即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

テレビ番組は離乳食

2013年01月26日 23時47分23秒 | メディア
今までに日本のテレビ番組のクオリティや制作の姿勢についてどんだけ苦言を呈してきたことだろうか。
メディアの先見性、独自性
劣化スパイラル
テレビへの期待 
責任を取る・その2
自分のことは棚に上げて
テレビの存在意義
マスコミの横暴
テレビ局の相互浸透
納豆問題
番組の価値
バレーボール中継のこと
スポーツ実況中継の今後
番組制作現場の本音
一番悪いのは
根本的な体質
番組を楽しむ

そんなにダメだと思うのなら、見なきゃいいじゃん、と言われてしまうと元も子もない。
しかし、番組の視聴者満足度は年々低下してるのは間違いない事実。
視聴率は低下し、新聞だけでなく、テレビ離れも起こっている、
生活や嗜好の多様化もあり、お茶の間で一家団欒でドリフを見てた時代は遠い昔の事だし、BSもCSも含め多チャンネル時代になったわけで、一概に自分の好みと違うからといっていちいちケチつけてるのもバカバカしい気もする。
しかし、政治家と同じで、地上波の番組の作り手側の意識はどうも昔と全く変わってないように思うし、彼らの危機感が全くないことにあきれ返る日々がずっと続いている。

そんなことをしっかり印象的に書いているブログを見つけたので紹介します。
杏野はるなオフィシャルブログといういわゆるアイドルタレントのブログです。
『ダイオウイカ×日本の地上波×レベル』とその続編たくさんのご意見ありがとうございました×地上波のレベルを例えると?

一部引用させてもらいます。
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例えば、動物番組の世界最高峰は確実に、ナショナルジオグラフィック、アニマルプラネットですが、日本の動物番組はタレントが出てきてキャーキャー言っている。
こういう場合、本当にタレントってそこに必要? 動物を映したいの? タレントを映したいの? って思う。動物をフィルターにしてタレントを売りたい?
ナショナルジオグラフィックやディスカバリーチャンネルはタレントなんて出ない。いても進行役が一人。そしてその分、息を飲むくらい美しい映像とシンプルなナレーションのみ。
これで伝わる。十分に。

バラエティーはバラエティーでタレントがたくさん出てワイワイやれば楽しいと思う。私もめちゃイケさんとか大好き。ですが、日本はドキュメンタリーとバラエティの差がなさすぎる。

局もスポンサーも目先の視聴率でなく、もっと長い目での『作品』作りを考えて欲しい。
世界に誇れるコンテンツを。

そこにそのタレントが本当に必要?
そこにそのワイプが必要?
そのセット本当に必要?
--------------------------------------------(引用終わり)

ドキュメンタリーもスポーツも、いや、報道も政治も何もかもがバラエティ。
全面的ワイドショー化。

ドキュメンタリーだろうがスポーツだろうが、その本質的な醍醐味を追及してほしいわけだけど、本格的にやると視聴者がついてこられない、楽しめない、従って視聴率が取れない、ということでタレントを起用して、わかりやすく、親切さや親しみやすさを追いかけてしまっている。
難しくて楽しめないと勝手に思い込んで人を甘く見てバカにしてるその姿勢。

さらに杏野はるなさんはこう続けました。
(ここから再び引用↓)
----------------------------------------------------
そして私が思ったのは、
今の地上波テレビって何かに似ているな? って。ピンと頭に出てきたのは

「離乳食」でした。

そう、赤ちゃんが食べる食事です。
もちろん赤ちゃん用に限界まで食べやすくしています。

でも、それは赤ちゃん用の食べ物で、大人が食べるものではありません(食べても構いませんが)
つまり、今の日本のテレビは、これでもか! っていうくらい視聴者に親切なのです。
もうわかったよ、というものもわざわざ物撮りしてテロップ、ナレーションまで入れる。コマーシャル開けに、また数分戻ったような内容をくり返す。実に、赤ちゃん仕様なのです。

離乳食と言うのは言い換えれば、乳離れさせる為の食品です。
いつまでも柔らかいものを食べていては成長が遅れてしまう。
テレビにも同じとが言えます。いつまでもこんなに甘い子供向けの内容ばかりやっていては視聴者のレベルも上がりません。
-----------------------------------------(引用終わり)
僕らのことを勝手に赤ちゃんだと思ってる。決めつけている。
赤ちゃん言葉を使って必要以上の赤ちゃんグッズを駆使しておもねってあやしてばかりいる怪しい奴ら。

ドキュメンタリーだろうが、スポーツだろうが、報道番組だろうが、タレントがはしゃぎまくって賑やかなバラエティー風に伝える。
大きなテロップ入れたり、何度も同じシーンを繰り返したり、スタジオの歓声を入れたり、というお約束の辟易するような赤ちゃん向け演出。
それがテレビの正義であり、視聴率も取れる最善手だと信じ込んでいる。
もちろんどんな番組であれ、飽きさせないよう、よりわかりやすいように、構成とか演出とか考える必要はあると思うけど、何でもかんでも同じ仕様に仕立てあげてしまう●●の一つ覚えのような手法はいい加減やめたらいいと思う。
赤ちゃんが見る番組もあっていいけど、高校生とか、サラリーマンとか、大人のいろんな人が見て、いい番組だと思える色とりどりのコンテンツを提供できないのだろうか。
万人に見てほしいとは思わず、きっちりしっかり割り切って、こういう人だけに見てほしいと、際立ったターゲットを見据えて番組を作ってほしいと思う。
すべての食べ物の味を甘くして食べやすく、というのでなく、食べ物によって、相手によって、スパイスが効いてたり、こくがあったり、フルーティーだったりと、料理のバリエーションも含めプロの味わいを提供してほしいと心から期待してやみません。

はるなさんが指摘しているように、欧米と比べて日本人がいつまでの精神的自立ができないでいる一因もここにあるような気もするし、テレビを含めたマスメディアこそが今までの流れから乳離れして、この国を責任もって引っ張っていく自覚や気概を持ってほしいと願っています。
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見損なったAKB48 (篤紀)
2013-02-01 11:26:49
今をときめくAKB48なのだが、とてもがっかりさせられる映像を見てしまった。

メンバーの一人の女の子が、丸刈りにした頭でビデオに登場し、涙ながらに謝罪するというビデオであり、これがYouTubeのAKB48の公式チャンネルに掲載されている。

不愉快だし、多くの人に見せるべき映像とは全く思わない。

要は禁止されている男女交際をして週刊誌に報じられ、処分を受けるというのに対し、謝罪するという趣旨なのだが、YouTubeの公式チャンネルに彼女が独断でビデオを公開することができるはずもなく、AKB48としてこの映像を晒し者にしていると評価できる。

見てまず思ったことは、この子、何歳くらいなのか知らないけど、高校生という訳じゃあるまいに、こうまでしてAKB48にしがみつかなきゃならないのかね、ということだったが、それはともかく、このビデオで見られることはセクハラ、パワハラ、いじめ、リンチ、そして体罰と呼ぶべき行為だ。

例えてみれば、小学生とか中学生とかが、仲間内で気に入らない逸脱行動(仲間内のルール違反も含む)をしたメンバーに対して、制裁だといって性的に屈辱的な格好をさせて謝らさせ、それをビデオにとってネットにアップするという、いわゆるサイバーブーリングと全く同じである。

制裁を加える側は、本人がそうしたいといったんだ、本人が望んでしたことだと言うだろう。そうしたいと言わざるを得ない状況に追い込んでいることは棚に上げて、自分で選んだことだ、強制はしていないというだろう。
加えて許してほしい方は、自分から望んでしたことだ、誠意を見せたんだと言うだろう。しかしそれはグループに残りたい一心であり、そう言わざるを得ない状況にあるからである。

経済的な理由で、あるいは社会的な名誉や信用などの理由で、不利益を課せられるおそれがあるときに、それを回避したい側が謝罪して許しを乞うという状況は、謝罪する側が圧倒的劣位にあり、謝罪させる側が優位にある。そのような状況下で、謝罪する側が普通ならやりたくない性的行為を強いられるのをセクハラといい、謝罪する側が普通なら我慢できない屈辱を耐えさせられるのをパワハラという。集団内で劣位にある者に望まない行為を強いるのをいじめという。肉体的に傷つけるのを体罰という。普通の女の子にとって、丸刈りにして謝罪するシーンをビデオにとってYouTubeで公開するということは、上記のような力関係にある中では文字通り強制されてやっていることだ。

ちなみに小中学生はそこまで悪知恵が発達していない。というよりも、小中学生は悪いことだという認識が足りないから、本人の同意を盾にとろうとしない。先生がいじめはいけないことだ、こういう仕打ちはいじめだと具体的に指導して悪いことを認識した子どもたちは、初めて本人が同意したんだ、いや本人がやりたいといったんだと言い出す。本人の同意をエクスキューズにするのは、これが理不尽な仕打ちだということを重々承知している証左でもある。

AKB48は直ちにビデオを削除し、このような行為を本人にさせてしまったことを逆に謝罪すべきである。

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