今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

地底都市構想を理想世界に!

2019-02-03 15:39:54 | 幸福の追求

 仏典には、人類が滅亡する際の状況が説かれている。たとえば、「グルメに浸り、性を怠けるから」と説かれている。理由はともあれ、

男女が結婚をためらう若者が増えている。まさに現実世界の様相と一致する。その時の人は「草衣をまとっている」、すなわち文化、文

明が滅びた後であると解釈できる。今や地球の温暖化による自然の巨大災害はすでに著に着いてといっても過言ではないであろう。それ

が本格化するのは2050年頃だろうと野僧は予測している。

 たとえばシカゴ大学の名誉教授だった藤田哲也氏とアメリカの国立暴風雨予報センターの局長だったアレン・ピアソン氏の両名によっ

て提唱されたのが「藤田スケール」である。別名「藤田・ピアソンスケール」と云われた。それによると100m(秒速)以上になると

「自動車がミサイルのように飛ぶ」、120m以上になると「大型トラックが空から降ってくる」と予測されている。話し半分としても

想像外の被害が出そうである。すなわち、地上の建築物は存続できない、ということになるのではなかろうか。さらに、故西澤潤一氏は、

2080年頃になると地球の大気中の二酸化炭素の濃度が3%になると、人類は窒息死すると予測している。この両論が地底都市構想の

原点となっているのである。

 2050年以降になると、住居を失った人々は上記の両論を信じざるを得なくなるであろう。その結果、世界中の人々は洞窟や、鉱山

の廃鉱や、鉄道などの廃トンネルの中に押しかけるであろう。しかし、それも一時の現象で滅亡だけで終わってしまうであろう。

 したがって、地底都市以外の人類の延命策はないことに気がつくであろう。地底都市の原則は、自給自足である。貨幣経済は自然消滅

となるであろう。拝金主義も自動消滅するだろう。地底都市に住する人々は、自分たちで決めた規則を自主的に守るようになるであろう。

その規則を一人でも破れば、全員の死を意味するからである。

そこでは絶対的な平等社会となるであろう。また、絶対平和の社会となるはずである。そうしなければ地底都市自体が存続できないか

らである。たとえば衣服にしても、同じ種類のドレスは色や形体は少種類の中から誰もが選ばざるを得ない。特権は何一つないはずであ

る。また食事も同じようなものとなるだろう。たとえ地底都市の首長となっても、特別待遇はないはずである。もしも何らかの特権があ

れば地底都市は崩壊するからである。

 さらに家族の形態も大きく見直されるであろう。これまで家族の思考は、他の家族より仲良く、豊に、幸せに、自分の子供だけは他人

よりも恵まれた状態にしたいという欲望があった。しかし、それはエゴであって、社会全体の幸せの部分が欠落したものだった。地底都

市では、子供は自他の区別のない全体の宝という観念となるのではなかろうか。すなわち、自分の子供という観念がない社会となるのか

も知れない。たとえば、子供は生まれ時点から一カ所に集められ、成人になるまで全体で育てるのである。その際、母親は自分の子に母

乳を与える権利は保障されるはずである。また、いつでも自分の子とあって可愛がるのも自由である。しかし、一人の子だけ特権が与え

られることはないはずである。すなわち地底都市では、母系社会となるであろう。父親の名前は知らなくても良いのではなかろうか。地

底都市の子供は全員、自分の子供だと思ったほうが円満な社会となるのかも知れない。また、男女とも性欲がある。基本的にはフリーセ

ックスの社会となるのかも知れない。普段は避妊用具を使えば良い。女性が妊娠したいと思った時には何も使う必要がないであろう。そ

の判断は女性の特権として委ねられてしかるべきであろう。いずれにしても、女性の思考が尊重されるべきであろう。

 まだ概念の段階ではあるが、人類は地底都市で生き延び、温暖化や大気が浄化するまで存続させる必要がある。それが何十年後になる

のか、何百年後になるのか野僧は知らない。少なくとも、宇宙移住よりも早く、地上で生存出来るようになるであろう。たとえ何千人乗

りの宇宙船で出かけても、隕石一つで全滅する可能性が髙い。脚下照顧という仏教用語がある。地に足をつけた思考が大切だと考える。

 今後、断片的になると思うが、野僧の地底大都市構想に関する事項を掲載したいと思っている。


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