映画「グラントリノ」が公開されたときの映画評の1つに・・・。
「晩年のダーティーハリーこと、ハリー・キャラハンを
思わせるような印象を受けた」というものがあった。
第二次世界大戦後、ベトナムなどを植民地化していたフランスと、
ベトナム(ホーチミン勢力)とで戦争があり。
その後、共産主義勢力の拡大を怖れたアメリカとのベトナム戦争となる。
「町〇智浩のアメリカの今を知るTV」Vol.161では、
このベトナム戦争の犠牲となり、
ベトナム戦争後、30万人にも及ぶ、モン族が難民申請され、
アメリカにやってきたことが取材されているシーンがある。
映画「グラントリノ」では、このモン族と思われるアジア系の移民たちと、
イーストウッド演じる退役軍人との物語になる。
アメリカ、ミネソタ州の州都セントポールには、
モン族のコミュニティがある
モン族(Hmong)とは、
ベトナム、ラオス、タイなどの山岳地帯に住む少数民族。
中国のミャオ族の一支族。
ある映画評論によれば(〇山智浩のだけど…)、イーストウッドは、
「ダーティーハリー」のような(神の代理人のような)処刑人的な役と、
「トゥルークライム」で演じたダメ人間のような役を使い分けており。
グラントリノは、ダーティハリーのような処刑人のキャラクターではなく、
むしろダメ男の役どころになっている。
…では、先ほどの映画評、
「晩年のダーティーハリーこと、ハリー・キャラハンを、
思わせるような印象を受けた」は間違いかと言えば、それも違う。
これ以上は、終盤のストーリー展開にも関わるので、
野暮なネタ晴らしはやめておくかな。
(映画未視聴な方もおられるだろうし、ね。)
今週の番組表に、この映画「グラントリノ」があり、
また楽しみなところです。

蛇足:
「ランボー」や「地獄の黙示録」などの映画は嫌いではないけど。
それらは、アメリカ人の視点で描かれたベトナム戦争でしかなく。
戦争の被害者は、“誰だったのか?”は、ちゃんと描写されていない。
戦争の傷跡が、それだけ大きかったのだと言えるけど。
このベトナム戦争は、ライダイハン問題なども引き起こしており。
戦争は、多くの国々や人々の潜在的な問題と思惑を引き起こし、
より被害者を増大させていくものだと考えられるようになったのは、
この映画を見てから、10年近く経ってからなのは、
我ながら、なさけないところです。