即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

羽生さんの力、羽生世代の力

2014年05月22日 22時10分32秒 | 将棋
今期の名人戦について、下記のように書いてきましたが、本当に壮絶な戦いを見せてもらいました。
覇権を賭けた、己の人格を賭けた将棋の醍醐味満載の番勝負でした。

絶対に負けられない戦い
名人戦第一局
名人戦第三局
待ってました、羽生名人!

今朝の朝日の記事です。
羽生「四冠」、独走態勢へ 将棋名人戦七番勝負・第4局2日目
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 将棋界の先頭を走り続けてきた羽生善治三冠(43)が三たび、名人に返り咲いた。3度の名人復位は史上初。圧巻の4連勝で、3年連続で敗れていたライバル・森内俊之名人(43)からトップの座を奪い返した。40代になって初めて四冠に復帰し、独走態勢に入ろうとしている。

 「自分なりに今までと違う将棋を指そうと思って臨んだ。毎局変化の多い将棋で、苦心した。勝因はよく分からない。終わったばかりなので実感もまだない」

 羽生は険しい表情を崩さずシリーズを振り返った。

 一度タイトルを失った者が再び栄冠をつかむのは難しい。しかも名人戦は、トップ10人が総当たりで戦うA級順位戦で優勝しなければ挑戦できない。中原誠十六世名人(66)や谷川浩司九段(52)、森内が2度復位したが、三たび復位を果たした棋士はいなかった。

 「羽生さんの名人位に対する強い思いを感じた」。第3局の副立会人で羽生、森内と同期生の豊川孝弘七段(47)は振り返る。

 羽生が初めて名人を奪取してからちょうど20年。この間、羽生は14回出場して8回、名人になった。

 森内が初めて羽生を破って名人になったのは2004年。以後10年で7回名人位を獲得。しかも昨年は竜王を合わせ二冠となり、さらに充実していた。

 今期開幕前、羽生は森内に1勝4敗と完敗した昨年の結果について自ら触れ、「今年は盛り上がるように私自身が頑張らなくてはいけない。気持ちを新たに臨む」と決意を語っていた。

 「3年連続苦杯をなめてきた。当然今期にかける思いは強かったのだろう。かなり気合が入っていた」。羽生、森内と同世代で、第4局の立会人を務めた佐藤康光九段(44)は話す。今期、羽生は激しい変化もいとわず、早い段階から厳しく踏み込む積極的な姿勢を貫き、勝利をつかんだ。

 これで羽生は4年ぶりの四冠に復帰。森内、渡辺明二冠(30)と分け合うタイトル数は羽生4、渡辺2、森内1と差が広がった。「羽生さんの独走を許さないためにも、私を含む他の棋士たちは正念場を迎えた」と渡辺二冠は言う。

 「羽生時代」の再来を強烈に印象づける新名人の誕生劇だった。
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この記事の中の渡辺明二冠の言葉。
「羽生さんの独走を許さないためにも、私を含む他の棋士たちは正念場を迎えた」
圧倒的な強さを見せて四冠になり、すっかり独走イメージですね。
羽生さん対他の棋士の構図。
うーん、正念場ですか。

昨日のNHKのNEWS WEBでも中村太地キャスターも同じようなことを言っていたけど、羽生さんの行方を他の棋士たちはどのように阻んでいくのだろうか?

特に伸び盛りの若手棋士たちはこの羽生さんの将棋、戦いぶりを見て、何を感じ、これからどう戦いを挑んでいくのでしょうか?

昨日の記事で書いた《羽生さんと多く指す人ほどどんどん強くなるって図式》の話。
羽生世代の強さを見ても本当にそう思えてしまう。
あんな凄まじい戦いを経験したら、負けた森内さんだってきっと強くなってるに決まってる。
羽生さんと何度も大きな舞台で戦ったことそのものが財産になる。
そのことに勝る将棋の上達法はない。

羽生さんがこれからも強くなり続けていくのであれば、昔からの仲間の羽生世代も同じように強くなっていくのでしょうし、そうであれば、いつ、誰が、どうその厚い壁を打ち破って天下を取る日がくるのでしょうか?

本当にそうであれば、どんどん二極分化が進んでいくはず。
羽生さんと戦えない、羽生さんと同じ空気を吸えない棋士たちはどんどん沈んでいき、羽生さんとあいまみえる棋士たちはどんどん進化していく。
羽生さんとの対局そのものが大きな価値。

その経験値が血となり肉となり、年齢に関係なく、ますます将棋が好きになり、将棋の深さにはまっていくのでしょう。

そうなるとやはり大きな経験値を持つ羽生世代が年齢など関係なく若手など置いてけぼりにしてどんどん強くなっていっちゃうのではないのでしょうか?

羽生世代の記事はたくさん書いてますが、<まわるまわるよ時代はまわる>という記事の中で、羽生世代とタイトル戦の関係を取り上げてます。
下記、羽生世代は赤字です。

2011年度
名人戦 羽生名人  森内挑戦者
棋聖戦 羽生棋聖  深浦挑戦者
王位戦 広瀬王位  羽生挑戦者
王座戦 羽生王座  渡辺挑戦者
竜王戦 渡辺竜王  丸山挑戦者
王将戦 久保王将  佐藤挑戦者
棋王戦 久保棋王  郷田挑戦者

2012年度
名人戦 森内名人  羽生挑戦者
棋聖戦 羽生棋聖  中村挑戦者
王位戦 羽生王位  藤井挑戦者
王座戦 渡辺王座  羽生挑戦者
竜王戦 渡辺竜王  丸山挑戦者
王将戦 佐藤王将  渡辺挑戦者
棋王戦 郷田棋王  渡辺挑戦者

2013年度
名人戦 森内名人  羽生挑戦者
棋聖戦 羽生棋聖  渡辺挑戦者
王位戦 羽生王位  行方挑戦者
王座戦 羽生王座  中村挑戦者
竜王戦 渡辺竜王  森内挑戦者
王将戦 渡辺王将  羽生挑戦者
棋王戦 渡辺棋王  三浦挑戦者

2014年度
名人戦 森内名人  羽生挑戦者
棋聖戦 羽生棋聖  森内挑戦者
王位戦 羽生王位  ?挑戦者
王座戦 羽生王座  ?挑戦者
竜王戦 森内竜王  ?挑戦者

なんというこの羽生世代登場比率!!
今年の棋王戦で羽生世代連続出場記録が途絶えたけど、すごい活躍ぶりじゃないですか。
ほぼ四年の間で、羽生世代なしのタイトル戦はたったの1回!しかないってことですよ。
今度の王将戦以降だってまだまだ続いていく可能性がある、
強力な羽生世代が6人ほどいるのだろうけど、普通はありえない状況としか言えないです。
昨日の記事で取り上げた過去の名人の名前を見ても21年のうちの20年は羽生世代で占めている。
40代の中盤に差し掛かろうとしてる羽生世代が束になってこれだけ頑張っていると言うのに、他の世代、若い棋士たちはどうしちゃったんだ、と誰が見ても思える状況です。
わかっていてもどうにもならない状況なのだろうけど、もっともっと頑張ってほしいです。

さて、上記の記事で、今回の羽生さんについての豊川七段、佐藤九段の言葉があります。

「羽生さんの名人位に対する強い思いを感じた」

「羽生は激しい変化もいとわず、早い段階から厳しく踏み込む積極的な姿勢を貫き、勝利をつかんだ。」

本当にそうでしたね。
先週の将棋フォーカス、そして昨日のBSにも出てましたが、横浜Fマリノスの波戸康広さんが出ていて、サッカーと将棋の関係性についてしゃべってました。

話は一気に変わるけど、目の前に迫ったブラジルワールドカップ。

ザックジャパンの戦い方の基本もこれですね。
絶対に負けないと言う強い思いと、積極的に攻めの姿勢を貫くこと。

羽生さんを見習って、ぜひ頑張ってほしいです
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2 コメント

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棋神 羽生善治! (Jiro)
2014-05-22 22:48:45
棋神は、前人未到の永世七冠王、そしてタイトル獲得数
100期に向けて驀進する!

ドワンゴの川上会長。。。どうか1億円争奪3番勝負を企画して、羽生VSPonanzaを実現してください!

究極の、棋神人VSコンピューターの戦いが見たい!!!
返信する
羽生VSPonanza戦 (nanapon)
2014-05-28 13:51:12
Jiroさん、こんにちは。

>棋神は、前人未到の永世七冠王、そしてタイトル獲得数100期に向けて驀進する!

本当にそのモードに入ってますよね。

>ドワンゴの川上会長。。。どうか1億円争奪3番勝負を企画して、羽生VSPonanzaを実現してください!
究極の、棋神人VSコンピューターの戦いが見たい!!!

そうですか。Jiroさんみたいな方も多いのでしょうけど、僕は見たくないです。来年やればもしかしたら勝てるかもしれないけど、3年後だったら絶対に無理だと思います。勝ち負けではないかもしれないけど、やっぱり羽生さんがボコボコにされるところは見たくないですよ。

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