今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

アベノミクスはマネーゲームだ !

2013-06-20 07:02:39 | 幸福の追求

  アベノミクスは、円安と株高による景気回復を図ろうとしているが、

この両方とも、すでに失敗している。

  安倍政権が誕生して以来、注意深く見つめてきた。一時は円安、

株高と連動して景気が良くなったかのような様相だった。しかし、この

両者はいつまでも続くとは考えられなかったのである。かっての日本

のバブルと原則的には同じ結果になってしまった。すなわち今回も、

外国のヘッジファンドなどの投機筋が株高になるように株買いを仕掛け、

最高値になったところで株を売って売り逃げしたのである。その差益は、

何十兆円といわれている。結局、大損をしたのは日本の個人投資家で

ある。また、円安もストップし円高方向に推移している。これも外国のヘ

ッジファンドなどの思いのままである。自動車などの輸出企業は、元の

木阿弥となってしまった。

  この円安、株高は今後も繰り返されるだろう。これを功利主義という。

騙される方が悪い、頭が悪いからだ、ということらしい。今や株などの売

買は、コンピューターまかせの時代となっている。最高値をコンピューター

に設定し、自動的に売りに出すように設定しているのである。株安のとき

に買い、最高値の時に売り逃げするのである。これに対し、日本の個人

投資家は、対抗せざるを得ないが、コンピーターにはかなわない。個人

投資家は、今や絶好のカモとなっている。今回も、良い人で、プラマエ〇

で、ほとんど損をしていると云われている。

アベノミクスは三本の矢からなっている。第一の大胆な金融政策は、す

でに破綻している。第二の機動的な財政政策であるが、東日本大震災の

復興策と、防災対策であるが、遅れに遅れている。問題が山積しているか

らである。第三の民間投資を喚起する成長戦略であるが、抽象論であって、

具体策と、中・長期のビジョンなし、の状態となっている。「10年間で、1人

当りの国民所得を150万円増やす」といっているが、具体策がない、とい

われても仕方ないであろう。一方、大企業に対し、契約社員を減らし、正社

員を増やしてほしい、というような具体的な政治指導は何もない。国民の

全体の経済的な底上げを図るべきだと考える。

  一方、アベノミクスが万一にも失敗した場合、スーパーインフレとスタグ

フレーションが心配である。スーパーインフレは、ハイパーインフレともいう。

物価が一年で2倍にも3倍にもなることをいう。本欄で、アベノミクスがは

じめて発表された時、アンパンが一個3,000円になるのではないか、と

指摘した。それはオーバーな表現であるが、万一、それが現実となれば

国民生活は、大変なこととなるだろう。また、スタグフレーションとは、給料

は上がらないが、物価だけ異常に上がることをいう。この両者が同時進行

すれば、国民生活は破綻し、国家の借金だけが残ることになる。現在、日

本の借金は800兆円といわれるが、心配である。

  アベノミクスは、ムードだけが先行し、マネーゲームの範疇を出ていな

い。アベノミクスが万一失敗した場合、国民生活はどうなるのであろうか。

心配である。


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