岡山市議会議員/おにきのぞみの虹色通信

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5月17日-1 5月臨時議会① 岡山市の浅田裁判控訴、残念ながら議会としては承認

2018-05-17 | 議会



 5月臨時議会でした。年度当初に行われるこの議会は、まず、市議会における説明者(管理職職員)の異動があった方の挨拶から始まります。皆さんにはこれからよろしくお願いします。いつも気になるのが女性比率ですが、72人中3人でした。4.2%とはまだまだ少なすぎます。
 
 5月臨時議会は例年は時間がかかりませんが、今回は、6時過ぎまでかかりました。市民ネットは、専決処分に承認を求める2つ、①浅田裁判(詳しくは下記)控訴、②道路の安全性を問う裁判についての控訴への承認に反対をしました。

 時間がかかった案件は、浅田裁判の控訴についてです。
 障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)は、65歳以上の障がい者に、障害福祉サービスから介護保険制度サービスに切りかえること、介護保険適用を優先することを規定しています。一方で厚労省は、利用者の実情に応じて柔軟に運用するよう自治体に求めています。
 障害福祉サービスを受けていた重度の障がい者の浅田さんが、65歳になったときに介護保険の申請をしないで、それまで受けていた障害福祉サービスの継続を求めたところ、岡山市が全面的に却下の「決定」をし、サービスゼロの状態にしました。ベッドから落ちたら起き上がることも、トイレに行くことも困難な浅田さんは、生きる権利を求めて、岡山市の「決定」取り消しを求める裁判を行いました。
 非課税世帯の浅田さんは無料でサービスを受けていましたが、介護保険に切りかわると、必要なサービスが受けられない恐れがある上に多額の費用負担(15,000円の負担。はじめは3~4万円と言われていた)がかかるということで、介護保険を躊躇し、これまで通りの障害福祉サービスを求めていたものです。
 岡山地裁は、経済上厳しい状況のなかで、障害福祉サービスを希望したことには理由があり、岡山市はその決定をした上で、介護保険への申請を勧めるべきであった。支援法の解釈・適用を誤った違憲なものとして、浅田さんの全面勝訴判決を行ったものです。
 厚労省が259自治体に行った調査では、65歳到達後も継続して支援法に基づく障害福祉サービスの利用申請があった場合、78自治体がそのサービスの支給を決めた上で引き続き介護保険の申請を呼びかけており、6自治体が利用申請を却下していました。
 また厚労省は、この4月から、一定の要件のもとで、介護保険サービスの利用者負担を償還する制度をつくり、これによると浅田さんには全額戻ってくることになります。浅田裁判が厚労省に制度変更を促したのだと私は思います。
 こうした状況のなかでの岡山市の控訴でした。地裁判決がおりるまで5年間。重度の障害をもちながらの裁判は厳しいものだったと思いますが、これからも裁判を強いることになります。
 自民党と創政会少数の賛成、公明党の棄権、市民ネット・共産党・大方の創政会の反対。まことに残念ながら賛成多数で承認されました。本会議、委員会、また各会派内での審議・協議が継続して行われ、午後6時過ぎまでかかりました。岡山市には、簡単には賛成にはなっていないことをしっかりと認識していただきたいです。

 市民ネットが不承認にした道路の安全性を問う裁判については、別途書きます。
 保健福祉委員会には、介護保健制度にまつわっての条例改正の専決処分承認案件もかかっており、ここ数日間は、これら議案への整理に頭と時間を費やしていました。
 委員会の休憩中に市役所1Fにおりると、市民ホールでは、バラ展が開催中でした。ほっと明るくなる風が心に舞い込みました。




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