[小沢さんに引き回される高速道路問題]
高速道路料金値上げの報道が各社のweb版で報道されていますが、その内の朝日は、高速料金「むしろ値上げに」前原国交相、新料金で言及で次のように報じています。
前原誠司国土交通相は5日の閣議後の会見で、6月にも導入する高速道路の新料金について「値上げになる」との見通しを示した。割引に振り向けられるはずだった財源の一部を高速道の拡幅や建設に回すため、割引幅が現行より小さくなり、実質値上げになるとみられる。具体的な新料金は明らかにしなかった。
前原国交相は、現在実施中の「休日上限1千円」などの割引に代わり、車種別に上限料金を設ける新たな料金制度を導入する方針を示していた。会見では「自民党政権よりもさらに財源を使っての割引はトータルとしては考えていない。むしろ値上げになると思う」と述べ、初めて値上げに言及した。
国交省は、10年間分の料金値下げを主な使途とする財源約3兆円の一部を、道路建設にも回すことができる法改正案を、今国会に提出する予定だ。
産経新聞はこの政策について、
・民主党の小沢一郎幹事長が昨年末、政府に提出した予算重点要望を踏まえた。
・自公政権は「休日上限1千円」などの高速料金割引やETC専用の簡易型インターチェンジ整備の財源として、平成21年度から10年間で総額3兆円を計画していた。民主党政権は割引見直しで余る分について、道路建設のほかインターチェンジやジャンクション、サービスエリアなどの整備、車線増設にも使えるように法改正する。
と解説しています。
この報道の前日にテレ朝の「報道ステーション」では古館さんが(でさえ)、3兆円の財源は自公政権で既に計上していたものであること。
小沢さんの選挙戦略で参院選前にこの3兆円を当てて、地方に道路建設を約束しようととしたもので、明らかに利益誘導だと珍しく鳩山政権のことを激しく非難していました。 (確かに3兆円の出所から考えると(勘繰れば参院選前という)一回限りのものです。)
[難問に直面した前原さん]
これを担当の前原さんの立場で考えると大変です。
これが国会にかかれば、野党の猛烈な攻撃に晒されるのですから。
華々しく打ち上げた高速道路無料化、鳩山政権としては思わぬ世論の反対、当初予算の6000億の1000億に削減、当面の無料化は地方の交通量の少ないところに限られ政権の訴えた無料化による経済効果は殆どゼロ、前原さんが党の方針に従って打ち上げた八ツ場ダム始めとする公共工事の停止をした筈なのに、道路工事と言う名の公共工事再開、おまけにその道路工事は前政権で凍結されもの、そして高速道路無料化どころか自民党政権時代より値上げ、その影にちらつく小沢さんの選挙優先の政策。
前原さんは国会で高速道路に関する審議をどうして乗り切るのでしょうか。
最後はお決まりの圧倒的多数を利用しての強引に国会通過を図るしかないのは素人眼でも何となく判ります。
それどころか、身内同志が予算委員会と言う公の場で、
公共事業費が大幅削減されたことをめぐり、前原国土交通相と民主党の桜井充・参院政策審議会長が4日の参院予算委員会で激しくやり合った。
桜井氏は「地域の産業政策と一体化している公共事業がある」と、政府の予算削減を批判。さらに「閣内になかなか意見が言えないし、説明もない」などと、日頃の不満をぶちまけた。
と公共事業費の大幅削減、国交相と民主議員が激論する有り様です。
[前原さんもっと慎重な政策運営を]
3日の参院予算委員会に閣僚3人が遅刻し、開会が15分も遅れる異例の事態なったので報道されなかった様ですが、八ツ場ダム問題で名前は忘れましたが、元河川局長だったと言う自民党議員からの専門的な質問に前原さんが答えに窮し何度も何度も審議が停止していました。
何しろ自民党議員の挙げた数々の関連法規によれば、現在の法規を廃止または改定しない限り大臣はそれを実施する義務があるのに、法に則った手続きも踏まずにいきなり半永久的な中止を実施しているのですから。
これに対して八ツ場ダム建設中止方針反対の立場の、東京都の石原知事から
25日の定例会見で、前原誠司国土交通相の八ツ場ダム建設中止方針に関して「僕は本当に前原さんに同情する。非常につらい立場。背中から党是だ公約だって言われても、法律ってものがある」 (産経より)
と言われる始末です。
私は前原さんのガセネタ事件の前に、「政府攻撃の時は足元を掬われないように、喧嘩上手な人と立て、代表は絶対に表にでるな」と投書したとき以来、彼の言動に特別な興味を持って見ていますが、陳情の幹事長室集中の小沢さんの意志に反して、国会答弁でも原口さんと同じように、陳情は自由に官庁にして貰いたいと言うように、しっかりした考えを持っているようです。
然し党の方針に忠実に従うのは良いけれど、就任早々に公共事業中止、八ツ場ダム建設中止宣言をするなど、ガセネタ問題と同じように少し軽率なところがあるような気がします。
その点長妻さんのように、後期高齢者医療制度廃止の公約に関わらず、この廃止が却って国庫の負担増になると判ると、マスコミの批判を無視して実施の繰り延べ述べを決定し、政権の傷口を最小限に抑えた手法を、前原さんも学ぶべきだと思うのですが。
JAL問題の解決の際の判断のように、マニフェストの書かれてない問題には、 (その最終結果を見なければ何とも言えませんが)今の所考えられる範囲の好判断をする前原さんですから、前原さんは公約の実施に就いても余り拘らずに、もっと慎重にすれば良いと思うのですが。
高速道路の無料化も始めから批判のあったばら蒔き見え見えの公約で、前に書いたように問題が続出するのは当然です。 (マスコミの一部では小沢さんに距離を置いている前原さんが一番問題の国土交通大臣と言う貧乏籤を引かされたと言っていましたが。)
最近 twitterで高速道路を同じ同じ無料化するのなら、バスやトラックなどの大型交通機関に限って無料化すれば良いという声を良く見ます。
私もばら蒔き政策の点では民主党から言わせれば難点があるとしても、無料化に伴う渋滞がなくなること、温室効果ガス排出量を抑えられること、高速バスから得るバス会社の利益の減少→地方の一般バス路線の廃止を止める点でも、バス、トラックに限る無料化に賛成です。
然し、今回の全体的には「むしろ値上げ」の新料金体系の中ではそれらの車種への値上がり率が一層高くなりそうな気配です。
前原さんは高速道路問題で一体何を考えているのでしょう。
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