明治時代の栃木県の足尾銅山から有害物質が流出して大きな被害をもたらし、日本の
公害の原点とされる足尾鉱毒事件を巡り、地域の研究会の廃止が相次いでいる。
高齢化による後継者不足が原因だそうだ。 栃木や群馬など被害範囲が広く各地で
問題意識も異なる。 草の根の活動が弱まる中、公害被害の継承は新たな局面を迎
えているという。
足尾鉱毒事件=明治時代、日本屈指の銅生産量を誇った栃木
県の足尾銅山から流出した鉱毒で、渡良瀬川流域に魚類や農
作物などの甚大な被害が出た。 衆院議員だった"田中正造"が
国会で取り上げ、補償や鉱業停止を求める農民らを支援。
天皇への直訴も試みた。鉱毒を沈殿させるため渡良瀬川下流の旧谷中村(現栃木市)に遊水池が造られ、
銅山は1973年に閉山した。
「田中正造と今の社会を結びつけ、学んできたが、我々も力量不足だ」。 2022
年12月、群馬県館林市で開かれた「渡良瀬川研究会」の最終会合で"菅井会長"が
あいさつした。 1973年に群馬県教職員組合の支部から発足し、足尾鉱毒事件
の研究会の先駆けとされた。 200人前後で活動、フィールドワークや会報の制
作を続けてきた。 当時は公害病が各地で社会問題化し、関心が高かった。
研究会は各地で設けられたが、会員数は減少。 田中正造の出生地・栃木県佐野市
で86年に開校した「田中正造大学」も2022年11月に活動を終えた。
住民の当事者意識は被害の時期や程度によって異なり、地域間の横のつながりが少な
いことを懸念する声もある。
被災者団体が運営している群馬県太田市の展示室は、主に地元の被害を紹介している。
佐野市の郷土資料館は原因企業について触れず、田中の足跡を中心とした展示にな
っている。(私も何度か足を運んだことがある) 菅井会長は「各地をつなぐ研究がもっと
必要だ」と話している。
一方で、啓発活動は地道に続いている。 1996年から研究会などが連携し、足尾
で植樹を開始、延べ21万人以上が参加している。 館林市教育委員会は市内の「
足尾鉱毒事件田中正造記念館」と小学生を対象に銅山跡の見学会や植樹体験を実施
している。 館林市の記念館は「公害史料館ネットワーク」にも加わり、全国の関
係者との情報共有を図る。 今春には日光市足尾町の住民を館林に招き、史跡を巡
るツアーも予定している。 ”島野事務局長”は「地域や行政の枠を超えた相互理解
を強め、輪を広げることが重要だ」と話している。
我々地元民にとっては頑張ってくれた人。 公害被害の継承のためにも研究会は
続いてほしいと思っています。
お知らせ:明日31日(火)から2月3日(金)までは休みです。
1月のウオーキング集計はその後で掲載します
公害の原点とされる足尾鉱毒事件を巡り、地域の研究会の廃止が相次いでいる。
高齢化による後継者不足が原因だそうだ。 栃木や群馬など被害範囲が広く各地で
問題意識も異なる。 草の根の活動が弱まる中、公害被害の継承は新たな局面を迎
えているという。
足尾鉱毒事件=明治時代、日本屈指の銅生産量を誇った栃木
県の足尾銅山から流出した鉱毒で、渡良瀬川流域に魚類や農
作物などの甚大な被害が出た。 衆院議員だった"田中正造"が
国会で取り上げ、補償や鉱業停止を求める農民らを支援。
天皇への直訴も試みた。鉱毒を沈殿させるため渡良瀬川下流の旧谷中村(現栃木市)に遊水池が造られ、
銅山は1973年に閉山した。
「田中正造と今の社会を結びつけ、学んできたが、我々も力量不足だ」。 2022
年12月、群馬県館林市で開かれた「渡良瀬川研究会」の最終会合で"菅井会長"が
あいさつした。 1973年に群馬県教職員組合の支部から発足し、足尾鉱毒事件
の研究会の先駆けとされた。 200人前後で活動、フィールドワークや会報の制
作を続けてきた。 当時は公害病が各地で社会問題化し、関心が高かった。
研究会は各地で設けられたが、会員数は減少。 田中正造の出生地・栃木県佐野市
で86年に開校した「田中正造大学」も2022年11月に活動を終えた。
住民の当事者意識は被害の時期や程度によって異なり、地域間の横のつながりが少な
いことを懸念する声もある。
被災者団体が運営している群馬県太田市の展示室は、主に地元の被害を紹介している。
佐野市の郷土資料館は原因企業について触れず、田中の足跡を中心とした展示にな
っている。(私も何度か足を運んだことがある) 菅井会長は「各地をつなぐ研究がもっと
必要だ」と話している。
一方で、啓発活動は地道に続いている。 1996年から研究会などが連携し、足尾
で植樹を開始、延べ21万人以上が参加している。 館林市教育委員会は市内の「
足尾鉱毒事件田中正造記念館」と小学生を対象に銅山跡の見学会や植樹体験を実施
している。 館林市の記念館は「公害史料館ネットワーク」にも加わり、全国の関
係者との情報共有を図る。 今春には日光市足尾町の住民を館林に招き、史跡を巡
るツアーも予定している。 ”島野事務局長”は「地域や行政の枠を超えた相互理解
を強め、輪を広げることが重要だ」と話している。
我々地元民にとっては頑張ってくれた人。 公害被害の継承のためにも研究会は
続いてほしいと思っています。
お知らせ:明日31日(火)から2月3日(金)までは休みです。
1月のウオーキング集計はその後で掲載します