点はある」と説明。 その上で「歩いて利用する行為は弱
い立場にある人にとって障壁になり得ることなどを、自治体や事業者が丁寧に伝える必要がある」
と話しています。
私は駅などでは必ず階段を利用しています。 よほどでない限りエスカレーターやエレベーターは
使いません。 体力的には多少大変ですがこれも我が身のささやかな鍛錬だと思っています。
年寄りの冷や水かもしれませんがネ‥‥。
歩いて昇降する人のため、片側を空けるのが長らくの慣習。 その中で転倒などの事故は増加傾向
にある。 立ち止まって利用した方が混雑は緩和されるとの報告もあるが、先行する自治体では定
着に至っていない。 「暗黙のルール」は見直されるだろうか。
「立ち止まり左右に乗るのがナゴヤ流」。 JRや名古屋鉄道、名古屋市営地下鉄が乗り入れる金
山駅(同市)で2日朝、市職員がこう記されたウエットテイッシュを配って回った。
1日施行の条例で、市はエスカレーターでは立ち止まって利用するよう義務づけた。 鉄道会社を
はじめとする管理者に条例内容の周知も求めた。 条例の趣旨を守るよう市は管理者に指導、勧
告できる。 罰則の規定はない。
どう定着させるか。 市は人工知能(AI)を活用した啓発を検討している。 AI機能を搭載した
センサ-がエスカレーターを歩行する人を検知し、「2列で並んで大丈夫ですよ」などと音声で
注意喚起する仕組みだという。 年明けにも実証実験を始めるそうだ。
担当者は「声かけをすれば一時的に止まる人が増えるが、人件費もかかる。 AIを用いて効率的
に呼びかけたい」と話している。
エスカレーターは東日本などで右側、関西で左側を歩けるよう空けておくのが慣習になっている。
エスカレーターの歴史に詳しい“斗鬼 江戸川大名誉教授(文化人類学)”は「高度経済成長期、関西
の鉄道会社が急ぐ人のために片側を空けるようアナウンスしたのが起源。当時はスピード重視の
価値観が根づいていた」と説明する。
そもそもエスカレーターは歩行を前提に設計されているわけではない。 一般的な階段よりも段差
は大きく、足を踏み外しやすい。 急ぐ人が高齢者や子どもにぶつかり、ケガをさせる危険があ
る。 障害などがある人が「ルール」に気兼ねし、太夫双方の手すりを使えなかったり、ステッ
プを幅広く利用できなかったりする場合もある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/79/584d0d215713cc4c5881cd7ad2d7946a.jpg)
した調査によると、エスカレーターの事故は全国
で1550件起きた。10年前の調査に比べて3
割増え、増加傾向にある。原因は歩きながら利用
し転倒するなどの「乗り方不良」が51.9%で最も
多かった。事故防止のため、全国で初めて「歩行
禁止」条例を設けたのが埼玉県だ。10月で施行
から2年を迎えた。同県所沢市で子ども3人を育
てる主婦(27)は「昼間は両側に立ち止まる人も
出てきた」と感じる。
一方で通勤時間帯は今も右側を早歩きする人が目立つという。 「歩かない人がもっと増えれば
子どもと並んで手をつなぎながら安心して利用できるのですが」
アール医療専門職大の“徳田教授(バリアフリー論)”は大宮駅で条例の効果を調査してきた。 施行か
ら3カ月が過ぎた22年1月、ある地点で歩行する人の比率は38%で、施行前の21年9月
(60%)から22㌽減った。
だが施行1年を控えた22年9月は61%で施行前の水準の戻っていたそうです。
徳田教授は「条例制定だけで抜本的な改善につながるとは言いがたいが、自治体や事業者が条例
を後ろ盾に啓発活動をしやすくなる利点はある」と説明。 その上で「歩いて利用する行為は弱
い立場にある人にとって障壁になり得ることなどを、自治体や事業者が丁寧に伝える必要がある」
と話しています。
私は駅などでは必ず階段を利用しています。 よほどでない限りエスカレーターやエレベーターは
使いません。 体力的には多少大変ですがこれも我が身のささやかな鍛錬だと思っています。
年寄りの冷や水かもしれませんがネ‥‥。