今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

宇宙移住はできない!

2018-10-26 23:05:11 | 幸福の追求

 「月旅行」が話題となっている。また「宇宙移住はできるか?」という特集を

NHKは放映した。いかにも宇宙移住が可能であるかのように報じられている。

本当に宇宙移住が可能なのか検証してみよう。

(1)可能となった場合、何人くらいを対象としているのか。4.5人か、何

万人なのか、不明である。映画「猿の惑星」のように4.5人での移住

であれば可能かも知れない。しかし、それとて何年も定住することは不

可能である。何万人、何十万人という規模での移住は絶対的に不可能で

ある。衣食住のすべてをその星で造ることはできないからである。菜っ

葉の一つや二つ造ったとしても、宇宙移住の条件を満たすものではない。

(2)衣食住の必要物資を地球から定期的に運び込むことを前提としているの

であれば、移住とは云わない。『火星の大地の穴の中で生活する』という

のは、原始的な発想でトンチンカンである。衣食住の必要物資をすべて

火星で造るというのが原則である。建設機材や重機などを地球から運ぶ

こと自体、不可能と云わざるをえない。

(3)月や火星の昼と夜の温度差は、人間が生存できないことを意味する。現

実離れした発想である。

(4)地球から火星までの飛行時間を短縮できる構想は可能であろう。しかし、

何万人乗りなのか判然としない。人数が増えれば、飛行時間も変わって

くるのではなかろうか。

(5)我々の住む太陽系宇宙の中で、人類などが生存できるのは地球だけである。

太陽と地球の距離関係、太陽と地球の大きさの関係など奇跡的な条件関係

の上で我々は生存できているのである。

(6)太陽系宇宙の属する我々の天の川銀河系宇宙には、人類に似た生物が生存

している太陽系宇宙が1000個あるとブッダは説いている。言葉を代え

れば地球のような星が1000個あるという意味である。天の川銀河系宇

宙には太陽のような星が1000億個あるとも科学は説いている。したが

って地球に似た兄弟星が1000個あっても不思議ではないだろう。宇宙

人が全宇宙には1兆いるともブッダは説いている。地球や人類は孤独では

ないと信じている。

(7)これまで地球人が宇宙人と云ってきたのは、前者の兄弟星のどこかから地

球に来たのであろう。野僧の計算では地球の隣の兄弟星まで、人工衛星で

約70年かかると計算している。往復で140年かかることなる。まして

や有人宇宙船の場合、もっと時間がかかることになる。すなわち人間が隣

の兄弟星に行くのは不可能だと思っている。

(8)ところが宇宙人研究家は、地球に来る宇宙人は人間に似たロボットだ、と

云っている。その理由は、米国のロズウェルに墜落した宇宙船にはトイレ

とキッチンがなかったからだと云う。恐らく、宇宙のエネルギーと太陽光

などで生命を保ち、宇宙船の燃料も同様ではなかろうか、と主張している。

それが本当であれば野僧の考えでは、そのロボットの内容は鉄とプラステ

ィックで造られたのではなくて、クローンのようにして造られた人間ロボ

ットではないかと推測している。

(9)時間がない。10月8日、IPCCは、2030年には平均気温が1.5度

平均気温が産業革命より上昇すると云っている。楽観主義の科学者は2度で

も人類は生きられる、と主張している。しかし、10月25日現在の台風

26号は秒速71mをサイパンなどで記録している。すでに人類が生きてい

ける限度を超えているかのような実情である。以前から云われているように、

台風の竜巻化にすでになっている。今後、台風などはさらに激化するものと

考えざるを得ない。マスコミはこのことを報道しないのは、公器としての義

務を放棄していると云われても仕方のないことであろう。マスコミは我々の

子孫を危険の中に突き落とす気なのでろうか。それは人類に対する一種の犯

罪行為だと云われても仕方ないのではなかろうか。

(10)人類に残された時間はそう長くはないと云わざるを得ないであろう。

もっと足を地につけた賢明な人類の延命策を模索してほしい。「あと300

年もすれば宇宙移住できるのではないか」という科学者の感覚が分からない。

地球上での延命策を真剣に考えてほしい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿