即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

羽生二冠、王位獲得で三冠へ、そして、通算80期に

2011年09月15日 00時22分00秒 | 将棋
強いです。さすがです。
渡辺竜王よりもさらに若い広瀬王位をフルセットの末に下して、ついにタイトル80期という呆然とするような大偉業を達成しました。
渡辺竜王も、想像を絶すると言っていますが、まだまだ全然行けそうですから、無人の荒野を一人行くという形になるのでしょう。

羽生、通算タイトル獲得数歴代1位タイに

100期も夢ではないとまわりは騒ぎ立てています。

「100期も夢ではない」羽生の強さの秘密
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羽生善治棋聖・王座(40)が13日の第52期王位戦で、タイトル獲得通算80期の歴代タイ記録を達成した。単独で最多だった大山康晴十五世名人(故人)が、80期を獲得したのは59歳の時。27日で41歳となる羽生三冠に、周囲からは「100期も夢ではない」と期待がかかる。
 終局後、会見した羽生三冠はほっとした表情を浮かべ、「20代の若手が台頭し、1局勝つのが非常に大変だな、としみじみ感じます」と本音をチラリ。今後の目標を聞かれると、「棋士生活は長い。過去のことはこだわらずにやっていきたい」と気を引き締めた。
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羽生新王位の強さについてはいろいろな見方があります。

下記、棋士のコメントです。

勝又六段「独特の大局観と構想力が特に優れている」

谷川九段「気持ちの切り替えの早さがずぬけている」

ここで、田坂広志さんのメルマガより。
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この一瞬の重み

 将棋の羽生善治棋士が、
 ある対談で、次のように述べています。

  いまでは、パソコンを使って、
  簡単に棋譜研究をすることができます。
  しかし、興味ある局面は、
  実際に駒を使って、盤に並べてゆっくり考えます。

  駒を盤に並べて見るのは、
  パソコンだと、
  クリックするだけで次々と進んでいきますから、
  次を早く見たいという気持ちで駒を進めてしまって、
  その一手の重みを実感できないからです。

  パソコンで棋譜の研究をしていると、
  どうしても、この先を早く見たいと思ってしまって、
  自分で考えることをしなくなるのです。

 この羽生棋士の言葉は、
 決して将棋の世界だけを語っている言葉ではありません。

 いま、この世の中には、
 「この先を早く見たい」という願望が、
 溢れています。

 そして、その願望のために、
 我々は、
 大切なことを忘れてしまうのです。

 「この先を早く見たい」と思うあまり、

 「この一瞬の重み」を忘れてしまうのです。
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早く先を見たいと焦る気持ち。はやる思い。
それを絶ち、日々できることを淡々と積み上げていく。

「私自身は研究、勉強をしながら、個性もプラスして出していければいい」

「記録を目標とするのではなく、一生懸命やって、結果としていろいろな記録にたどり着けたらいいというスタンスでいます」

こういう自然で柔らかなメンタル、見習いたいものです。

先を早く見たい気持ちがどんどん余計なことを考えて力が入る。
わかってはいるけど、凡人には難しいのですよね。
16番ホールを終わって、いい調子で来てるから、あと、ボギーペースでいけば、目標スコアを出せる、なんて考えた途端に大たたきする。

準備という意味ではもちろん先のことをいろいろ読んで備えていかなければならないけど、そこで考えなくてもいいことまでついつい考えてしまうのが我々の常。

どちらにしても、羽生三冠の今後の活躍や言動は、単にファンだからというだけでなく、いろいろな意味で我々に大きな影響や刺激を与えてくれる。
81期の新記録に向け、そして前人未到の100期という大記録に向け、羽生三冠の進んでいく道は皆が注目しています。

さて、王位復位、そして通算80期のタイトル獲得を記念して、かねてから暖めている企画、そろそろどうでしょうか?

伊藤園とタイアップして、王位お茶、というラベルの限定品を作るという企画です。
その続編・具体案もあります。

王位就位式の記念品としても、羽生王位の揮毫した特別限定ラベルの《王位お茶》、いいと思います。(伊藤園さん、よろしく!)

羽生新王位、本当におめでとうございます。

目先の一局一局に真摯に立ち向かうことが、81期、82期と前代未聞の記録につながっていくよう、一歩一歩日々着実に前進、進化していってください。
そして、さらなる将棋の面白さや醍醐味を作り続けていってください。
心から期待しています。
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5 コメント

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いつも面白い記事、感謝! (JIRO)
2011-09-15 01:53:52
ホント、羽生さんはスゴイですね!
風貌、立ち振る舞いからも、独特の柔らかさのある方だと思います。

これは、どうしても100期に到達してもらいたいですネ。。。一ファンとしての願望でもあります!!

人間の深さ… (Dancho)
2011-09-15 07:54:23
nanaponさん、おはようございます。

完全に残暑バテです…。こういうときは焦らずにしっかり休みます。

この対局は、深入りしないつもりだったのですが、見ていました。

▲3七角に対して、△5五歩で角道を止めるのかな?と思ったら、「後手不満」といわれていた△9二飛と逃げて、その後数手で△6九飛と打ち下ろし、△9九飛成で香車を拾って、△4一香と打って、感動的だった74手目△4三香で、「パンチが入ってしまったな…」と。この一連の流れは「物凄い強さ」を感じました。

最近、渡辺竜王と比較すると、「人間の深さ」という面で、羽生三冠との「違い」を感じます。この一連の流れも、その「深さ」が成せた業かもしれないな…というのが私の感想でした。

100期を目指せ…とは言いません。
いつもの羽生さんであって欲しい…。

そう思う今日この頃です。
金言 (鰻屋)
2011-09-15 09:34:47
これから先は全てが未開の境地になる羽生三冠に、改めて敬意を表し、次の詩を捧げたいと思います。


この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。
危ぶめば道はなし。
踏み出せばその一足が道となり、
その一足が道となる。
迷わず行けよ。行けばわかるさ。

by アントニオ猪木


Unknown (くっち~)
2011-09-15 18:10:45
ニュース7で取り上げるぐらいの偉業、と、いうか羽生三冠以外なら、ニュースにもならないでしょう。

むしろスゴイのは馬と飛車を交換したところですね、広瀬王位は馬を逃がすと思ってたのではないでしょうか。

大山十五世名人をぶち抜いてタイトル100期までゆくでしょうが、名人、竜王の二枚看板でには遠いのですよ。どちらもその棋戦に特化した棋士がいますから。

>業務連絡です
Danchoさん、メール、届いてますか。
コメント、ありがとうございました。 (nanapon)
2011-09-23 16:14:06
★JIROさん、こんにちは。

>ホント、羽生さんはスゴイですね!
風貌、立ち振る舞いからも、独特の柔らかさのある方だと思います。

はい、若手がどんどん伸びてきている中で、羽生さんの闘い方はその風貌や言動も含め、ますます魅力的に思えています。
ますます意欲的に面白い将棋を見せてくれるものと確信しています。

★Danchoさん、こんにちは。

>最近、渡辺竜王と比較すると、「人間の深さ」という面で、羽生三冠との「違い」を感じます。この一連の流れも、その「深さ」が成せた業かもしれないな…というのが私の感想でした。

人間の深さと言うか魅力の点では、もうすっかり魅了されています。これから将棋や生き方について、羽生さんがどう考えていくのか、勝ち負けよりも注目していきたいです。

>100期を目指せ…とは言いません。
いつもの羽生さんであって欲しい…。

はい、ますます羽生さんらしくなっていくのだと思います。楽しみです。

★鰻屋さん、こんにちは。
先日はそちらで取り上げていただきありがとうございました。

>これから先は全てが未開の境地になる羽生三冠に、改めて敬意を表し、次の詩を捧げたいと思います。

いい詩ですね。わざわざありがとうございます。
未開の地を颯爽とまた泥臭く切り開いていき羽生さん、かっこいいです。
それはそうと、順位戦5連敗の方もぜひ巻き返してほしいと思います。

★くっち~さん、こんにちは。

>ニュース7で取り上げるぐらいの偉業、と、いうか羽生三冠以外なら、ニュースにもならないでしょう。

そうみたいですね。
羽生さんならではのちょっとしたフィーバーですね。

>大山十五世名人をぶち抜いてタイトル100期までゆくでしょうが、名人、竜王の二枚看板でには遠いのですよ。どちらもその棋戦に特化した棋士がいますから。

100期はまだまだなので、まずは永世七冠ではないでしょうか。
歳はとってしまうのは仕方ないけど、それを逆に生かしてまた新たな強さを見せてほしいと思っています。

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