見張っています。
なにを……
石の階段の路地があります。
近所の猫が、たぶん、ここら一帯の主だと思われる、白猫がしょっちゅう通るのです。
ついでに、うちの庭も通っていきます。
それが気に入らないようで、パリは玄関から出ると、塀に上り、このように見張っているのです。
見つけると、威嚇して唸るのですが、まったく無視されています。
というのも、その白猫、躯の大きさはパリの倍くらいある猫です。
一度など、門扉を挟んで対面しました。
パリは、シャー! と唸っているのですが、大きな白猫は興味深そうに見ているだけです。
ついに頭にきたのか、パリが鉄柵の間から猫パンチを食らわせると、初めてビックリした顔を見せました。
だが、それだけ、サッと行ってしまいました。
相手にならないようです。
それでも、今日も、パリは見張っているのです。