波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

特別版/ 腹ペコ家とコラム(後)

2015年03月21日 | 【保管】腹ペコ日記

  腹ペコ家とコラム(後)

(前回から続く)ここに居候させてもらう中で、腹ペコ家でちょっと話題になったのが波風先生の「信頼の秋」(2014年9月24日)だ。豆が食べごろになるまでちゃんと残しておく鹿に、「本当の食いしん坊とは我慢もできるのか」と感心した…というのは我慢のきかない食いしん坊な腹ペコ家ならではの正直な感想だった。それはそれとして、豆が切り取られても「隣近所に怪しい人はいない」と話していた波風家。「人間信頼の秋をかみしめるって素敵な言葉だなぁ」と思ったのだった。

・・・

 凡師さんと波風先生は、腹ペコにとっては先輩であるため、ときどき書かれている内容が理解できないこともある。経験しないとわからないこと、今の自分ではわからないことはたくさんあると思いながら、たぶんこういうことなのかなぁと思いつつ、わかった気にならないことも大事だと自分を戒めつつ、ここに居候させてもらっている次第である。 (完)


 枝豆は「もっと大きくなるはず」と思って我慢した波風夫婦、今が食べ頃と自然の摂理に従った鹿、どちらが欲張りかは歴然(笑)

コメント

小さな鉄橋

2015年03月21日 | 図工・調理

 家の近くの陸橋で2枚描く。もう1枚はスキー場。この鉄橋に停車場みたいなのも見える。ずうっと前から気になっていたのをやっと写し取った感じ。向こうの風車の白と鉄橋の緑が春めいて見える。この街の冬の空の色が好きだから、春の景色にそれを描いた。夏は雑草に囲まれて印象に薄い小さな鉄橋が、雪の中にあるとしみじみとしてくる。温かいように見え未だ手のかじかむ3月。流れているはずの冷たい水は見えず音も聞こえない。


今日のカテゴリーを「図工・調理」にしたら表示しない。非表示にしていた。全部は無理だがそれらしいのを選んで入れてみた 極めて馬鹿な「八紘一宇」国会発言、本物の無知な馬鹿だったとは。世界史的に大馬鹿者大統領の核使用発言に「為政者たる者…原爆投下で戦争が終結したように、高邁な精神をもって(残忍な手段を)しなければ」と某新聞主張…いやはや。

コメント

「とこしえのお嬢さん」(野見山暁治著)を読む

2015年03月19日 | 読書

 「とこしえのお嬢さん 記憶の中の人」(野見山暁治著:平凡社)の帯のキャッチフレーズ「長く生きるというのは悪くない」、94歳の著者が関わった21人を綴る宝石のような記憶の物語。これ編集者の上手な売り言葉だが、読後感は少し違う。今までも好んで何冊か読んできたかが、惹かれるのは、言葉にできないものを絵にする人が、言葉を使って人間をズバリと表現していること。
                   ・ ・ ・
 著者の意味不明な絵に対し、人間世界への「底知れぬ」眼力と描写力に圧倒される。言葉はこう使うんだ。自分の弱さにも躊躇せず踏み込み当方がたじろぐ。人間の儚さ愛しさ悲しさをこんなふうに言葉で表現できるんだ。
    長く生きたから書けるというものじゃない。世間的に功成り遂げた方は、いつしか自分の弱さを忘れ(忘れたふりだったり、実際に忘れたり)、祭り上げられているうちに「役職病」に罹患し、「我こそは」を並べたがるもの。そのことを著者がどう考えているのかもそ想像できる。著者、今年度文化勲章受章。「ただそれだけの夜」(三岸節子)、「ある弔文」(竹富京子)、そして題名が心に沁みる。


 筆入れ見当たらず家中探し回り鬱々とした1週間。再訪した家で見つけたが「波風さんのだったのかい」なんて惚けたことを言う。側にもう一つ筆入れの忘れ物。これは70歳のあの方のだな  誕生日占いで「失せ物」発見の糸口さぐる。性格と金運と恋愛運が面白い。「俺って、そうかもな…」、単純なのである。そして「なんでこんなの見てるんだったかな?」なんて反省する。

コメント

「本は友だち」(池内紀著)を読む

2015年03月17日 | 読書

  本好きにはたまらない。「ちゃぶ台」「サル」から「加藤周一」「日本国憲法」「漱石の長襦袢」など、時代とジャンルを自由に飛び交い「へーっ」連発の本を次ぎ次ぎに繰り出し53篇のエッセー。表現もたまらない。難解なのを門外漢に「読んでみたいなあ」と思わせてしまう文章。最良の素材を名人の調理で極上の料理に、という感じ。読書のすすめは上から目線になりやすいがそんな嫌みが無い。この、終始快適で唸ったのが「本は友だち」(池内紀著:みすず書房)。作者は、ドイツ文学者でエッセイストとして高名らしい。昔1冊読んだような…その時も「へーっ」のはず。
                  ・ ・ ・
 「老いた馬が回想録を書いた。ながらく生きてきたのだもの、いろいろ書くことがある。牧場を跳ねまわっていた子馬のころ、長い脚をのばして…、走れなくなってからは荷車をひいた。思い出したくないことも少しある。…終わりの頁に予告編をつけた。いずれ天馬になって大空を走ったときの報告。-乞うご期待」(表紙の言葉)なんてある。「えっ!」と思った。この言葉は、筆者が作ったカレンダー「動物ものがたり」(絵も描くんだ!)にある言葉なのだ。各章扉の洒落たイラストも描いていたとは。優れた料理人は器まで作ってしまうのだ。


 「波風文庫」を作ってからブログで本の紹介が減った。その分、同好の士と語らう機会も減りつまらなくなった。久しぶりのカテゴリー分類「読書」              

コメント

特別版2/ 波風さんを語ってみる

2015年03月15日 | 【保管】一寸凡師コラム

  凡師の印象深い波風ブログを一つ選ぶとすれば「高く手を振る闇」(2012.1.21)だ。

  立男さんとママヨさんの距離感は絶妙。まさにいい塩梅の「波風うどん」。この絶妙な塩加減を提供してくれるのは立男さん。でも、調理しているのはママヨさんのような…。「まな板の上の鯉」というよりは、水槽の中を自由自在に泳ぐ魚「立男さん」を、外で網を持って待ち構えている料理人「ママヨさん」という感じ。立男さんの泳いでいる水槽は海ほどの大きさを持つが、ママヨさんの網はそれほど大きくない。それでも、立男さんがどこでヒョコッと顔を出そうとも、その場所でママヨさんは網を片手に読書をしている。そして一言「あらっ、もうあがるんですか?」  そんな素敵なお二人。


本ブログの座付きコラムニスト「一寸凡師さん」と「腹ペコさん」に、200回(約3年半)と40回(約10ヶ月)の大台を毎週一度も休まずUPしていただいた。これは凄いことだと思う。それを記念し特別版(各全3回)でおおくりしています。ロゴもちょっとだけ特別版。2人には前回は「自分を語って下さい」、今回は「自分以外の2人を」とお願いしていた。

 

コメント