毎日新聞1月10日号8面に池上彰氏は「COP21は何を決めたの?」、「世界
中の国が温暖化対策を進める決意を示しました」というタイトルで書いている。
結論的には池上氏の温暖化の分析力と読解力は浅薄である。温暖化の問題点を何
も理解していない。温暖化のずぶの素人といわざるを得ない。それでは、問題点
を反論しょう。
①温暖化には二つの重大な問題点がある。一つは、これまでに人類が大気中に放出
した炭酸ガスなどの温暖化の原因物質を抹消しなければならない。その方法、技
術を開発できるのか、という問題点である。二つ目は、今後どれだけそれらのガ
スの放出を規制できるか、ということである。この基本的な問題点を池上氏は何
もわかっていない。同氏が云っているのは、第二点のことだけである。人類が生
き延びるためにはこの二点を解決しなければ絶対に不可能である。第一点の解消
方法の研究すらまったくなされてこなかった。この点については野僧の1998年
発行の「地球成仏」にはっきりと指摘している。その方法は不可能だろうと。そ
の通りに推移している。
② 人類が生き延びるためには、産業革命以来の地球の平均気温の上昇が何度までな
らOKなのか、という問題である。この点に関して、池上氏は「パリ協定では、
産業革命からの気温上昇を2度未満に抑える目標を掲げ、できれば1.5度未満に
抑えることが望ましいという努力目標も示しました」と書いている。しかし、今
回のパリ協定では目標を掲げただけで、具体的な数値目標の実行規定や規制、罰
則等は何ら決めていない。単なる絵に描いた餅にすぎない。だから実質的には「
何も決めなかった」というのである。
③ 次に「1.5度説」か「2度説」か、という問題である。野僧が「地球成仏」の中で
1.5説を云ったのは、「地球村に生きる!」(船井幸雄・高木善之編著)を参考にして
いる。1.5度説に納得できたからである。今回のパリ協定では島嶼諸国の1.5度説
の主張を無視できなかったと報じられている。それらの国々は命のかかった深刻な
問題であり、肌で感じている人々である。「地球成仏」の出版の時は0.9度平均気温
が上昇していることが確認されている。それから17年たっている。温室効果ガスの
排出国は中国が1位、米国が2位、インドが3位になった現在、排出量が加速されて
いる。さらに加速されるのは目に見えている。すでに現在1度上昇しているだろう。
そうすれば人類に残された上昇温度は0.5度しかないことになる。恐らく2050年
頃には1.5度に達するのは確実と思われる。もっと早くなる可能性もある。したが
って温暖化が本格的に激化するのは2050年頃となるだろう。ましてや2度に上昇
するのはさらに加速化されるはずである。最近までIPCCは今世紀末には4.8
度上昇すると云っていた。今回のパリでは4.3度と云いなおしている。いずれに
しても、2度であれ、4.3度であれ、4.8度であれ、それだけ平均気温が上昇した
ら人類が生き延びることは不可能と云わざるを得ない。4度上昇しても生きられ
ると公言する人の根拠は何なのであろうか。嘘は人類に対する重大な犯罪である。
いずれにしても今世紀末までには4度以上上昇するのは確実なようである。50
年頃になると秒速100mの台風や竜巻は常時襲ってくることになるだろう。人類
絶滅が本格化するであろう。
④ 「温暖化の原因になる二酸化炭素などの増える量を今世紀後半にはゼロにすると
いう目標で合意しました」と池上氏は云っているが、「人類が絶滅するだけの二
酸化炭素が大気中に充満してから、排出量をゼロにしても、何の意味もない」。
自己矛盾に気が付かないこと事態がずぶの素人と云わざるを得ない。安全の空売
りはやめましょう。
⑤ 池上氏のテレビ等での活躍は一目おいて見ていたが博学なことは認めざるを得な
いが、人類を救うメシアにはなれないであろう。
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