野原は「地球成仏」の中で、地球の温暖化と劣化によって竜
巻などの災害は年々規模が大きくなり、被害も甚大になると
警告してきた。それらの予測はことごとく当たっている。今回
(1012.5.6)茨城県と栃木県の両県にまたがって7ケ所で
発生した竜巻は平均風速が毎秒50~69m、幅500m、長さ
15kmだったと推定されている。被害は中学生1人が死亡、
53人がけが、1600棟が損壊した。竜巻とは積乱雲の下部
から地上に向かって下りる渦巻きと、地上の上昇気流の渦
巻きが一つに結ばれる巨大現象である。
竜巻の強度別に分類したものに藤田・(ピアソン)スケールが
ある。7段階に分類されているが、今回の規模はF2と推定され
ている。分りやすいに、風速(秒速)のみ記した。
①F0。 風速32m未満/秒。木の枝が折れる程度の軽微なもの。
②F1。 33-49m/秒。中程度の被害。屋根がはがされる程度の
もの。
③F2. 50-69m/秒。大きな被害。家の壁ごと屋根が飛び、強度の
弱い木造住宅は破壊される。
④F3。 70-92m/秒。重大な大被害。強度の強い家でも屋根と壁が
飛ぶ。列車は脱線転覆する。ダンプカ―でも宙に浮いて飛
んだりする。外に設置されている工業用のプラントも耐えられ
ないかも知れない。
⑤F4。 93-116m。深刻な大被害。強度の強い家でも
飛ぶ。車はミサイルのように飛ぶ。
⑥F5。 117-141m/秒。あり得ないほどの甚大で壊滅
的な被害。強固な建造物でも基礎ごと吹き飛ぶ。
どこからともなく大型トラックが降ることもある。
信じられないような大惨事となる。
⑦F6。 142-169m/秒。超壊滅的な被害。すべての存
在物は皆無となる。
(この項、フリー百科 ウキィペディアWikipedia 「藤田スケール」)参照。
上記の比較、想像がむずかしいであろう。ちなみに野球の
投手の150kmの速球を秒速になおすと、41.7mで、F1
クラスである。竜巻は今後さらに大きくなるのは確実である。
秒速80mの竜巻が発生するのは珍しくないような時代が来
るのは時間の問題といえよう。それでは竜巻から身を守る
方法を記そう。
①地下に避難用シェルターを埋設し、そこに逃げ込むこと。こ
の場合、入り口の蓋を上に持ち上げる形式は厳禁である。
なぜなら、蓋を開けた途端に中の物などが吸い上げられる
からである。人間も吸い上げられる可能性がある。横に開く
スライド式が良い。できれば、入り口は2ケ所あれば理想的
である。シェルターの上に、何かが覆いかぶさって出れなくな
る場合も想定しておいた方が良い。埋設式のシェルターは
すべての竜巻に耐えられるであろう。
②竜巻に耐えられる家(建築物)を作りたいと、という人もいよう。
その場合、鉄筋コンクリート住宅しか竜巻に耐えられない。
F4クラスまでの竜巻に耐えられるかも知れない。
③鉄筋住宅であっても、飛散物によって、窓が壊される可能性が
あることを知るべきである。その場合、部屋の中の物などはほ
とんど吸い出されることも知っておくべきである。このため、す
べての窓の外側に雨戸を設置すべきである。できるだけ頑丈
なものが良い。鋼鉄製の雨戸が理想的である。アルミの雨戸
は、次善の策とすべきである。無いよりは良いと思われる。
④鉄筋住宅の中に、窓の無い部屋(納戸、物置など)を作っておけば
理想的である。避難所として最適である。
⑤ ④の部屋がない場合、窓のないバス・ユニットを避難所とすれば
良い。さらに、窓のないトイレを設置しても良い。ホテルのバス、ト
イレと同じである。
⑥クローゼットの中を避難所としても良いが、観音開きの戸や、ジャバ
ラ式の戸は、竜巻の威力で開いたり、破損する可能性がある。その
場合は、左右に開く、引き戸とすべきである。
⑦鉄骨建造物と木造建造物の場合は、窓のないバス、トイレを設置す
る以外に方法はないのではなかろうか。木造住宅の場合、バス、ト
イレの窓の外側に、板をクギで打ち付けて固定しておくのも一考で
ある。素人でも日曜大工で、できるはずである。
⑧竜巻の場合、2階、3階よりも、1階の避難所が有効であると云わ
れている。
⑨地下室に避難するのも一つの方法であるが、上階の建物が壊れて、
出口を塞いだり、火事が発生した場合、逃げ場がなくなってしまうの
で要注意である。
⑩次善の策として、一階(居間、キッチン、風呂、トイレなど)を鉄筋住宅
とし、二階以上を木造とし、竜巻の場合は、一階を避難所とする方法
もある。
⑪外出先で竜巻に合いそうになったら、近くに地下鉄や地下街
があれば、そこに避難すべきである。
⑫一般道路でも、高速道路でも、上下に交差したり、橋がかか
った道路がある。その橋の付け根に、V字の空間がある場
合がある。そこが避難場所として、米国では利用されている。
車を運転中は、路肩に駐車して、体一つで、その空間に逃げ
込めば、竜巻に巻き込まれないようである。普段から、そうい
った場所を覚えておくと、万一の場合、助かるだろう。
竜巻は日本では年平均15回くらいだが、米国では年8000回
発生している。今後さらに強度も回数も増すだろう。竜巻の予報は
現在のところ困難であるが、発生した場合、即刻、テレビ、ラジオ
などで速報する体制を整えておく必要がある。
以上、拙書「ブッダの予言と最期の自然災害ー大災害から生き
延びる方法ー」(知道出版)32~35頁を転載。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます