今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

武器輸出三原則見直しは危険 !

2011-09-09 08:50:29 | 戦争と平和
 前原政調会長はいつ首相になったのであろうか。まるで自分の
個人的な考えが、すべて通るかのような独断行為である。野田政
権が発足して間もない今の時期に、武器輸出三原則を見直すとい
う結論を出す時間はなかったはずである。
政調会長とは、各種の政策を論議して方針を決定する機関の代表
である。政調会の内部ですら結論を出していないと思われる。

 武器輸出三原則とは、①共産圏諸国、②国連決議が輸出を禁止
した国、③国際紛争当事国には武器や技術を輸出しない、という
佐藤元首相の答弁をいう。さらに1976年に三木元首相は、上記の
国以外の国にも「武器の輸出を慎む」という見解を示した。事実
上、すべての武器と技術が輸出できなくなった。

 それが現在も続いているおかげで、諸外国やアラブ諸国などか
ら、日本は平和国家だと信頼を得ている最大の原因である。第一、
アラブ諸国から石油などを輸入できなければ、日本の経済はこれ
ほど発展しなかったであろう。もしも、その三原則を見直して武
器輸出国となると日本が表明すれば、日本に対する世界からの信
頼と信用を失うこととなるであろう。アメリカに行って大見得を
きる政調会長一人のために日本の存在を危うくするのは賢明とは
思えない。

 現在の世界状況は、いつ、何が起こるのか予測するのが困難な
時代である。特にアラブのアルカイダのような存在は危険極まり
ない。日本の中で自爆テロなどが起これば、大変なこととなる。

 日本が米国と信頼を深めるのに異論はない。しかし、日本とし
ての基本的な立場も守るべきである。かって小沢一郎氏は、国連
中心主義的な発言を繰り返したことがある。国際紛争が発生して、
日本の自衛隊が出動する場合、国連決議があることが、最低条件
だという主張のことである。たとえば、イラクがクエ-トに侵攻し
たことがある。その時、イラクを非難する国連決議がなされた。
この時は、自衛隊は派遣されなかったが、資金面で相当の負担を
日本はしている。当時は自民党政権だったが、右傾化していた議
員の多い自民党でさえ、慎重だったのである。

 ましてや民主党は慎重の上にも慎重を期さなければ、短命内閣
となるのではなかろうか。日本の安全と生命財産を守り、さらに
日本と直接関係のない国に自衛隊を派遣して、自衛隊員の生命を
危険にさらすべきではないと考える。米国との深化を図りつつ、
国連中心主義を守るべきではなかろうか。
 そのためにも、武器輸出三原則は現状通り、守るべきではなか
ろうか。







 
 
  

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